タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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ソンガンホ兄貴万歳
テーマはガチガチの社会ドラマなんだけど、ソンガンホのキャラもあって、コメディータッチな感じもあり。温かなシーンもあって良いバランスだった。
私は当事件に関する事前知識がほぼなかったのでソンガンホ兄さんと全く同じ目線で光州を感じることができた。
政治にも興味のない一庶民が、ひょんなことから光州事件に巻き込まれてしまう。徐々に明らかになっていく真実と光州の惨状。まるでミステリーのようでもある。
当時の光州や、光州の外の様子が描写されればされるほど、これがたった30年前に実際に起こったことだということに恐怖を感じる。
軍事政権という特殊な状況下の話ではあるけど、けして他人事ではない。人間の恐ろしさ、それを止めるのもまた人間であり。
哀しみも多いけど救いも希望も残る。
人としての素朴な親愛の情と平和のありがたみを心から感じられる、温かい物語だった。
むごい
今思えば、
最後の検問で、なぜだか見逃してくれた若い兵士、
たぶんあの優しい光州の運転手さんの 末の弟さんなんでしょうね・・・
「音痴の学生と良く似てるヨ」と言ってお兄さんが笑って並んでた。
徴兵されて、同じ国民に銃を向けることになり、仲間の私服軍人がカーチェイスの末に大切なお兄さんを銃殺したことを弟は知らない。
むごいな。
兄の死の直後、その弟が、何故だか不思議な衝動でピーターたちを通してくれたんです。
そしてフィルムは世界へ。
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僕自身が、催涙弾やら放水やら、おまわりさんからお見舞いされた世代だし、
友人(女性)はおまわりさんから警棒で頭を強打されて後遺症がいまだにあるので、光州事件は身につまされて泣けました。
警察や軍隊が武力で市民を弾圧するのは、本当に恐ろしいことです。
昔も今もです。
BGMは加藤登紀子の「時には昔の話を」かな。
カーチェイスいらんし
1980年の光州事件を扱った「タクシー運転手」。韓国で1200万人突破というこの名作を、東京では新宿と立川,錦糸町でしか上映していないということがまずおかしい。ペンタゴン•ペーパーズと同様にどうしても今の日本の現状と重ね合わせて観てしまうのだ。後半のカーチェイスシーンが余分でつくづく残念。韓国映画特有のサービス精神旺盛さが裏目に出た
日本人記者は、知っていたはず。
日本にいるドイツ人記者が韓国の戒厳令について、
日本で知り、韓国の光州へ取材に向かいました。
この映画を鑑賞してドイツ人記者よりも、日本人記者の
ほうが、この光州事件を世界に報道できる可能性は高った
と思いました。
日本人なら外見は韓国人に似ています。
第2次世界大戦中に、日本が韓国等の国々を占領した
影響で韓国人には、意外に日本語が通じます。
もちろん、誰が取材しても、命がけの取材になるので、
「自己責任」による取材です。
発表報道は、韓国政府により嘘ばかりです。
ドイツ人記者の行ったこの調査報道は、真実の断片かも
しれませんが、事実を伝えることで、韓国や世界を
動かし、歴史を創りました。
日本ニュースは、発表報道、毎年同じ行事のニュース、
スポーツニュース、芸能ニュース、天気予報で観あき
ました。
何のために使用されているのかわからない受信料を
支払ってまでして、NHKのニュースを見る気にも
なりません。
この映画を鑑賞しても、何も感じない、何とも思わない
日本人記者は、ドイツ人記者に劣ると感じました。
人情の厚さが胸を熱くさせる
映画としてとても面白かった。
ベースになる光州事件が僕が生まれる2年前、
約40年前にあったなんて信じられなかった。
日本で言う学生運動か、
と思っていたら軍は怪我人や無抵抗の住民を撃って行く
姿は映画だけど恐ろしかった。
映画を感動的にさせるのは、
光州の人たちの温かさ。
自分たちは虐げられてるのに、客をもてなす姿や
笑顔を忘れない姿勢や団結。は胸を撃つ。
主人公も悪い人ではないけど、
どこか軽いキャラクターだったのが、
光州の人たちや、記者の正義感に触発されて
変わって行く姿も良かった。
ラストのタクシーでのカーチェイスは、
フィクションでしかないけど、
盛り過ぎだし、
韓国人はこう言う自分の命を賭けて
仲間を助ける構図好きだなと思ったけど、
胸が熱くなりました。
笑いのシーンがあるから泣けるシーンも際立って、
感情の振れ幅が凄かった。
