「本当にヤバいのは…」聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
本当にヤバいのは…
脳外科医スティーブンが連れてきた少年が、家族に接近したことによって不可解なことが起こり始める人怖系ホラー。
映画オープニングで心臓のドアップから始まるため、これはヤバいぞとかなり身構えて見ました(前評判でも結構不気味とのことだったので)。
やはり映像と音響が独特。
終始こちらを不安にさせる金属音のような音楽が鳴り響きます。
自分はあまり気づけなかったですが、カメラワークをかなり工夫しているようで、少なくとも陰湿な感じはよく伝わってきました。
それにしても音楽の影響がすごい映画だったと思います。
音楽がこういった感じでなかったら、だいぶ恐怖や緊迫感は薄まっていたような。
で、肝心のラストの銃殺シーン。
とにかく緊迫感がエグかった。
のですが…
不思議とそこまで胸糞には感じず。
なんか中途半端な気がして、ネタバレ解説を読んだのですが、難しい。
マーティンがとにかくヤバいやつなんだと思っていたのですが、みんなヤベェじゃん。
ヤベェ奴しかいないよ。
普通に人に言えないようなことバンバン言うし、すぐ不貞行為はたらくし、食べ方汚いし、独りよがりだし、子供でも殺す気満々だし。
でも、それが人間。マーティンによって崩壊し、それぞれが本性(ある意味の人間らしさ)を剥き出しにした。
そういう意味ではマーティンは悪魔ではなく天使だったりして…
気の抜けない2時間だけど、秘密共有ゲームのくだりは思いっきり笑えて良かったです。
何か目に見えない気持ち悪さはありましたが、構え過ぎたせいかそこまで精神的ダメージはなく、少し残念でした(精神的ダメージをちょっと期待してた私もヤバい奴w)。