「『鹿』のメタファーは?」聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
『鹿』のメタファーは?
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サイコホラー作品。強烈なバッドエンドのストーリー内容である。その手の好事家ならば涎モノであろう。かくゆう自分も、なかなかトラウマ的な心の引っかかりが長い時間抜けないであろう作品である。
題名からしてなにかのメタファーなのだろうが、敢えてネットで調べていないので、チラシにもある『4つの謎』の3つしか分からない。もしかして家族それぞれが生き延びる手段のことを指しているのだろうか?久々に誰かに解説をして貰わないと分からない難解な内容である。それだけに深い構成に成っていて、その全てがメタファーであるかの如くである。アバンタイトルの心臓手術のシーンでの、心臓のエグい鼓動、室内の奥行きをわざと印象づけるアングル、重要なタバコを”吸う”シーンの多用。結局、あの愚行を起こしてしまう家族の心理、その全てがあの少年に操られていることをとても上手に演出されていて大変秀逸である。挙動不審、まるで自閉症的な動きなのに、発する内容は理路整然としているそのギャップにも恐怖を感じさせる。逃れられない運命だと知ったときの人間のエゴがこれでもかと吐出される状態に、観ていて心が抉られ、削られていく感覚から逃れることが出来ない、辛く厳しい作品だ。
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