「続編には期待しています。もっと、ね」パシフィック・リム アップライジング つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
続編には期待しています。もっと、ね
もう少し何とかならなかったのか。まあ面白いけれど普通の域をどうしても出ない。
イェーガーVSイェーガー、イェーガーVSKAIJU、大いに結構。そこの部分はそれなりに良かった。あと、メカっぽいガシャンガシャンするギミックとか、前作にはなかった要素も良かった。
では何が駄目だったのか。
この作品は単なるアクション作品や「ゴジラ」のような怪獣モノとは違って、もっと少年漫画のようなジャンルだと思うのね。良い少年漫画の条件などでよく言われている『魅力的なキャラクター』、これがなかった。
新キャラクターの数は増えたが名前の紹介すらおろそかで、魅力的に感じるどころか背景の群衆と大して変わらない。そんなキャラクターたちがイェーガーに乗り込むわけですが、例えば誰かがやられてしまっても、「何てことだ!◯◯がやられてしまった!」などと愕然としたりすることは当然ない。
百歩譲って、上映時間の問題もあるだろうしサブキャラクターの掘り下げがないのは良しとしよう。問題は肝心の主人公にまで魅力がないことだ。
演技がどうだったかとか、見た目がどうだったかとか、そんなことではなく、とにかくキャラクターが浅い。
過去の出来事を過剰にトラウマにしろとか、そういうことを言っているのでもないんだ。
もっと単純に、主人公と彼らが乗るイェーガーに対して応援する、一喜一憂する、そんな気持ちが芽生えなかったんだ。それは主人公に感情移入したりするほどの魅力がなかったせいだと思うんだ。
アメリカの国民性なのか、初対面ではとりあえず反目する、旧知の仲でも反目する、そして、特に理由もなく和解する。そんなことを盛り込む必要なんてあるのか?時間の無駄なんじゃないのか?その時間を、キャラクターに共感できるようになる要素に使ってくれ。
あとはまあ、少年漫画的な、所謂、胸アツ展開が不足していたこともイマイチだった要因だろうね。
最後、森マコが乗るイェーガーが助けに来ちゃうくらいの、シナリオ無視のぶっ飛び展開があってもよかったくらいに刺激が少なかった。
ほとんど文句だけのレビューになってしまったけれど、退屈したわけではなく、そこそこそれなりに満足しました。
続編がありそうで楽しみにしています。
真剣佑をもっと出して!