「森林火災に挑む男達が織りなす炎よりも熱い友情」オンリー・ザ・ブレイブ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
森林火災に挑む男達が織りなす炎よりも熱い友情
アリゾナはプレスコット市の森林消防団レスキュー・クルー7を率いるマーシュ。クルー7はある森林火災の消火活動に参加、即座に近隣の町に火災が及ぶことを察知したマーシュは延焼を防ぐ作戦を作戦本部に提案するが、格上の消防団に却下されてしまう。しかしマーシュの予想は的中して町は全滅、辛酸を舐めたマーシュはクルー7のレベルアップを市の消防署長デュエインに進言する。そんな折欠員が出たクルー7にヤク中のブレンダンが応募してくる。ブレンダンには今までの堕落した人生をやり直さなければならない理由があったのだった。
実在の消防団グラニット・マウンテン・ホットショットの活躍を描く実録ドラマ。ジョシュ・ブローリン、ジェフ・ブリッジス、アンディ・マクドウェル、ジェニファー・コネリーらベテラン陣のいぶし銀の演技と、マイルズ・テラー、テイラー・キッチュ、ベン・ハーディといった若手の注目株達の熱演がぶつかり合う熱い一作。「火には火を」で森林火災に挑む消防団の活躍がもちろん肝ですが、くだらないシャレで子供のようにじゃれ合ったかと思えば、本音で真正面からぶつかり合い命懸けの任務を通じて絆を深める消防団員達や、いつ何時起こるかも知れない災害に駆り出される男達を待つ家族を見つめるドラマが濃厚。それがゆえに突然訪れる終幕の重厚さが深い余韻を残します。
監督は『オブリビオン』のジョセフ・コシンスキー。デビュー作の『トロン:レガシー』はイマイチでしたが、着実に力を着けている印象、本作で群像劇もばっちり演出できる点をアピールしてくれたので、トップガンの続編への期待が俄然高まりました。ドラマとは何の関係もありませんが、『ボヘミアン・ラプソディ』を鑑賞済の方は消防団員の面接シーンでドキッとすると思います。