タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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出会いはキムを変えた。
映画の最後で、ピーター(配役トーマス・クレッチマン)は2016年1月に他界したと、何度も、キム(俳優ソン・ガンホ)に会いたく連絡をしてみたが会えなかったと。そして、彼本人、ユルゲン・ヒンツペーターが、『キムに会いたい、とんていって会いたい。そして、キムの運転で新しい韓国を見てみたい。』とキムにメッセージを送っている。こんなに感謝の気持ちがあるのに、キムに直接会って感謝ができない。これはピーターにとって心残りだろ
う。正直なところ、私感だが、なぜ名乗り出てあげないんだろうと不思議に思う。キムはピーター、本名、ユルゲン・ヒンツペーターだけにコンタクトができるんだから。私は不幸にもキム側に立っての気持ちが理解できなかった。なぜ、すぐ連絡してあげなかったんだろう?
あとで、調べて分かったことだが、キムは1984年に他界したそうだ。
金大中と全斗煥とのこのへんの歴史は今でも覚えている。全斗煥が主に若者の軍隊を指揮して、民主化に歯止めをかけるため、市民を殺し光州市内でで銃撃戦が行なわれたことは記憶になかった。ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター)が世界に知らしめたのだと言うことが、ここでわかるが、言語を含めての文化がわからないピーターにとっても、この光州への旅はキムなしでは考えられなかったはずだ。キムや他のタクシーの運転手、それに、ある学生の功績が誠に大きい。彼らの力がなければ、光州でのこの事件は迷宮入りしてしまったろう。軍事体制は民主化を阻むことは明らかだし、国が軍備に力を入れすぎると、全斗煥政権のように恐ろしいことになる。
この映画で好きだったのは、光州のあるタクシーの運転手(ユ・ヘジン)の家族に一泊泊まらせてもらうシーンで、キムが横になりながら、自分の家族のことを独り言にように話しているシーンがあるが、ここで、ピーターは目を開けて静かに聞いている。二人は眠れない夜を過ごしているが、韓国語が全くわからない、ピーターにとって、キムの話が理解できたかどうかは私たちが想像するしかないが、この映画では、ピーターがキムの気持ちを理解してあげられてお互いが同じ気持ちで一つになったように感じた。だから、朝一番でキムがピーターを置いて去ってもピーターはなんとも言わなかった。一番泣けるシーンだった。
この映画を以前、高崎のシネマテークという小さな映画館で見た。私の父がこの映画館の賛助会員というので毎年1万円寄付していた。父のボケが進んでからも、父を連れてここで映画を見た。一人じゃ用が足せなくなっていたので、私が一緒にいたから、映画館も入れてくれたんだと思う。その父が他界してからも、高崎に行った時は、私は父のために賛助会員になる。地元で父が一番好きな映画館だったから。
情ったらしの運転手
国に隠された闇を報道する外国人記者と、偶然に送迎同行することになったタクシー運転手。
世界に衝撃を与えた報道者が主役になるような物語だが、そうではなく、偶然にもこのような境遇に関わることになったタクシー運転手が主役。
どこにでもいそうな家族思いでも自分本位なヤツ。
それが、人との交わりや境遇を体験する中で、考えが変わっていく。韓国人の人柄を感じられる。
家族の元に帰るか、現場に引き返すか、
葛藤の場面にはとても共感する。
同じ立場だったら同じように判断できるか?
国の残虐な行為を、身近に感じるタクシー運転手達が救う場面はなんとも言えない、慕わしさと尊敬を抱く。
一見ダメ人間が、人に触れながらいつの間にか、大きなことにつながっていく。
不思議と親近感のわく映画だった。
後半ギアチェンジする話に感動!!
僕的にはね、
ストーリーと余韻が高評価な印象を
持った作品でした(。☬0☬。)
この作品は、
韓国映画の中でもトップ10に入るくらいの
観客動員になった作品らしいですが、
いやぁ、
泣けますね〜🥺✨
これはね、
事件そのものに対して
何か訴える作品というより
あくまでこの事件を背景に
外国人記者とタクシー運転手の
心の変化を中心とした作品なので、
事件については詳しくなくても
問題ない作品でしたー🤗!!
