ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のレビュー・感想・評価
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正義とは
ジャーナリストの矜持
日本のマスコミではこうはならないだろうなというのが、ため息と共に出る最初の感想である。勿論アメリカも日本と同じく大多数の人々は権力に屈してささやかな日常を守ろうとしているのは間違いない。しかしアメリカには民衆自身の手で自由と権利を勝ち取ってきた歴史がある。アメリカ人にとってアメリカは自分たちが作り上げた自分たちの国なのである。「天皇を中心とした神の国」(by森喜朗)を有り難く戴いているのとは訳が違うのだ。
だから国民の主権や自由が奪われそうになると敏感に反応する。そして声を挙げる人々が少なからず出現する。抵抗する保守勢力は大変に強力だ。彼らは持てる権力のすべてを稼働させて反体制の芽を叩き潰そうと画策する。そんな強大な権力に民衆が立ち向かう武器はひとつしかない。
メリル・ストリープ演じるワシントン・ポスト紙の社主は、女性であるということだけで知見に乏しく判断力がないと役員たちから軽んじられている。あがり症気味な面もあって上手く意見を表明できずに鬱々とその立場に甘んじているが、会社が迎えた危機がアメリカの自由と人権の危機そのものであることを看破し、社を守るだけに汲々とする役員たちに対して敢然と決定を下す。人々はその勇気に感動しその行動に高揚する。
会社第一の会社の役員たちや保身だけの元政治家、熱血編集者たちと丁々発止に渡り合う中で、彼女は夫の言葉を蘇らせ、本来の自分の考え方を取り戻していく。短い期間で彼女が変わっていく様子を大女優は見事に演じ切る。
民主主義を守っていくのは民衆の意志と勇気なのだという当たり前のことに我々がこれほど感動するのは、今の世の中が当たり前でなくなっていることの証左でもある。日本の民主主義に希望はあるだろうか。
今のタイミングだからなおリアル
日本でもアメリカでもマスコミと政治の関係は難しくなってるのかな?と。
最後の最高裁の判決文は明解。
お互いに誰のためにやってるのか?を忘れなければこんな事態にはならなかったのに。
今の時代だからまた映画になったのか?警鐘的な感じではあるが、政治と報道のそれぞれの基本に顧みるいいタイミングだと思った。
マイナス一点は、なんか展開が早かった。
メリル・ストリープの苦悩は伝わってきたんだけどなー。
なんかさらっと描かれてる感じがした。
社会派サスペンス
もう少し
タイトルなし(ネタバレ)
女性の尊厳。この映画をみて、一番残る印象がこれとは…。
見る前は報道の自由と公権力の攻防だと思ってました。
実際はそんな一本調子の話なんかじゃなかった。
ジャーナリストと施政者の距離感の変容期、
新聞社の個人保有から株式公開による社会の共有財産化への移行、
国家機密の暴露と報道の自由の境界線、
司法決定に応じない態度の是非。
これら重層的な問題をほぼ説明セリフ無しで肩書抜きのファーストネームでのやり取りで表現しきる。
ものすごく骨太。
そんななか、最初はほとんど画面の端にしか映らなかった女性たちが少しずつ、少しずつ、画面の中央に入り始め、ストーリーの要所にその存在感をみせていく。
鋭利な記事を書く女性記者だけではない。
電話の取り次ぎをする女性も。
政府側の弁護士助手も。
文書整理の修羅場にレモネード屋ごっこみたくサンドイッチを配るトム・ハンクスの妻がもっとも、メリル・ストリープの苦悩をわかっていた、そのことを思うとサンドイッチのくだりもまた、印象が変わる。あえて子供のレモネード屋ごっこと並べて描いておいてからの印象の変換であり、もう構成として巧みとしか言いようがない。
そして誰よりも。本当は夫がやるべき仕事だったのに、女の私なんかがー。この劣等感に囚われたメリル・ストリープが自ら意を決するまでの苦悩と葛藤、そして劣等感克服への流れが素晴らしく。
裁判のあと、演説するでもなく歩く道に彼女の決断を誇らしげに見つめる女性、女性、女性…。
映像とはなんと雄弁なのか。その顔顔顔に泣けて泣けて。
トム・ハンクスは映画のストーリーのほとんどをリードし且つ、メリル・ストリープの繊細な演技を邪魔しないバランスの良い押し出し感でした。
演技合戦があるのかと思いきや、決してぶつけない玄人ならではの相乗効果。
本当に、見応えのある映画でした。
メリルストリープの演技
フムフム
トランプ大統領、観た?
権力"による"監視と権力"の"監視
知識ないとキツい
結果はわかってるのに興奮
いつも邦題に文句をつけてる私ですが、この「ペンタゴン・ペーパー」は原題(The Post)を越えていてとても良いと思いました。
実話ベースなので結果は観る前からわかっているのにも関わらず、こんなにハラハラドキドキさせられるなんてさすがスピルバーグだと思います。
あとメリル・ストリープとトム・ハンクスの力技というか演技力に脱帽。本当に見ていて惹きこまれました。
個人的に感動したのは、母と娘のシーン。夫のお葬式のメモを娘に読ませる母の気持ち。あの時はまだ覚悟を決めかねてたのかな?自分がもし投獄されるような事になったらこの子達は路頭に迷うかもしれない。そんな経営者としてではなく母としてのケイの葛藤で涙が溢れました。
Let's publish
と、Let'sを使ったセリフも興味深かったです。
長さと難しさ、重さを感じさせない素晴らしい映画でした。
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