タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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日本人記者は、知っていたはず。
日本にいるドイツ人記者が韓国の戒厳令について、
日本で知り、韓国の光州へ取材に向かいました。
この映画を鑑賞してドイツ人記者よりも、日本人記者の
ほうが、この光州事件を世界に報道できる可能性は高った
と思いました。
日本人なら外見は韓国人に似ています。
第2次世界大戦中に、日本が韓国等の国々を占領した
影響で韓国人には、意外に日本語が通じます。
もちろん、誰が取材しても、命がけの取材になるので、
「自己責任」による取材です。
発表報道は、韓国政府により嘘ばかりです。
ドイツ人記者の行ったこの調査報道は、真実の断片かも
しれませんが、事実を伝えることで、韓国や世界を
動かし、歴史を創りました。
日本ニュースは、発表報道、毎年同じ行事のニュース、
スポーツニュース、芸能ニュース、天気予報で観あき
ました。
何のために使用されているのかわからない受信料を
支払ってまでして、NHKのニュースを見る気にも
なりません。
この映画を鑑賞しても、何も感じない、何とも思わない
日本人記者は、ドイツ人記者に劣ると感じました。
人情の厚さが胸を熱くさせる
映画としてとても面白かった。
ベースになる光州事件が僕が生まれる2年前、
約40年前にあったなんて信じられなかった。
日本で言う学生運動か、
と思っていたら軍は怪我人や無抵抗の住民を撃って行く
姿は映画だけど恐ろしかった。
映画を感動的にさせるのは、
光州の人たちの温かさ。
自分たちは虐げられてるのに、客をもてなす姿や
笑顔を忘れない姿勢や団結。は胸を撃つ。
主人公も悪い人ではないけど、
どこか軽いキャラクターだったのが、
光州の人たちや、記者の正義感に触発されて
変わって行く姿も良かった。
ラストのタクシーでのカーチェイスは、
フィクションでしかないけど、
盛り過ぎだし、
韓国人はこう言う自分の命を賭けて
仲間を助ける構図好きだなと思ったけど、
胸が熱くなりました。
笑いのシーンがあるから泣けるシーンも際立って、
感情の振れ幅が凄かった。
現実では記者は運転手と再会出来なかったという事
だけど、やっぱり軍に殺されたって事なんだろうな
と思いました。
面白かった
今後の研究に期待
平常な世界と非常な世界のグラデーションの描き方が良い。何か違うなと思ったら既に違う世界にいる。追いつかない現状認識。それがどんどん追いつく。
タブーとされてきた事件を取り扱った作品。それだけに色々と勉強もできる。かつての映像では市民も武装している。皆兵制度がある国。数日間は市民が市中を制圧したという。不明な点も多いようだ。
何故民主化運動が光州で暴動化したか、何故軍政は市民を狙撃するに至ったのか?あまり触れてくれていない。実相を総じて正しく描いているかという点については疑問もあり、エンターテイメント要素も多く詰め込まれている。
しかし、卵と壁ではないが、思想的背景や社会情勢を棚上げしても、英雄的行為への希求は人の構成要素の一つであり、誰もが英雄となりえることを示すことが、昨今蔓延する臆病風に効く薬であって欲しい。
期待通りの映画
情報錯乱の中、自分自信で見極めなければならない事は今も同じ。
1980年実際に起きた軍主体の国家と民主化運動を進めた光州民間人の闘いを、ソウルから来た運転手とドイツ人のジャーナリストが現地を体験する方法にて「光州事件」を映画化。
私としても小さい頃の話だが、日本でニュースを報道していた記憶は無いし、この歳になるまで隣国にてこの様な騒動があったなんて知って心が痛んだ。
光州以外の韓国には民主化暴動と情報が流され、真の場所では軍が民間人を赤呼ばわりで暴行行為。
先日までめげずに明るく食卓を囲んでいた人間が、数日後には拷問死体。何とも哀しくなる状況。
後半になればなるほど目を背けたい実情なのだが、これをしっかり伝えなければと頑張る主人公2人の背中を観ているとこちらもしっかり観なければと思った作品だった。
満点に近い点数を出したかったが、車バトルがいかにも「友情お涙ちょーだい」的で事実に付け足した感があり、私には要らなかった。検問のみにしとけば良かったのに。
情報操作なんて方法違えども、今も溢れている。
この映画から、何事にも都合良い情報だけ入手するのでは無く、時には自分自信で別角度から判断し、他から煽られず、一個人として見極めて行きたいと実感した。
ジャーナリズムものが好きな方にはオススメします。
知らなかった隣国の史実
1980年5月に起こった「光州事件」を描いた韓国映画。
どこまでが史実かは分からないけど、韓国映画らしい迫力とアツさに溢れていて、胸がいっぱいになった。
だらしなくてしょーもなくて憎めない、ソン・ガンホの「小市民のオッサン」感が本当に素晴らしく、それがあるから観客はこの重いテーマをエンターテイメントとして受け入れられるし、事件の凄惨さや後半の彼の葛藤や苦悩もより引き立つように思う。
私はこの事件についてほとんど知識がなかったので、映画を見てからネット記事などで背景を少し読んだ。
今やアジア有数の民主主義国で、日本以上に開かれているようにすら思える隣国が、ほんの40年前まで民主化運動でこんなに苦しんでいたとは…今となっては信じがたい。
そして、この事件が世界中で報道されるようになっても、国内では長年正しい情報が伝えられず、今でも真実について不確実な点が多いらしい。
自国の民衆にためらいなく銃口を向け、丸腰の市民を棍棒で殴る軍人たちに葛藤はなかったんだろうか。
市民側には自分の家族や友達や知り合いがいるとは思わなかったんだろうか。
それにしても、彼のいいかげん英語でのいいがげんなコミュニケーション、「うまく話さなきゃ」とおどおどして口ごもってしまう私には羨ましい限り…。
緑色は自由の色
世界の眼
「韓国ほど住みやすい国はない。親に金を出してもらって勉強するために大学に入ったのに、デモなんかするなんてバカバカしい。」みたいなことを言ってるソウルのタクシー運転手の眼から見た世界の光景が、ものすごいテンションとスピードで変わってゆく。軍事政権が市民を凄惨な暴力で弾圧し、マスメディアを統制し、嘘の情報で世論をコントロールする腐りきった世界が、彼のナイーヴな世界の幻想を塗り替えてゆく。その丁寧な描写が素晴らしかった。
タクシー運転手達の、生活感とプライドと愛をあぶり出すような会話とアクションにも胸を打たれた。
過去の政治の酷い過ちを描くことで、世界の今を鋭く批判する。今の日本の映画界にこのような作品を産み出す知性と力があるだろうか?
盛り過ぎはマイナス。
久し振りの韓国作品(DVDの「フェイク」以来、嗚呼「新感染」も封開けてないや)、
しかも久し振りのガンホ兄貴、ハズレの訳はな買った期待通りの一本。
十二分に映画として良作なのだが、「事実を基にした」という点では終盤30分辺りからの演出が過剰でクドく感じてしまったのが残念。
兄貴が聖人君子ではない小市民を見事に演じているだけに、余計に。
歪んだ国家vs人の温かさ
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