劇場公開日 2018年3月30日

  • 予告編を見る

「これぞジャーナリズム。報道の自由を守った稀代の決意。」ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5これぞジャーナリズム。報道の自由を守った稀代の決意。

2018年4月27日
PCから投稿

知的

難しい

寝られる

【賛否両論チェック】
賛:「機密文書の公表」という大スクープにあって、国家権力からの圧力に決して屈しなかった新聞記者達の熱意を通して、社会で生きていく中での自由の尊さを考えさせられる。また、その裏にあった女性経営者の苦悩や葛藤も描かれ、その成長過程にも感動させられる。
否:ストーリー自体はかなり淡々と史実をなぞるように進むので、気をつけないと眠くなってしまうかも。

 勿論メインは、世論をも変える国家機密の暴露を決行した新聞記者達が、国家権力からいかにして報道の自由を守り抜いたかという部分ですが、もう1つ注目すべきは、ポスト社の社主であるキャサリンの、リーダーとしての成長過程ではないでしょうか。夫から受け継いだ会社で、最初はおどおどした様子で立つ瀬もなかった彼女が、「株式の公開」と「国家機密の公表」という2大局面に瀕し、次第に誰からも押しも押されもしないリーダーとしての器に成長していく姿は、非常に凛々しく映ります。
 また、そんなキャサリンの傍にあって、時には対立しながらも、やがてその志を共にしていくベンの勇姿も、また魅力的です。
 史実を淡々と描き出すような調子で進むので、興味を惹かれないと思わず眠くなってしまいそうですが、リーアム・ニーソン主演の「ザ・シークレットマン」にも通じるところがある骨太なストーリーですので、是非チェックしてみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド