「はちゃめちゃさの中で際立った"ロマン"」音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
はちゃめちゃさの中で際立った"ロマン"
予告を観た時点でおおよそ検討は付くんですけど、ストーリーなんてあってないようなものなんですよ。まさに「テンションを上げろ」と言わんばかりの勢いで。
でもいいんです。最近なかったじゃないですかこういうの。自然と見たくなりますよ。ね?
ただ、はちゃめちゃな中でも
・どうしてシンはドーピングしてまで大きい声を求めるのか?
・どうしてふうかは歌声が小さいのか?
あたりの設定があったので、くどさを感じなかったのと同時に、作品の納得性が出たような気がします。
個人的にグッときたのは終盤の別れ際のキスシーン。
シンにとっては、ふうかと自分の大切な声の両方との別れだと分かってたんでしょうね。
正反対だったふたりが、"音楽"という共通言語で徐々に分かち合い、信頼できるふうかに自分の声を口移しで託した。これってロマンだよなぁ、と思いました。
こんなことを考えながら最後の対馬でのライブのくだりを観てたら、自然に熱いものが込み上げてきました。ちょっと不覚でしたけど。
冒頭からロマンロマン言ってるなぁ、と思ったら最後にこういう形でロマンを示してくれるとは、、と。
はちゃめちゃな展開からの終盤のロマンでの緩急。合う合わないはあるとは思いますが、なかなか素敵な作品だと思います。