現実では記者は運転手と再会出来なかったという事
だけど、やっぱり軍に殺されたって事なんだろうな
と思いました。
面白かった
結構長めの映画だけど、あっという間に感じた。
コメディーチックな日常からハードな非日常へとグラデーションになっていて、その中でただ無関心だった小市民だったソン・ガンホが、ドイツ人記者や光州の仲間たちと協力して、真実を世界に届けるという使命のために頑張るという展開は胸熱だった。
実話ベースということにも驚いたけど、普通に映画として凄く上手いし面白い。
今後の研究に期待
平常な世界と非常な世界のグラデーションの描き方が良い。何か違うなと思ったら既に違う世界にいる。追いつかない現状認識。それがどんどん追いつく。
タブーとされてきた事件を取り扱った作品。それだけに色々と勉強もできる。かつての映像では市民も武装している。皆兵制度がある国。数日間は市民が市中を制圧したという。不明な点も多いようだ。
何故民主化運動が光州で暴動化したか、何故軍政は市民を狙撃するに至ったのか?あまり触れてくれていない。実相を総じて正しく描いているかという点については疑問もあり、エンターテイメント要素も多く詰め込まれている。
しかし、卵と壁ではないが、思想的背景や社会情勢を棚上げしても、英雄的行為への希求は人の構成要素の一つであり、誰もが英雄となりえることを示すことが、昨今蔓延する臆病風に効く薬であって欲しい。
期待通りの映画
なかなか観ることができなかった本作を
やっと観られましたが
笑いあり涙あり、緊張あり緩和ありで
2時間強があっという間に感じられた
期待通りの映画でした。
ほんのちょっと前の出来事で
しかも隣国の韓国で
大した主義もない
ごく普通の市民が
人としての良心や善意からの行動で
紛争に巻き込まれていく様や
刃向かうものに軍事政権がとった行動は
とても怖かったです。
情報錯乱の中、自分自信で見極めなければならない事は今も同じ。
1980年実際に起きた軍主体の国家と民主化運動を進めた光州民間人の闘いを、ソウルから来た運転手とドイツ人のジャーナリストが現地を体験する方法にて「光州事件」を映画化。
私としても小さい頃の話だが、日本でニュースを報道していた記憶は無いし、この歳になるまで隣国にてこの様な騒動があったなんて知って心が痛んだ。
光州以外の韓国には民主化暴動と情報が流され、真の場所では軍が民間人を赤呼ばわりで暴行行為。
先日までめげずに明るく食卓を囲んでいた人間が、数日後には拷問死体。何とも哀しくなる状況。
後半になればなるほど目を背けたい実情なのだが、これをしっかり伝えなければと頑張る主人公2人の背中を観ているとこちらもしっかり観なければと思った作品だった。
満点に近い点数を出したかったが、車バトルがいかにも「友情お涙ちょーだい」的で事実に付け足した感があり、私には要らなかった。検問のみにしとけば良かったのに。
情報操作なんて方法違えども、今も溢れている。
この映画から、何事にも都合良い情報だけ入手するのでは無く、時には自分自信で別角度から判断し、他から煽られず、一個人として見極めて行きたいと実感した。
ジャーナリズムものが好きな方にはオススメします。
知らなかった隣国の史実
1980年5月に起こった「光州事件」を描いた韓国映画。
どこまでが史実かは分からないけど、韓国映画らしい迫力とアツさに溢れていて、胸がいっぱいになった。
だらしなくてしょーもなくて憎めない、ソン・ガンホの「小市民のオッサン」感が本当に素晴らしく、それがあるから観客はこの重いテーマをエンターテイメントとして受け入れられるし、事件の凄惨さや後半の彼の葛藤や苦悩もより引き立つように思う。
私はこの事件についてほとんど知識がなかったので、映画を見てからネット記事などで背景を少し読んだ。
今やアジア有数の民主主義国で、日本以上に開かれているようにすら思える隣国が、ほんの40年前まで民主化運動でこんなに苦しんでいたとは…今となっては信じがたい。
そして、この事件が世界中で報道されるようになっても、国内では長年正しい情報が伝えられず、今でも真実について不確実な点が多いらしい。
自国の民衆にためらいなく銃口を向け、丸腰の市民を棍棒で殴る軍人たちに葛藤はなかったんだろうか。
市民側には自分の家族や友達や知り合いがいるとは思わなかったんだろうか。
それにしても、彼のいいかげん英語でのいいがげんなコミュニケーション、「うまく話さなきゃ」とおどおどして口ごもってしまう私には羨ましい限り…。
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