50回目のファーストキスのレビュー・感想・評価
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ハワイというところ
福田雄一はどちらかといえば放送作家/劇作家だ(と思う)が、映画監督にいたる来歴が、日本の大多数のいわゆる映画監督とはことなるので、日本映画の系譜につらなっていない。個人的に「日本映画の系譜につらなっていない」には価値と意義がある。
大洗~(2009)や明烏(2015)を見てわかったのだが、がんらい面白いコントを書いて舞台で演じていた人が台本書きから映画をつくった──の体。
この出自は、なんとなく美学がありそうな気配だけで、じっさいはなんにもない映画をつくってしまうザ日本映画の系譜とは、ちがう。
「面白いコントを書きたい」=ものをつくる動機がある。──クリエイターならとうぜんのことだと思うかもしれないが、ザ日本映画の監督はじぶんが何をつくりたいのか、つくっているのか、しらない。
したがって面白いコントを書きたいが初動機になっている福田雄一監督が日本の映画界で個性を確立しているのは、しごくとうぜん──だと思う。
(ザ日本映画の監督とはNDJCやぴあFF系や21世紀の女の子など日本映画の若手全般と、きょうびのつまらない日本映画全般を指しています。むろん、この括りには憶測と偏見があります。)
パフェおやじとか吉野家とか楽しくてなんども見ちゃうけれど、いかんせん、みじかいコントや間合いや形態のおかしさを得意とする人なので、映画はどうなのだろう──と思うことはあった。
明烏や女子ーズや銀魂は面白かったが、なんとなく畑のちがうところで面白かった──の感はあった。
が、本作はアダムサンドラーとドリューバリモアの元ねたを忠実にリメイクしていて──というより、そっくりにつくっていて、そのせいで日本映画の臭みが払拭されていた。軽くて、いやみのない映画に仕上がっていた。
とうぜんといえばとうぜんだが2004年の元ねたよりハワイの発色がいい。陽光感があった。金閣寺に光のおびただしい土地であった。というくだりがあるがハワイは光のおびただしい土地だと思う。
昔っから、ハワイ大好きっていう人が一定数いる。
有名人は、じぶんが何が好きなのかを公表できる。
聞かれるから、それが言える──構造がある。
一般庶民は、何が好きなのか聞かれないから、公表できない。
その、そこはかとない鬱憤が、SNSやブログや映画レビューの動機になっている──と思う。
とはいえ、何が好きか聞かれ、エンタメニュース等で報道されるのは人気者や超有名人だけである。
あまり有名でない人のほうが、自らの売り込みを兼ねて自分の好きを押し出してくる。
で、昔っから、ハワイ大好きっていう人が一定数いる。
セレブや芸能人にとても多い。
じっさいセレブや有名人は、年末年始など恒例のごとくハワイへ飛ぶ。
日本人にとってハワイ休暇は、成功者や小金持ちのステイタスシンボル──でもある。
わたしは、ハワイ好きっていうのを見聞きするたび、ハワイが嫌いな人っているんだろうか?と思う。
有名になると小金ができる。
されどすごく有名なわけではないから暇もできる。
そこでしょっちゅうハワイに行く。
日本とハワイのコントラストは刺激的なものだ。
まさに別世界である。
だから、むしょうにハワイの魅力を喧伝したくなる。
それでハワイ大好きを掲げる人が後を絶たない。
その100%が若い女性。例外はない。
万人に好かれているものがある。
ラーメンやディズニーやダイエットなど。
万人に好かれているものを好きと言ってしまうと、安直な人に見えてしまうことがある。
だって、みんなが好きなんだから。
浅はかだし芸がない。
浅はかで芸がなくても、誰もが享受できるものなら、親しみやすさを表明できる。つながることもできる。
ハワイも万人に好かれるものだと思う。
しかしそれを好きと言うのはいいとしても、ハワイに行くには時間とお金が必要になる。
誰もが享受できるものとは言えない。
庶民にとってハワイは金繰りと休暇繰りを何年もやって、やっと行ける楽園であり、その頻度に照らし合わせたら「好き」はないかもしれない。
人生で一二度行ったことしかないのに好きと言ってしまうのが不自然だからだ。「憧れ」のほうが適切である。
そんな庶民にしてみると、ちょくちょく楽園へ行けちゃってる人はトクベツな人にしか見えない。「憧れ」を何度も享受してる人は、親しみやすい人ではなく「憧れ」る人である。→好意的にとらえるならば。
畢竟、ハワイ好きの公言は自らの優位性を誇示してしまうことがある。
巷には、ハワイの魅力を伝える、特集や記事やメディアが山ほどある。本でもサイトでも動画でもいい。発信者を見るとそれは間違いなく若い女性だ。
だが、おっさんでも子供でも老人でも誰でも、あったかくて、食い物がうまくて、きれいなハワイは好きなところにちがいない。だけど大橋巨泉や島田紳助やつんく、あるいはほかの在住の男性がハワイの魅力を喧伝──そんなの見たことも聞いたこともない。
人々は不文律「ハワイは若い女の人が好きと言っていい場所」を持っている。
たしかに本作にも見られる通り、現地の代理店スタッフや、案内人やアトラクション世話係の、若い女性に対する態度と、「おまいら」に対する態度には、天と地ほどの隔たりがある。
だからといって、ちやほやされたことでハワイ好きになってしまうものだろうか。
