「所謂『都市伝説』を語る」霊的ボリシェヴィキ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
所謂『都市伝説』を語る
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ボリシェビキの意味をネットで調べても今イチ腑に落ちない。新自由主義者の対極なのだろうか、赤軍派そのものと言っても良い語彙なのかもしれない。それと、恐い話を結び付けた題名なのだが、それが又意図がサッパリ不明である。
ストーリー展開は、それぞれ一人ずつ、とっておきの恐い話を披露していくことで、霊を呼び出すという、何とも非科学的な実験をしていく内に、その中の一人の女性がより強い霊能を帯びてしまう、否、元々その女性は幼児期に霊にすり替えられてしまっていたという話である。ラストの結末が全員死亡という形が素頓狂ではあるが、あくまでも今作品はお化けに拘らず、人間が恐怖する得体の知れないモノをどうやって表現していくかという方法を、『語る』という手法で繰広げられるところなのだろうと思う。死刑当日の囚人の暴れ、夢の中でみた被災地の家の中、山を這うナニか、神隠し、そして殺人の告白。その語り部の台詞のスピード、話の構成等が良く練られた作品なので、静かだけど恐怖がスクリーン越しに充分観客を支配している。一つの方向制としては斬新ではないが興味ある内容になっている作品である。後はストーリーの組立を再構成して貰いたい。折角あの世へのゲートを開く手段を怪談話に着目しているのならば、もっとドラマティックさが求められるのだが、SFっぽくしたくなかったのだろうか?
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