「あの時ああすれば…。あの時ああしなければ…。 生きるとは選択をすること。選択に必要なのは只勇気のみ。」オンリー・ザ・ブレイブ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
あの時ああすれば…。あの時ああしなければ…。 生きるとは選択をすること。選択に必要なのは只勇気のみ。
2013年に発生した山火事「ヤーネンヒル火災」に立ち向かった森林消防隊「グラニット・マウンテン・ホットショット隊」の姿を描いた、史実を基にしたディザスター&ヒューマン・ドラマ。
「グラニット・マウンテン・ホットショット隊」の司令官、エリック・マーシュを演じるのは『グーニーズ』『メン・イン・ブラック3』のジョシュ・ブローリン。
元ヤク中の新人隊員、ブレンダン・マクドナウを演じるのは『ダイバージェント』シリーズや『セッション』のマイルズ・テラー。
エリックの妻、アマンダ・マーシュを演じるのは『ビューティフル・マインド』『スパイダーマン:ホームカミング』の、オスカー女優ジェニファー・コネリー。
ブレンダンと同期入隊した青年、ウェイド・パーカーを演じるのは『X-MEN:アポカリプス』『メアリーの総て』のベン・ハーディ。
アメリカ史上最悪の山火事の一つ「ヤーネンヒル火災」。
自分はこの山火事のことを全く知らずに本作を観賞したので、ラストの展開には本当に驚いた。
「ヤーネンヒル火災」の事を知らない方は、出来ればネタバレなどを一切読まずに本作を観て欲しい。
これマジかよ……、と思うこと必至です。
本作の舞台はアリゾナ州。
グランド・キャニオンがある所ということでもわかるように、とにかく砂漠地帯な土地なのです🏜
乾燥しまくりの土地なのに、森林は多い。しかも標高の高い山や台地が面積の半分以上。
さらに、モンスーンの影響で雷雨などが降り注ぐ。
このような要素が相まって、もうとにかく山火事の規模がヤバい🔥
作中でもチラッと語られていたが、2002年には「ロデオ・チェディスカイ火災」という史上最大級の火災も発生している。
映画でも、山火事の脅威が余す事なく描かれている。
これはもうはっきり言って怪獣映画ですよ!
怪獣に立ち向かうウルトラ警備隊こそがホットショットの皆さんな訳です。本当にお疲れ様です👍
日本では馴染みのない森林消防隊が主役という事で、ちょっととっつきにくいところはあるかも知れない。
「タイプ2」とか「ホットショット」とか言われても何やそれ?って感じだし、水をかけて火を消すというタイプの消火方法ではない為、今何をやっているのかよくわからないというシーンもままあるんだけど、そこは映画を観ているうちになんとなくわかっていくので問題ない。
あまりにも衝撃的なラスト。そして消火に参加したホットショット隊の隊員たちへの敬意に溢れたエンド・クレジット。
そりゃ泣くでしょうこれは…😭
エリック司令官とか相棒のマックとか、丁寧に死亡フラグを積み重ねてんなぁ…、嫌な予感するなぁ…、と思っていたら…。
消防士って男の子の憧れ、花形ってイメージだけど、やっぱり命懸けっすよねぇ…。
全体の構成としてはちょっとのっぺりしているという気はする。
クライマックスである「ヤーネンヒル火災」について、もっと時間を割いてじっくりと描いた方が良かったように思う。この火災のヤバさをもっともっと見せて欲しかったし、そうすればラストの悲劇ももっと印象的になったと思う。
唯一の生存者ドーナツのその後はエンド・クレジットで語られるのみ。
彼が罪悪感から立ち直る過程は描いて欲しかった。
そこをクライマックスに持ってきていれば、よりドラマが重厚なものになった、かも。
エリックとブレンダンのW主人公という構成だったが、これはどちらか一人に絞っておいた方がよかった。
ちょっと人間ドラマが多すぎて、もっとディザスター・ムービーとしての側面を多く見せてくれ!という気持ちになってしまった。
等と色々と言ってしまったけど、基本的には大満足!
体育会系のマッチョ達がイチャイチャするチームものとしての楽しさもちゃんとあるし、ディザスター・ムービーとしての怖さも申し分ない。
そして衝撃的すぎるラスト…。
絶対に観て損はしない良作だと思います!
人生は選択の連続。
もしもあの時別のルートで退避していれば。もしもあの時ホットショットに認定されていなけば。もしもあの時森林消防隊に入隊していなければ。
言い出したらキリがない。先の見えない人生で、選択する時に必要なのはただ勇気のみ。勇気を持って物事を選択すれば、いざという時になっても自分を呪わずに済むのかも。
そんなことを教えてくれる映画です。