タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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テープの隠し方は賄賂方式
一人娘の父親であり、家賃のためにソウルでタクシー運転手をしているキム・マンソプは、ある日「とある外国人を通行禁止時間までに光州に連れていけば10万ウォンが手に入る」という話を聞く。
彼はわけもわからないままその外国人を乗せ、大金をのためと光州に車を走らせた。
1980年に韓国光州で実際に起きた、光州事件にまつわる実話をもとにした映画。
タイトルやポスター、前半のゆるさからは想像のできない壮絶な光州事件の全貌。
陽気なマンソプ父ちゃんにイラつき、そして泣かされる。
光州事件については名前くらいしか聞いたことがなかったけれど、映画を見る限り軍がいかに残忍な手口で市民を弾圧していたかが分かる。
香港やミャンマーで起きているような事、どの国もこういう歴史を経てきたんだなと。
先日観た『MINAMATA』もそうだったけれど、フタをされ隠された真実を世界に発信しようとするジャーナリズムの話。
アカ、暴徒、反社会勢力と一括りにされ、外から彼らのことを知ることはできない。
いざその土地に降り立てば、彼らは温かくもてなし向かい入れてくれる。
暴徒なのは政府や軍の方ではないか。
言葉が通じなくても、ぶつかり合って繋がって。
国が違っても言葉が違っても人種が違っても。
もう一度あなたに会いたい。
緑のタクシーに黄色い服のマンソプ。
タクシー運転手たちのヒーロー映画でもあった。
まさかパトカーよりもタクシーがカッコいいなんて!
緑のタクシーを存分に使った救助シーンやカーアクションはハラハラドキドキ、さらにウルウル。
検問にしろ空港にしろ結構セキュリティはガバガバで、そこは「本当か?」と疑ってしまったが、とりあえず検問の兄ちゃんには感謝。
決してこの負の歴史を忘れてはならないけれど、最後には温かい気持ちになれる。
ソン・ガンホ演じるキム・マンソプが最高だった。
韓国映画よ、一体どこまで面白いんだ?
本当の意味での傑作
多くの評が出ているが、もう何も読まずともこの映画はただ見るだけでいい。作品も極めてしっかり作られていて妥協がない。とにかくこれほどまで人間が見事に描かれている作品を他に知らない。細かい分析や評論はここでは必要ない。ただひたすら一人でも多くの方がこの作品を見ることを期待するのみです。この作品はあなたを裏切らない‼️
最後に残された嘘がよかった
貧乏で甲斐性なしのダメ親父が、
可愛い娘のために強大な敵と戦いながら勇敢なパパへ変貌を遂げる、という
定型フォーマットで描かれた史実ベースの作品
「新感染 ファイナル・エクスプレス」もそうだったけど、
このダメ親父のヒーロー化フォーマットは
所謂テッパンでハズレなしの印象があって、
本作もやっぱり乾坤一擲シーン満載で十分に楽しめた。
ノンポリのダメ親父がいつも間にか
危険な革命分子という真っ赤なレッテルを貼られて
死にかけるという理不尽に屈せずに
スーパーヒーローに成り上がる様は
最上のカタルシスを得られたと思う
ヒーローなのにそれを顕示することなく、
最後の嘘がとても粋で、良い余韻を与えてくれた
光州事件という史実をベースにしているんだけど、
切り取りに偏りがあって、
物語の都度上どうしても軍政=巨悪、市民=正義という構成になっていた
市民が武器庫を襲って武装して兵士を銃殺した史実は
作品から除外されてたのは仕方がないところ
ソンガンホよく見かける
2021年8月27日
韓国の民主化の話は教科書で少し触れる程度で、あまり知りませんでした。
映画の前半はテンポが少し退屈でしたが、だんだんよくなっていきました。
いつの時代も大きな時代の転換点では若者の血が流れてします。
これはどこの国でも同じなのでしょうか。。。
映画としては見応えがありましたが、未来ある若者のが失われたことは悲しいです。
ソンガンホはパラサイトで初めて観てから、韓国映画ではちょくちょく見かけますね。
日本人の私でも知ってるくらいだから、かなりの人気俳優なんでしょう。
演技もさることながら、豊川悦司と重なる胡散臭さもあり、個人的に好きです。
報道は事実を正確に伝えられていないことがある
韓国・光州で起きた実話をもとにしている。
残念だけど、いつの時代にもどこかで争いや内乱はあるんだろう。
しかし、報道は事実を正確に伝えられていないことがある。
国境を超えてジャーナリストとしてそれを伝えたドイツ人記者ピーターと、タクシー運転手として彼を運んだ、二人の実話には、二人の熱い友情と、韓国人の人情が感じられる。
この精神を、現在の国際社会にも倣って欲しい。
とても見応えの有る映画
始まりはコメディタッチのB級映画かと思って見ていたら…
迫力も演技も引き込まれてしまう、とても見応えの有る作品であり、そして過去にあった事実の記録でもあるのでしょう。
みて良かったと思える映画です。
おバカでも大丈夫!感動は無知を越えて
光州事件…?初耳!な私でも楽しめました。
冒頭に説明があるので、理解出来ないとストーリーが分からないかな…と焦りましたが大丈夫!
