劇場公開日 2019年1月18日

「面白い」マスカレード・ホテル R41さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0面白い

2025年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

面白い。
ひとことで片づけてしまうほど面白かった。
原作も読んでいたので、尚のこと面白かった。
どうでもいいが、コンシェルジュの山岸
私は小説を読みながら、山岸のイメージが何故か夏目三久さんだった。
私の中では彼女が山岸としてハマった。
新田とか能勢とか、誰かの顔は出なかった。
さて、
さすがは東野圭吾さん
完璧なプロット
特に犯人片桐の「彼女」を恨む動機の設定が素晴らしかった。
ただ、映像で見てしまうと、片桐が警察に対しミスリードを仕掛けたことに若干違和感を覚えた。
そここそがミソなのだが、このトリックよりもはるかにホテル業というものの業界の考え方に興味をそそられる。
映像で見れば、ホテルの思考が簡単に理解できる。
「お客様は全員、お客様という仮面を被っておられます。我々ホテルマンはその素顔を垣間見て今うことがありますが、決してその仮面を取ってはいけません」
驚きと納得を同時に感じてしまう。
お客のクレームに対するホテル側の対処
そこには事件同様のドキドキ感がある。
事件よりも難題かもしれない。
そこに伏線を張ったプロット。
素晴らし過ぎる。
小説では3冊発行されたが、映画は2作だった。
「マスカレードナイト」
この作品と非常に似たシチュエーションが展開された。
ただ、何故マスカレードナイトが必要だったのかは未だに理解しにくい点ではある。
同時に、両方の犯人は全くの別人であるにもかかわらず、同じ「片桐」に設定したのは何故だろう?
これは調べてもわからなかったが、東野圭吾さんには何らかの意図があったのだろう。
それにしても事件という主軸に対し、ホテル業という業界のことと山岸と新田の人間的な葛藤と魅力、こちの方に興味が惹かれてしまう。
特に最後のシーンで、能勢が二人に気を遣った場面 始まりそうで始まりにくい恋 というよりもお互い仕事バカ故の勘の悪さ。
そのギャップこそこの作品の魅力なのかもしれない。
主軸に対する注目筋という型は「羊たちの沈黙」が表現した。
未解決になりそうな難解な事件と、同等の思考を持つレクター博士
この置き換えがこの作品かもしれない。
マスカレードホテル
羊たちの沈黙同様、主軸である事件、トリックなど記憶から抜け落ち、ホテル業という仕事と山岸 そして新田だけが記憶に残った。
非常によくできた面白い作品だった。

R41
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