劇場公開日 2018年8月31日

「ブリタニさんを病院へ」SUNNY 強い気持ち・強い愛 せせりさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0ブリタニさんを病院へ

2023年10月14日
iPhoneアプリから投稿

世代ではないもののノスタルジックな魅力や音楽の部分は文句なし!
でもブリタニさんが薬に手を染めて困っていることと向き合わずひたすら拒絶するばかりの描写はひどい。
まるで楽しいパン工場の仲間たちと、そこに忍び寄るバイキンマンみたいな扱い。倒せばOK。いや、そんなことはない。

彼女がどうしていいかわからなくて荒れ狂っていたり、セリカに救済を求めるゆえにポッと出で仲良くしているナミを目の敵にしているのは誰が見ても明白。

それなのに「薬やめろって何回も言ったよね!?」って、言われたしよしやめよう!なんてそんなん無理だよ。
タバコや砂糖やアルコールでさえ難しいんだから。
普通に更生センターとかに入れてあげてくださいとしか。

そういう依存者の異常状態を理解しようとせず、依存を知らぬ人たちが単に「最低な奴」扱いで話も聞かず突き飛ばすばかり。
未熟なのはわかるけどあまりにも酷では。まるでかわいくないからダメだって言ってるみたい。
そうやって汚いもの扱いした結果、ナナ(池田エライザ)に危害が及んだわけなので…。

社会の中のはみ出しものはただ排除するだけ、その場で暴力を振るって退散させるだけではまた暴力の応酬がある。なのにナミ(広瀬すず)も何回も迂闊に1人になるし。彼女のことをどうなってもかまわない悪としてバッサリ切り捨て、仲間最高!は個人的に後味が悪かったなぁ。
あの子のことも助けてあげて大円団がよかったなあ。。
みんなでダンスして楽しそうだけどさ、ブリタニは悪いからあれでおしまいでオッケー!とは思えないよ。

そしてもう一つどうしても言いたい。
時代設定は1995-1997。つまり生まれたのは1980頃。この頃の名前ランキングを見ると、アイ、エミ、リエという2文字の名前が上位10位に入っているものの、やはり子がつく名前が圧倒的である。しかし彼女たちの名前は、ナミ、ナナ、セリカ、シンにミレイ!?
もう完全に平成生まれ。それらしいのユウコしかいなくない?
どんな確率でこんな革新的な名付けをされた人たちが集まってしまうのか。世代の人に聞きたい、こんな名前の同世代、いましたか??

映像や小道具へのこだわりや再現度は本当に素晴らしいと思います。だからこそここだけ詰めの甘さが気になってしまうんです。
コギャル世代でもないそれこそ平成生まれの桐谷美玲のパロディにした意味もよくわからないです…。

もう一つ、セリカ成功しすぎじゃない?というのがどうしても気になってしまった。
ものすごいお金で解決しまくるラストがなんか不思議で。あれじゃ心の交流がオマケで、もう金の心配いらん!やったー!セリカまじサンキュー!って映画になってしまうのでは?ああ、韓国映画を元にしてるんだと納得しました。シンなんてこれから娘と2人一生分の生活費?どんだけ…??

あと、あからさまにやばかったシンにだけそんなにも単純な譲渡して(税金やばそうですけど)、直美も結構困ってると思うけど…。一回何か買っただけであとは購買のパン奪う勢いで頑張れ!てどうなん?ただお金置いてパンを強奪するのと不動産売るのは違うよね。。
ナミ(篠原涼子)は裕福な専業主婦でありながら幸せを見失っているけれど、仲間に再開できたからまた時々遊ぶのが生き甲斐!て感じでOK?なんかよく考えたら有耶無耶ですよね。

色々言ってしまってすみませんが面白いです。せつないですけど。なんか高校時代が全盛期って不幸なことなのかもなぁと思いました。
そしてとにかくエライザとすずが可愛すぎる。特にすずちゃんは本当に光り輝いている。人間国宝だ

せせり