とりあえず、光州という町で民主化を求める市民を軍が残虐に殺しているという事だけ頭に入れておけばOK。
題材は難しいですが、主人公はおちゃらけたおじさんなので笑えるシーンが多い!深刻過ぎず、コメディ過ぎず、このバランス感が何とも絶妙!
感覚的にアクション映画に近いので、小難しいやりとりなどは一切ないので安心。
言うなら、主人公のタクシー運転手の目線で光州事件を観るイメージ。だから、複雑な事はよく分からない。ただ、目の前にいる善良な人々が次々に殺されて行くのを目の当たりにするだけ…。だからこそ、心がとても痛みます。
人とは思えない人がいる一方、自分を犠牲にしてでも人を助ける人もいて、絶望したり希望を感じたり。
圧倒的な力を持つ軍に一市民であるタクシー運転手は勝てるのか、手に汗握りながら鑑賞しました。
40年前の事件と言えど、コロナ禍でも驚くほど善良な人がいたり、逆もあり…。根本的な事は変わらないのが悲しい。
また、市民が国に抗議出来る世の中になったのに、誰も抗議しない悲しさも感じました。
映画のラストで驚きのサプライズがあるのでお楽しみに!長く余韻が残る映画でした。
真実を伝える為に闘ってくれてありがとう
実際にあった事件だと思うと苦しくなる。
真実を伝える為に闘った人たちの気持ちが報われる結果になって本当によかった…!!
ちなみに、ユンゲンはキムサボクをずっと探していたけど、見つからないから偽名だと思ってたらしい。
でも、映画公開後にキムサボクの息子が現れて明らかになった事実がある。
高級ホテル所属の個人タクシーだったから、タクシー会社に名簿がなかったからいくら探しても出てこなかった。
主に外国人を乗せるのが役割だったらしく、英語が堪能だから、ジャーナリストに重宝されていた流れで、ユンゲンを紹介されたらしい。
1984年にキムサボクは亡くなっていて
どっちにしてもユンゲンとは会えなかったのか…。
ユンゲンの実際の映像を見ると
映画見た後にもっと胸が苦しくなった。
これは観ましょう!
全くの予習ゼロで鑑賞しました。ソンガンホさんの爽やかな笑顔のパッケージに釣られて、、、、。
毎回韓国映画には良い意味でヤられてしまいますが今回も見事にヤられてました!
まずこんな悲惨な事件があった事を知りませんでした。惨すぎます、、、涙
これだけの重いテーマを120分越えのストーリーに関わらずしっかり観れたのは全てのバランスが良かったからでしょう。素晴らしいです!
韓国の方の国民性や普段の暮らしぶりなどもコミカル要素を交えてとても良く伝わりました。
ラストの仲間を助けるタクシードライバー達との連携プレーには感動です。
エンドロールに入る前に実際の記者だった本人が回想を語るシーンがありますが、改めてこの映画の重要性を示すものだと感じました。涙が溢れ出ました。
おにぎりの味
感情移入を誘うソン・ガンホの芝居が素晴らしい。
まるで韓国の民主化運動を実際に体験したかのような感覚が残った。
あくまで映画で、エンターテインメントだから
史実みたいな部分は鵜吞みにしちゃいけないんだろうけど。
どこです!