おそらく女性にとってハワイでの男達の歓待は、開放感と相まって、あながち、まんざらでもないものにちがいない。そのことでハワイ好きになってしまったとしても、罪はないだろう。
だがハワイのことを発信して金をかせぐなら、ハワイ好き──なだけでは弱い。なのでハワイのことを発信しても大丈夫な人物なのか、一定のステイタスバリューをクリアしていなければならない。
構造としてはハワイのいいところ、美味しいお店、穴場スポットの紹介の体をしていながら、一方にはハワイ好きなじぶんアピールのエレメントもある。ならばむしろ水着の写真集と抱き合わせでいいほどであって、このニッチ市場を満たす条件とは、写真集をだすほどじゃないけれど、そこそこ若くきれいで教養ある女性Such As:キャビンアテンダントの転職、ファッション系ユーチューバー、著名ブロガー、リアリティショーの出演経験者、クラブのちいママ、モデルやタレントくずれなどなど。ではなかろうか。
彼女たちには、まず、みずからのステイタスバリューがハワイ好きを公言することに適合しているとの確信がある。だからこそハワイ好きを謳っているのだが、とうぜんそこは激戦地である。だって誰もがハワイが好きなんだから。というわけで抜け出た人は、わりと有名か、もしくは金を持っているかのどちらかになるが、もちろん誰が伝えるハワイもまったく同じである。
ところが、新型コロナウィルス禍下にあって、ハワイが遠のいた。ニッチな市場から急速に冷える。ハワイの魅力をつたえる若い女性もついぞ見なくなった。
禍下だからこそ、よけい本作のハワイの光がまぶしく見えた──のだろう。
なんかフワッとしてる
う〜ん、ファンタジーって訳ではないんだけど、なんかフワッとしてて見応えを感じなかった。これを観て自分はもっと骨太な作品を求めてるんだなーって気づくこともできたけど。。山田孝之さんが出てるのでちょっと期待していただけに残念。
良いけど、オリジナルの方が良い!
米版オリジナルの大ファンな私。
オリジナルは一度目の鑑賞後にすぐ二回目を観たほどで、私の生涯ベスト5本に入り!
オリジナルが最高なので、ある程度の俳優・監督なら誰でもリメイクは良作になるのは当たり前。オリジナルを福田監督流の強め味付けで調理したという感じでした。
ただ、福田監督は誰が観てもすぐ分かる福田作品らしさが出過ぎていて、正直ワンパターン…。
それがよくもあり悪くもありで、好みが分かれるだろうなと思いました。(私は飽きました)
洋画はどうしても苦手、福田監督が好きな方には日本版を。それ以外の方はぜひオリジナルを!こちらもコメディ色あって笑えますし、本当におすすめです。
福田コメディ強めな所にやや不満は持ちつつも、奇しくも泣かされてしまいました!
ただ、もう少し大輔とるいの仲が深まっていくのが丁寧にして欲しかった。
なんで撮影は日本ではなくハワイ?と思ったのですが、ハワイじゃないと毎日同じ日は出来ないですもんね。日本は四季があるので。
山田くんの英語はすごいし、チャラくて優しい男役は完璧!長澤まさみの天真爛漫な役もかわいい!その二人が好きな人は(福田監督が苦手じゃなければ)☆5の大満足なはず。
ラストが、、、
監督の色もあるのか、シリアスな展開のみならず笑いも取る、異色の恋愛映画。ただ、最後の終わり方が個人的には納得行かなかった。好きになった女性は、幼い頃からの夢をも凌ぐのか。それとも自分が若いだけなのか。分からなかった。
周囲の涙ぐましくも彼女のためにはならない気がする努力も何とも言えない。大輔がそれを変えられたのは良かった。
恋愛映画音痴におすすめ
普段恋愛映画を観ても、あーここで泣かせに来てるのねと思ってシラケてしまうタイプなのですが(セカチューの助けて下さいとか)コメディ要素が多い分最後まで萎えるポイントがなく見終えた後で恋愛映画観せられたなぁと言った気分になりました
花男やイケパラみたいな感じの今入れる?って寒いコメディ感じゃないので要素が入ってても邪魔じゃないと思います
2回目。 前回見たときに、すごーく良かった&長澤まさみがめちゃくち...
2回目。
前回見たときに、すごーく良かった&長澤まさみがめちゃくちゃ可愛いって思った記憶があったので、テレビでやってたからもう一回見ちゃった。
弟くんとムロツヨシのうっとおしさは記憶になかったから若干イライラした笑
でもやっぱり長澤まさみはめちゃくちゃ可愛いし、2人の雰囲気はすごく良くって、幸せな気持ちで見終わりました。
元になってる映画も見てみたいな〜。
オリジナルに劣らない魅力
コメディ畑の人間が真面目に作品をつくると、何故かとてもおもしろくなる。オリジナルのアダム・サンドラーしかり、福田監督と山田孝之のタッグしかり。
オリジナルと比べるとキャラクターは変わってて、作風も邦画らしくなっていた。一方でオリジナルのラストも上手に使われていて、うまいリメイクだったと思う。
何より福田色もムロ色も佐藤二朗色も抑えられていたのが一番よかったのかと思う。福田監督でもこんな純愛を描けるのか。
コメディ要素が強いね
独特な空気の笑いが詰め込まれた恋愛映画ですね。
恋愛映画としても、最後はホロリと泣けますし、恋愛を遠ざけてる身としても、恋愛っていいなぁと思い返してしまいました。
最初の方で主演の二人が初めて会った後に喜んでる場面はすごい笑っちゃいました。
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