とはいえ、
背景となる事件も凄く残酷で
2度と繰り返してはならない史実を
テンポ良く描いているので、
凄く引き込まれます💪✨
デモに対して韓国政府が
どう対処したのか‥‥.
メディアはどう動いたのか‥‥.
国民の気持ちや
立ち向かう外国人記者は
どう行動したのか‥‥.
事件現場のリアルを凄く感じるし、
観ていて凄く怖かった(ʘᗩʘ’)!!
残酷でリアルな史実を目の当たりにした時、
タクシー運転手や記者が
いかに勇敢だったか‥‥.
そこに凄く感動出来るお話でしたーщ(゜ロ゜щ)💓.
正直、
作品ジャケットのほっこりした雰囲気と
作品内容とは掛け離れていて、
凄く勇敢なお話に感動するので、
余韻は最高なんですが、
リアルな残酷さに
リピートしたい気持ちはそこまで
高まらない‥‥.
そんな印象もある作品でした(ノ゚0゚)ノ~.
やっぱり韓国作品のエネルギーは
凄いですね〜🤔!!
インスタグラム@yoshiki5291で映画レビューもやってますので、良ければそちらでも宜しくお願いします!
そんなことがあった80年、知りませんでした
『パラサイト』があまりしっくりこなかったので「韓国映画、自分には合わないのかも?!」って思っていましたが色々な人からこの映画を薦められ観てみました。
韓国映画界を代表する『ソン・ガンホ』さんの演技が、こんな思い題材なのに能天気な雰囲気に「???」と思いながら進んでいくと涙なくしては見られない状態に!
80年、世界中で暴動や戦争、色々な事件が起こっている年でもありモスクワオリンピックの問題もあったりと激動の時代、日本では山口百恵さんの結婚・引退やら松田聖子さんのデビューやら平和な世の中のさなかにお隣の韓国ではこんな大事件が起こっていたとは、自分自身いい年してたのに能天気だったなあって反省します。
『パラサイト』よりこちらの方がアカデミー賞でいいんじゃないかと個人的には思ってしまいます。順番は後先ですが韓国映画に対する偏見が取れてよかったと思います。とってもいい映画です。
タクシー運転手 約束は海を超えて
後世に伝えたいもの
こういう作品がどんどん世に出たらいいのに、と思う。
歴史に埋もれてしまう、知るべきこと。ポスターの笑顔からは、光州事件という重たいテーマを描いた作品とは思いもよらず、しかし、この表情が、キャラクターの特徴を良くとらえたワンシーンだということを、映画を観たあとで理解した。
ひょんなことから光州事件に巻き込まれたソウルのタクシードライバー、決死の思いで韓国に取材にやって来たドイツ人記者、民主化を訴え闘う学生、彼らを助けた現地のタクシードライバーたち。
ごくありふれた人々の、ごく日常の表情と、ごく普通の幸せのために死と隣り合わせで闘う姿、その描かれた対比が何とも切ない。
偶然芽生えた友情と自国への愛国心から共に闘うことを決意した主人公に、己の使命を全うせんとする記者に、若さという武器を超越して信じた道を突き進む学生に、地元を愛するドライバーたちに、引き込まれ応援している自分がいた。
実際には外国からの記者ももっといたらしいので映画的に描かれている部分もあると思うが、名も無き市民の多くが犠牲になり闘った光州事件の事実を、緩急ある展開で描いた。
ちなみに、この映画が公開されたことで、ソ・マンソプ(キム・サボク氏)の子息が判明し、後日ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター氏)の家族と面会したそう。
この映画が持つ、もう一つの意義になったのでは。
コメディかと思いきや→重い作品でも本当に良い映画
主人公にとっての「タクシー運転手」という役割の意味
主人公は独裁にも戒厳令にも全く関心がない。娘に靴も買ってやれず、家賃も払えない貧しさから、金を稼ぐことしか頭にない。光州に到着してからも、デモ隊を軍が強制排除するさまを屋上から見て絶句するドイツ人記者たちを尻目に、主人公はデモ隊の女性からもらった握り飯を食べては、「これがこの辺の味付けか」などと感心している。主人公にとって、「タクシー運転手」とは、金をもらって人を運ぶ仕事だ。乗客が金を払えるかどうかは重要だが、乗客の目的はどうでもよい。デモに参加した息子が負傷したのではないかと心配し、病院まで乗せてくれと懇願する母親に対してさえ、「金はあるか」と確認する。「おいおい、この状況で金を取るのかい」とつっこみたくなる。
