「失われている報道の自由」ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
失われている報道の自由
今は、すでに米も日も、多くの国が失われている報道の自由。政治家、金持ち連中への忖度、利益誘導、行政指導が中心で、国民が本当に必要な情報が様々な視点から報道されているか?って問うたら「否」だろう。
この映画を文字通りに取ると、ベトナム戦争を停戦に導いた一つの大きな要素となるが、Wikiでペンタゴンペーパーズを読んでみると、本当の「最高機密文書」ではないらしい。当時、ベトナム戦争が泥沼化しており、撤退するための良い口実を策略的に作った可能性もある。
それにしても、国民である我々は、マスコミや専門家が伝える情報に頼らなければ、国の政治や経済、安全保障などについて知ることができない。現代では、マスコミが立法・行政・司法以上に国民を洗脳し、嘘を隠蔽する力を持つ第4の権力と目されるだけに、国民目線であってほしい。しかし、米も日も、現在は政治的な圧力に脆弱で、利益を上げるために大株主や金融、財界に忖度をせざるを得ないであろうから、報道は彼らに都合のよいような情報しか流れてこないと思っておいた方がよい。
監督がスピルバーグと聞いて、ユダヤ系の資本に良いように作っているのだろうと思う。事実に基づいて制作した映画と謳いながら、真実はもっと別なところにある可能性大。
レビューの低い方で、ベトナム戦争は反共のドミノ理論のため行ったというように印象操作しているという指摘があったが、ホ―・チミンに言わせると、民族独立戦争であって、反帝国主義のため中ソの支援が必要だったというのが本当のところだろう。米の帝国主義を隠蔽しているのだ。
現在の国際情勢を見ると、帝国主義や資本主義を進めたことで到来したグローバリズムを進める国が、世界が統一した政策で課題にあたる必要性を説くことで、実質は共産化が進んでいるらしい。共産主義とグローバリズムは双子の兄弟だということだ。動画を見る限り、米国などは酷い惨状だ。メールも電話も盗聴・検閲され、メディアは完全に統制されている。
それに抗うとしたら、ナショナリズム、国の伝統的な価値観、国民の生活や利益、価値観や充足感、従属感を大切にする生き方ということになる。トランプやプーチンが、そちら側ということだ。
この映画自体は、脚色されているだろうが、報道の自由を守るという、ただこの一点において、重要な映画だと思う。