南山の部長たちを観たので続けてタクシー運転手再鑑賞
これ以上ないジャストサイズ緑色鮮やかな車体、タクシー野郎たちの活躍にあがります〜 ちょっとずるくて人の良いソンガンホが目覚めていくお話だーいすき❤︎
そして、ヒトが歌うときには踊る人生でありたい
知らなかった隣国の現代史
ソンガンホ演じるタクシードライバーとドイツ人ジャーナリストとの、真実に基づく、手に汗握るエンターテインメントなこの真実の映画は、まだ始まったばかりの2021年の私のランキングでNO1です。
隣国の韓国で起きた、この光州事件について、正直全く知らなかったです。
韓国はついこの間まで軍部の弾圧があった国だったとは驚きました。
スリル満点なエンターテインメントでありながら、現代史についての勉強ができ、そして家族愛、自己犠牲、自由の為に生きる懸命に人間の命、報道の自由等々、大事な事を実感し、そして心ふるえる感動まで与えてくれる名作でした。
この映画は映画館で見たかった
2021年自宅鑑賞6
バックミラーに映る銃声の音と白煙。
最初はタクシーの運転手が鼻歌まじりに唄っていて楽しい映画だと思っていたら…。
民主化運動に巻き込まれる話です。
実際にあった話で驚きました。
最近1987の映画を観た後なので重なる(軍部の弾圧)処がありました。どうしようもない憤りとやるせない気持ちが重なって。(涙ぐむ)
たくさんの犠牲がありましたがこの事件が世界に伝えられてよかった。タクシーの運転手のおかげですね。
韓国の影の歴史に再注目させる作品
韓国民主化運動の事実を伝えつつ、外国人ジャーナリストと韓国の一般市民である、タクシードライバーの活躍を描いた作品。
主演のソン・ガンホはさすがの一言。表情や存在自体で演技が出来る名優だ。飽きさせることのないストーリー展開も素晴らしいと思う。
観賞後に調べてみると、本作のストーリーはかなり脚色されている事が分かり、非常に興味深い。
出会いはキムを変えた。
映画の最後で、ピーター(配役トーマス・クレッチマン)は2016年1月に他界したと、何度も、キム(俳優ソン・ガンホ)に会いたく連絡をしてみたが会えなかったと。そして、彼本人、ユルゲン・ヒンツペーターが、『キムに会いたい、とんていって会いたい。そして、キムの運転で新しい韓国を見てみたい。』とキムにメッセージを送っている。こんなに感謝の気持ちがあるのに、キムに直接会って感謝ができない。これはピーターにとって心残りだろ
う。正直なところ、私感だが、なぜ名乗り出てあげないんだろうと不思議に思う。キムはピーター、本名、ユルゲン・ヒンツペーターだけにコンタクトができるんだから。私は不幸にもキム側に立っての気持ちが理解できなかった。なぜ、すぐ連絡してあげなかったんだろう?
あとで、調べて分かったことだが、キムは1984年に他界したそうだ。
金大中と全斗煥とのこのへんの歴史は今でも覚えている。全斗煥が主に若者の軍隊を指揮して、民主化に歯止めをかけるため、市民を殺し光州市内でで銃撃戦が行なわれたことは記憶になかった。ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター)が世界に知らしめたのだと言うことが、ここでわかるが、言語を含めての文化がわからないピーターにとっても、この光州への旅はキムなしでは考えられなかったはずだ。キムや他のタクシーの運転手、それに、ある学生の功績が誠に大きい。彼らの力がなければ、光州でのこの事件は迷宮入りしてしまったろう。軍事体制は民主化を阻むことは明らかだし、国が軍備に力を入れすぎると、全斗煥政権のように恐ろしいことになる。
この映画で好きだったのは、光州のあるタクシーの運転手(ユ・ヘジン)の家族に一泊泊まらせてもらうシーンで、キムが横になりながら、自分の家族のことを独り言にように話しているシーンがあるが、ここで、ピーターは目を開けて静かに聞いている。二人は眠れない夜を過ごしているが、韓国語が全くわからない、ピーターにとって、キムの話が理解できたかどうかは私たちが想像するしかないが、この映画では、ピーターがキムの気持ちを理解してあげられてお互いが同じ気持ちで一つになったように感じた。だから、朝一番でキムがピーターを置いて去ってもピーターはなんとも言わなかった。一番泣けるシーンだった。
この映画を以前、高崎のシネマテークという小さな映画館で見た。私の父がこの映画館の賛助会員というので毎年1万円寄付していた。父のボケが進んでからも、父を連れてここで映画を見た。一人じゃ用が足せなくなっていたので、私が一緒にいたから、映画館も入れてくれたんだと思う。その父が他界してからも、高崎に行った時は、私は父のために賛助会員になる。地元で父が一番好きな映画館だったから。
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