あまりの無邪気さに、ソウルに残してきた娘を案じドイツ人記者たちを残してソウルへ戻るという頃には、そういう生き方もあってよいと思えるようになってくる。だから、光州を脱出し、近郊の街で食事を摂りながら、主人公が迷い始めると、「せっかく脱出できたんだぞ。余計なことを考えるな。早く娘のところに帰れ。光州に戻るんじゃない」と叱りたくなった。
物語が終わりに近づくにつれ、主人公にとっての「タクシー運転手」という役割の意味が急激に変わる。弾圧への抵抗を描く映画では、弾圧の中でも職業上の使命を貫く人々に感動することが多いが、弾圧によって職業の意味がこのように変わるという描き方に心を揺さぶられる。
軍人だって、国民。
・光州事件?なにそれ?な人にとってもわかりやすくしてる親切さ◎
・「事実に基づき再構成してます」の域を遥かに超えた超絶カーチェイス。
そこにエンターテイメントにするんだッッという覚悟を感じる。
・韓国の田舎の一般道で、マッドマックスとスターウォーズをやった試みが素晴らしい
・タクシー運転手は基本全員バック技術が超絶
・兵士の中にも早く内乱終わらせたかった人もいたのね
・単なる勧善懲悪じゃなく、軍事政府側にも花を持たせてることに感心
(兵士も国民だしね)
・前半で主人公の心の貧しさをちゃんと描いてる(周囲の人の好意を味わえない、感謝できない)
・そこからの主人公の成長の見せ方と演技が素晴らしい(周りの好意にまみれていることに主人公がやんわり気づく食堂のシーン、素晴らしい)
・映画の中で再会させるなんて、粋だなあ。
・この事件自体を過去と割り切ってからきしエンターテイメントに仕立てた思い切りの良さが素晴らしい。
・光州の運動に関わっていた人は、後に韓国の重要なポストについている。例えばノ・ムヒョン元大統領やムン・ジェイン現大統領。(へぇボタン連打)
・朝鮮半島の歴史が動いてる時期に観れてよかったぜ!
韓国って。。。
史実が胸に迫る
連帯
喜怒哀楽全部乗せ
カーラジオから流れるポップな歌とともにコミカルに始まって、やがて事件への怒り、死の悲しみ、運転手として友を空港に送り届けた達成感、仕事を終えて娘に会えた安堵感、喜怒哀楽全ての感情を揺さぶられます。
これ程の揺さぶりをかけてくる映画はなかなかないと思います。
公開時に2回映画舘で観て、今回久しぶりに自宅で鑑賞し、やはりまた惹き込まれて一気見しました。
以下は初見の時の感想。
コミカルに始まり、後半はシリアスな展開へ。予想以上にハラハラさせられました。
運転手たちが命懸けでタクシーで駆けつけるシーンはかっこよかったなあ!
記者を無事出国させ、幼い娘の待つソウルに戻れるよう祈るような気持ちでした。
自然と涙の溢れる素晴らしい作品でした。
キリングフィールド
言葉の壁を越えて
「海を越えて」
海を越えるには国境や言葉の壁が立ちはだかる。それを超えて芽生える友情や信頼関係には胸が熱くなる。
信頼関係を作るために言葉は重要だというのを思い知らされる。ドイツ人記者が大事な鞄を預けようとした際、タクシー運転手ではなく言葉で意思疎通のできる学生に渡したところが印象的だった。
信頼関係を作るためにはまず言葉。しかし共通の強い目的があるとその壁は乗り越えられる。
ドイツ人記者にはもちろんタクシー運転手にも事実を知らしめたい、という目的と責任が芽生えたとき彼らの間に言葉の壁はなくなった。
そこで育まれた信頼関係と友情はとても強固なものだということをソンガンホとトーマスクレッチマンの熱演が教えてくれた。
公開時めちゃくちゃ行きたかった作品。面白かった。 公州事件。韓国の...
脚本が混乱に誘う
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