タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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タクシー運転手 約束は海を超えて
タイトルを見て カーアクション?
でもちょっと笑えそうそんな感じで観ることに、、、
やはりいろいろなトラブルに巻き込まれる展開、
想像どおり
笑うつもりが感動してしまいました
やはり心を掴むのは人と人との絡みですね
今の香港に重ねてみると
2008年に訪ねた5・18民主化運動記録館での衝撃がよみがえった。昨今の香港は、民主化への道のりという希望ではなく、逆に民主主義から共産党一党独裁への恐怖であることを感じています。
後世に伝えたいもの
こういう作品がどんどん世に出たらいいのに、と思う。
歴史に埋もれてしまう、知るべきこと。ポスターの笑顔からは、光州事件という重たいテーマを描いた作品とは思いもよらず、しかし、この表情が、キャラクターの特徴を良くとらえたワンシーンだということを、映画を観たあとで理解した。
ひょんなことから光州事件に巻き込まれたソウルのタクシードライバー、決死の思いで韓国に取材にやって来たドイツ人記者、民主化を訴え闘う学生、彼らを助けた現地のタクシードライバーたち。
ごくありふれた人々の、ごく日常の表情と、ごく普通の幸せのために死と隣り合わせで闘う姿、その描かれた対比が何とも切ない。
偶然芽生えた友情と自国への愛国心から共に闘うことを決意した主人公に、己の使命を全うせんとする記者に、若さという武器を超越して信じた道を突き進む学生に、地元を愛するドライバーたちに、引き込まれ応援している自分がいた。
実際には外国からの記者ももっといたらしいので映画的に描かれている部分もあると思うが、名も無き市民の多くが犠牲になり闘った光州事件の事実を、緩急ある展開で描いた。
ちなみに、この映画が公開されたことで、ソ・マンソプ(キム・サボク氏)の子息が判明し、後日ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター氏)の家族と面会したそう。
この映画が持つ、もう一つの意義になったのでは。
コメディかと思いきや→重い作品でも本当に良い映画
実話を基にした作品。エンタメ作品ではあるが韓国で起きた光州事件を基にしていて、全体的には重い。
実在したタクシー運転手の話ではあるが本人が今となってはどこにいるかわからないので事実はわからないが、彼を主人公にすることで、その当時の韓国人の考え、そして、光州事件の衝撃を観客と共に味わう作品。
今からわずか40年前で、このような残虐な事件があったとは。軍事独裁下の韓国を知らないのでいろいろやばいところがあったし、国家はいつそのようになるかわからない、という普遍的な歴史的事実でもある。
主人公にとっての「タクシー運転手」という役割の意味
主人公は独裁にも戒厳令にも全く関心がない。娘に靴も買ってやれず、家賃も払えない貧しさから、金を稼ぐことしか頭にない。光州に到着してからも、デモ隊を軍が強制排除するさまを屋上から見て絶句するドイツ人記者たちを尻目に、主人公はデモ隊の女性からもらった握り飯を食べては、「これがこの辺の味付けか」などと感心している。主人公にとって、「タクシー運転手」とは、金をもらって人を運ぶ仕事だ。乗客が金を払えるかどうかは重要だが、乗客の目的はどうでもよい。デモに参加した息子が負傷したのではないかと心配し、病院まで乗せてくれと懇願する母親に対してさえ、「金はあるか」と確認する。「おいおい、この状況で金を取るのかい」とつっこみたくなる。
あまりの無邪気さに、ソウルに残してきた娘を案じドイツ人記者たちを残してソウルへ戻るという頃には、そういう生き方もあってよいと思えるようになってくる。だから、光州を脱出し、近郊の街で食事を摂りながら、主人公が迷い始めると、「せっかく脱出できたんだぞ。余計なことを考えるな。早く娘のところに帰れ。光州に戻るんじゃない」と叱りたくなった。
物語が終わりに近づくにつれ、主人公にとっての「タクシー運転手」という役割の意味が急激に変わる。弾圧への抵抗を描く映画では、弾圧の中でも職業上の使命を貫く人々に感動することが多いが、弾圧によって職業の意味がこのように変わるという描き方に心を揺さぶられる。
軍人だって、国民。
・光州事件?なにそれ?な人にとってもわかりやすくしてる親切さ◎
・「事実に基づき再構成してます」の域を遥かに超えた超絶カーチェイス。
そこにエンターテイメントにするんだッッという覚悟を感じる。
・韓国の田舎の一般道で、マッドマックスとスターウォーズをやった試みが素晴らしい
・タクシー運転手は基本全員バック技術が超絶
・兵士の中にも早く内乱終わらせたかった人もいたのね
・単なる勧善懲悪じゃなく、軍事政府側にも花を持たせてることに感心
(兵士も国民だしね)
・前半で主人公の心の貧しさをちゃんと描いてる(周囲の人の好意を味わえない、感謝できない)
・そこからの主人公の成長の見せ方と演技が素晴らしい(周りの好意にまみれていることに主人公がやんわり気づく食堂のシーン、素晴らしい)
・映画の中で再会させるなんて、粋だなあ。
・この事件自体を過去と割り切ってからきしエンターテイメントに仕立てた思い切りの良さが素晴らしい。
・光州の運動に関わっていた人は、後に韓国の重要なポストについている。例えばノ・ムヒョン元大統領やムン・ジェイン現大統領。(へぇボタン連打)
・朝鮮半島の歴史が動いてる時期に観れてよかったぜ!
