「前作への研究、考察不足」パシフィック・リム アップライジング 特撮脳さんの映画レビュー(感想・評価)
前作への研究、考察不足
別の場所にも書いたが、
俺たちのデルトロを返してくれよ!
今作を見た感想としては、凄くモヤモヤする!の一言に尽きる。特に今作は前作の研究、考察を全く行わずに、「こういうのが見たいんだろ?ん?」という感じの媚びた精神が垣間見える。
チャイナマネーは時代の流れだし、他の皆も言っているので気にしない事にするが、最近のハリウッドSF映画にありがちな伏線見え見えのストーリー、舞台装置に過ぎないキャラクター、狭い世界観に没個性のイェーガー......とにかく見てて退屈だった。
唯一アガったのは前作のbgmが流れたところ。それ以外は大体、「そうなるよね…」という諦めに似た感情で見ていた。
あ、あと怪獣合体の所はウルトラマンガイアの映画思い出して、ちょっとだけほっこりした。
とりあえず物足りないところを言えばキリはないが、特に気になった点を二つ。
一つはストーリーの陳腐具合だ。今作は露骨な伏線しかなくて意外性がまるで無い。移動用推進器にしたって、前作のようなケレン味を残していれば、上陸前に怪獣を倒すために各国が用意した大陸間弾道ミサイルや、魚雷があり、止むを得ずそれを使って移動するなんて展開にもなり得る筈だ。他にも、後半のイェーガーが足りなくなった時に、アマーラの様な自主制作イェーガーが駆けつける展開だってあり得た(アマーラとの出会いの下りでそういうギークは多いって伏線も活きる)。それで、何とか洗脳を打ち破ったニュートが怪獣合体の為に用意したナノマシンの様な怪獣でイェーガーを合体させれば頂上決戦の完成だ。個人的にはこっちの方が好みだ。ニュートも許される展開になり得るし。
大体、地球側も異世界側も10年で何も進歩してなさ過ぎじゃないか?ここが前作からの考察が足りないと思う所以だ。
二つ目はイェーガーの没個性化だ。前回の襲撃から10年という時が流れたにも関わらず何故スリム化しただけの変化なのか。前作で、ドリフトしている事で3つの腕を使えるイェーガーがあったが、その考えを拡張する企業があってもおかしくない筈だ。四脚とか空飛ぶイェーガーとか増やせって言ってんだよ!
仮にもし、世界防衛軍という形で規格の統一化、没個性化したのだとしたら、それこそ前述した未登録イェーガーにこそ個性を溢れさせても良い。とにかくもっと個性全開のロボットが見たかったの!ミサイルガン積みで全開放するロボットとか、本来人間には無い機関(羽型ブレードとか、尻尾型ウィンチとか…)を二つの脳のおかげで自在に操って勝つ所とか!
お口直しに前作見てやるからな!覚悟しろよ!あと次作作る気満々だったがそれまでに反省しないとマジで許さないぞ!