小ぬか雨のレビュー・感想・評価
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北乃きいの本名を書きたい でも書けない 大人の事情で書けない
原作は『蝉しぐれ』『武士の一分(いちぶん)』『必死剣鳥刺し』『小川の辺』『殺すな』の藤沢周平
監督は『殺すな』の井上昭
脚本は『殺すな』の中村努
粗筋
両親を早くに亡くしたおすみはおじの家に預けられ娘らしい華やかな記憶もなく育てられた
好きでもない雑な男との縁談が決まり憂鬱な毎日だった
下駄屋を任せられ一人暮らしのおすみに元にある夜いきなり男が逃げ込んできた
ヤクザものとの喧嘩で相手を怪我させて追われているらしい新七を匿うことにしたおすみ
やがて2人は惹かれ合う中に
だが新七は喧嘩でなく殺しをしていた
しかも女殺し
惚れた女にカネを注ぎ込んでいたがカネの切れ目が縁の切れ目で捨てられた挙句の逆上だった
それでも恋しがるおすみ
品川に住む母に会いに行ったあと自首するという新七
一緒に江戸を出ようというおすみであったが
悲恋モノ
二体の地蔵に傘を差すおすみとそれを見つめる勝蔵の表情が良い
北乃きい可愛い
配役
新七を匿う下駄屋のおすみに北乃きい
女殺しで逃亡する新七に永山絢斗
おすみのおじが決めたおすみの結婚相手の勝蔵に仁科貴
新七を追う岡っ引きの安五郎に本田博太郎
ナレーションに中村梅雀
北乃きいは幸せになってほしい
吹く風は秋、との2本立て。
おすみ(北乃きい)は早くに両親を亡くし伯父の所で、楽しい思い出もないまま育ち、伯父から任された履物屋を営みながらひとりで暮らしていた。彼女は、自らの意思とは関係なく、がさつで好きでもない職人・勝蔵との縁談を決められ、希望も持てない日々を過ごしていた。ある夜、おすみの家に、ケンカをして追われているのでかくまってほしい、と若い男が逃げ込んできた。小奇麗な身なりの男は、新七と名乗り、おすみはその男を信用し、かくまうことにした。その後、実は新七は人を殺して奉行所から追われている、と知ることになった。
縁談を決められた相手を殴った新七をかくまったおすみはこれから幸せになれるのかなぁ。切ない話だった。
おすみ役を北乃きいは可愛かった。
ふたりを別つ、雨の橋。
"藤沢周平・新ドラマシリーズ" 第二弾「橋ものがたり」の一編。
藤沢周平没後20年・生誕90年記念作品。
時代劇専門チャンネルで鑑賞。
原作(「橋ものがたり」所収)は既読です。
孤独な女が暮らす長屋に、人を殺した青年が逃げ込んで来たことから始まる、短く儚い恋物語…
女はどこか影のある青年を世話する内、次第に惹かれていきましたが、青年はいつかはここを去らねばならぬ身…
終わりが見えているからこそ、否応無しに掻き立てられてしまう恋情がとてもエモーショナルでした。
女が生き甲斐を見つけ、それを必死で守ろうとする姿を北乃きいが見事に演じ切っているなと思いました。
青年役の永山絢斗も言わずもがな。
このふたりだったからこそ成立した作品だなと感じました。
長屋があるのは橋のすぐ傍。橋を渡れば、二度と会えない。
迫る追手、近づく別れ…
ラストシーンが印象的で、涙を禁じ得ませんでした。
※修正(2022/01/14)
やや物足りなさ。
北乃きい演じる「おすみ」が、決められた結婚に消極的ではないのはわかるのだが、どうもそこでどうして惚れてしまうのかの共感がわかなかった。凶行に及んだ経緯への同情はあるにせよだ。それなら逃亡を手助けするだけで十分なはずだ。それはストックホルム症候群か?、いやそうではない何かがおすみの過去にあったのだという演出が欲しかった。
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