韓国って。。。
映画やドラマを通じて韓国の歴史に触れると、韓国人や朝鮮人って、本当に時代に翻弄されたことがよくわかる。久しぶりにヒヤヒヤハラハラしたなぁ。今巷ではまた韓流ドラマブームが来ているらしい。映画もドラマもあらすじが面白いんだよなぁ。そして、名優ガンホさん。見ている方が主役に乗り移りそう
史実が胸に迫る
素晴らしい映画でした。
前半は笑い、後半は泣きっぱなし。
程よくエンターテインメント性を持たせ、
話に引き込ませつつ、
悲しい史実をしっかりと伝えています。
この映画がなかったら、
私はこの事件を知らなかったと思う。
どうしても泣けてしまうのは、
事件の悲しさやそれに立ち向かった人々の姿なのですが、
もう一つの理由は今でもどこでも起こりうること(もしかしたら起きているかもしれないこと)だからでしょう。
昔の遠くで起きた出来事として片付けられない。
ジャーナリズムの大切さも改めて感じさせられます。
とにかくいい映画でした。
連帯
タクシー運転手が団結するところで泣けた。
ブラザーフッドの物語。。
再会できたらどんなに良かっただろう。。
でもできなかったからこそ思いが募りこのような映画ができたのかなあ
とりあえず韓国の俳優さんたちのレベル高すぎません?
政治や社会を対象化する韓国映画の傑作。
あと韓国人の優しさ、世話好き、シェア精神溢れるところがめちゃくちゃ描かれてて韓国に行きたくなります。
悲しいかな現在の本邦ではこんな映画決して出てこないだろうな…
喜怒哀楽全部乗せ
カーラジオから流れるポップな歌とともにコミカルに始まって、やがて事件への怒り、死の悲しみ、運転手として友を空港に送り届けた達成感、仕事を終えて娘に会えた安堵感、喜怒哀楽全ての感情を揺さぶられます。
これ程の揺さぶりをかけてくる映画はなかなかないと思います。
公開時に2回映画舘で観て、今回久しぶりに自宅で鑑賞し、やはりまた惹き込まれて一気見しました。
以下は初見の時の感想。
コミカルに始まり、後半はシリアスな展開へ。予想以上にハラハラさせられました。
運転手たちが命懸けでタクシーで駆けつけるシーンはかっこよかったなあ!
記者を無事出国させ、幼い娘の待つソウルに戻れるよう祈るような気持ちでした。
自然と涙の溢れる素晴らしい作品でした。
キリングフィールド
まさにキリングフィールドそのもの
集団で武力を持つものが狂いだすととても敵わない
ほんの少し前の話などとは思えない出来事です
今の今まで韓国の大事件を知りませんでした
外人とタクシー運転手の心温まるほんのりとした作品だと思っていたので衝撃が大き過ぎました
言葉の壁を越えて
「海を越えて」
海を越えるには国境や言葉の壁が立ちはだかる。それを超えて芽生える友情や信頼関係には胸が熱くなる。
信頼関係を作るために言葉は重要だというのを思い知らされる。ドイツ人記者が大事な鞄を預けようとした際、タクシー運転手ではなく言葉で意思疎通のできる学生に渡したところが印象的だった。
信頼関係を作るためにはまず言葉。しかし共通の強い目的があるとその壁は乗り越えられる。
ドイツ人記者にはもちろんタクシー運転手にも事実を知らしめたい、という目的と責任が芽生えたとき彼らの間に言葉の壁はなくなった。
そこで育まれた信頼関係と友情はとても強固なものだということをソンガンホとトーマスクレッチマンの熱演が教えてくれた。
公開時めちゃくちゃ行きたかった作品。面白かった。 公州事件。韓国の...
