「もう少し何とかならないのか?」オンリー・ザ・ブレイブ parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
もう少し何とかならないのか?
山火事を専門的に消火する「ホットショット」隊を実話に基づいて描いた作品。実話ベースなので、隊の訓練やそれぞれの隊員の事情などを描く前半は、それほど緊迫感がなく、淡々とした部分が続く。しかし、この仕事を理解するには必要な部分。訓練から、いきなり実戦を通じて、タイプ2への昇格を果たし、給料も高額になって、隊員の生活は安定へ。主人公の愛称ドーナッツ=ブレンダンは、関係が壊れかけた彼女に赤ちゃんが生まれ、子煩悩なパパへ。ホットショット部隊は、州で起こった山火事があると、要請を受けて何日か家を空けて出張をするという、タフで危険な仕事というのが明かされる。序盤から、テントの中に入れっていう訓練が提示され、そこが見せ場になるというのは予想できた。
本当にって思ったのは、演出はあるとは思うが、あんなに火が間近に差し迫り、燃え広がるスピードが人間が走るスピードを上回っている状況で、チェンソーで木を切ったり、溝を掘ったりしなければいけなのかということ。風向きや風の強さが変わったり、火の粉で離れた所で発火すれば、逃げ場を失ってしまうだろって思わされた。
そして、あのテントっていう防火シートの中に入る緊急措置も、どれだけの間、火に対する耐性があるのって。もっと他の手段がないのかと。人命がかかっているのだから、空から水を撒いて、彼らの周辺だけ消火する、緊急用のシェルターをあらかじめ用意しておくなど、手がないのかって。
今年も世界各地で山火事が発生して、かなりの面積が焼失したと聞いている。この映画のように同じような被害が起こらないことを祈る。