「別の視点から描いたウォーターゲート事件」ザ・シークレットマン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
別の視点から描いたウォーターゲート事件
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ウォーターゲート事件を扱った映画は「大統領の陰謀(1976)」が有名だが謎の情報提供者だったFBI副長官マーク・フェルト側から描いた映画である。後にワシントンポスト側にもホワイトハウスへの内通者が居てマーク・フェルトの名は伝わっていたことはボブ・ウッドワード記者も認めている。それでも捜査を阻めなかったわけが分かるFBI内幕物語である。いよいよ捜査もクライマックスかと思わせていきなりニクソン辞任の実写になり拍子抜け極まりない。もっともその間は上院特別調査委員会が主戦場だったから出番がなかったのは致し方ない。ウォーターゲート事件は記者の功績に取られがちだが裏にマーク・フェルトありきというのは納得できた。
娘の件や後の違法捜査裁判などは人物伝風に締めくくるための体裁繕いに思えた。映画では描かれなかったが、なんと彼の裁判にはニクソンが弁護側証人で出廷し「全ては大統領命令」としたおかげで軽い罰金刑で済んだというから事実は映画より奇なりである。また夫人が失意の末、自殺したと言うからマークフェルトの人間を描く映画としても尻切れ感が否めない。リーアム・ニーソンの演技は素晴らしかっただけに残念だ。
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