劇場公開日 2018年3月30日

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「更なる情報社会に向けて振り返るべき事実」ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 nagiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5更なる情報社会に向けて振り返るべき事実

2018年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

日本では非常にタイムリーなテーマな作品だが、最高機密文書に焦点を当てたのではなく、ワシントン・ポストを始めとするメディアの在り方を描いたものである。メディアは報道の自由を主張し、市民に事実を伝え市民の代弁者である必要がある。そうしてメディアは政権の暴走を抑制する機能を持つのであり、その意味でアメリカ最高裁判所は正常に機能していたと言える。(『デトロイト』とは対照的に。)スピルバーグは来たる更なる情報社会におけるリベラルの重要性を説いた。同時期に『レディ・プレイヤー1』も製作していることを考えると(当作は娯楽作品だと言われているものの)彼自身VR, AR, AIなどが発達した情報社会に多かれ少なかれ期待をしているのかも知れない。それが『ブレード・ランナー』のような世界になってしまうのか否かは私には判りかねるが、AIがポジティヴに人間に寄り添う作品も観てみたいものだ。時代は変わりつつある。
報道、表現の自由と言えば今年度ドキュメンタリー部門でオスカーを獲得した『イカロス』である。非常に緊張感のある危ないドキュメンタリースリラー(!)だった。

nagi