公開時めちゃくちゃ行きたかった作品。面白かった。
公州事件。韓国の人には特別な思いがあるようです。軍事政権による事実の隠蔽を鵜呑みにしてしまった悔恨でしょうか。政権による反日教育を鵜呑みにしている今もあんまり変わってないような気もするが…(笑)
自国民を銃撃するってひどすぎますよね。その恐ろしい現実を目の当たりにするのが本作のミソ。でもこれ、私には2度目なのでインパクトはやや低め。「1987」の衝撃には勝てなかった。
韓国の映画はレベルが高い。アカデミー作品も早めに見なくては。
脚本が混乱に誘う
とにかく脚本が見事。
主人公の目線でそんなに酷いはずがない信じられない現実に徐々に徐々に入っていく。
この、徐々に徐々に、がほんとに見事。
信じられない信じたくない、のバランス感が素晴らしい。
韓国エンタメの凄さは脚本力という足腰の強さだなーと。
後半の市井の人々のヒーロー感はまぁそれはそれとして。
面白かった!
報道の力
折しも香港やアメリカなどで行われているデモや抗議活動の最中、その意義や方法や視点を考えるタイムリーなタイミングでの視聴となりました。
そして報道の力の影響を改めて認識できる映画でもありました。この映画のように事実を正しく使命と勇気をもって報道することで世の中はより良くなるのだと思います。
そう考えると報道の自由と表現の自由はとても大事なことですね(もちろん責任もともなうけれど)。
ソン・ガンホは名優ですね。
いい映画でした。
ソンガンホの真骨頂
1980年の韓国。軍事政権下であり、大統領暗殺後の不安定な情勢で起きた光州事件が、今の韓国の繁栄の礎となった出来事。国としては弾圧し隠しておきたい真実は、他国の記者に依って暴かれたというのは、やはりラストに出て来る表情を受けて当然である。
しかし、それは記者1人の力だけでは叶わなかった。
そこに彼「サボク」が居なければ出来なかった。
その「サボク」ソンガンホは、「パラサイト」より本領発揮してるのではないでしょうか。
初めは生活にいっぱいいっぱいの父子家庭が故に、どう稼ぐがしか執着がなく、何も考えず向かった光州で目にした光景に、「韓国ほど住みやすい所ないぞ」と言った自分を心の中でぶん殴った事だろう。
「オレは何してんだ」と呟きUターン。名場面。
このノンポリでガメツイオッサンから、ヒーローまで熟すソンガンホ、落差のある名演、これが観たかった彼だ。
そしてカーチェイスでのタクシー軍団とか、最後の空港までハラハラさせる展開。
これは名作です。
近大さんのレビューで、「サボク」は事件後4年で亡くなったと見て、残された娘が気がかり。
英雄譚として素晴らしいが、同時に国家としての恐ろしさも感じる。日本では作れない作品。でも今日本人は観るべき。
埋もれてはいけない歴史を描いた、娯楽性も備えた作品
光州で民主化を求める市民に軍が過激な暴行を行い、多数が死亡した1980年5月の「光州事件」。
この事件を世界に伝える為、現場を取材したドイツ人記者とお金目当てで彼を乗せたタクシー運転手の話。
主人公マンソプは目の前の生活でいっぱいで、政治に関心がなく、デモする学生に何のために学校に行ってるのかぼやく。しかし、光州の現状を知るにつれ、考えを改めていく。
危険を冒してでも行動した2人が居なければどうなっていたか、考えただけでも恐ろしい。
今作はドラマだけでなく娯楽性のある映画だった。
特に、現地のタクシー運転手ファンらが2人を逃す為に足止めするシーンなんかはベタなんだけど感動した🥺
現在も海外でデモが起こっている。私はそれを何となくで見ている。自分自身が最初の頃のマンソプと同じように、関心がないのである。これではダメなんだなと思った。しかし、関心を持ったとしても、今作のように新聞、テレビは偏向した内容を伝えているのではないか、いったい何が正しいのか、疑心暗鬼に軽くなってしまいそう。
タクシー運転手の視点
コミカルな前半とシリアスな後半の絶妙な振り幅がすごい。韓国の光州事件を題材にしてるが、ソウルのタクシー運転手ですら知らない事件が、徐々に迫りくる描写が秀逸。
タクシー運転手の視点で描かれているので、何が起きてるかを徐々に知っていくという点において、見ている側も感情移入しやすい。
今の日本もそうだが、政府の嘘をきちんと報道しないマスコミはマスコミとして全く機能していない。そんな日本の問題すらも感じさせる良作であった。最近の韓国映画は日本のリベラリストが作る薄い作品より、よっぽど魂がこもってて熱く感動する。
救いがあるコメディリリーフ
シリアスなテーマなのに音痴な学生が歌謡曲を一生懸命歌ったり、料金のやり取りで揉めたり、なんか時々コミカルなシーンもあって、それがいい。この幅の広さが韓国映画の良さだと思う。
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