「満足感の高いザ・スパイ映画」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)
満足感の高いザ・スパイ映画
ダニエル・クレイグ版007完結編
感染症にロシア、千島列島と色々とタイムリー
どのカットも素晴らしい、見逃せない
音楽も抜群
ボンドカーはもちろん出てくるし
Qのスパイ道具もいい
お約束のセリフもあり
ヒロインも魅力的、特にパロマは最高だ
アクションシーンはとてもいい
カーアクションに格闘に、銃撃戦
高高度落下潜入シーンは良い
特に終盤の長回しはカメラ位置を駆使した緊張感があって良かった
舞台美術がとても良かった、毒の庭園、農園、工場
日本的雰囲気と冷戦時ロシア的な雰囲気は
スパイ映画で重要な異国情緒を感じる
残念ながら悪役があまり魅力的に感じなかったかな
別にラミ・マレックの演技が問題というわけではない
クリストフ・ヴァルツ、マッツ・ミケルセン、ハビエル・バルデムなどの
クレイグ版007悪役はあまりに名優揃いすぎだが、特に見劣りしていない
問題はとにかく悪役の演出が弱い、肌以外に異常性を感じる要素が少ない
せっかく毒、感染症があるんだから、もっとそれらを使った演出をするべきだったが
銃ばかり使っているし、子供を人質に取るだけでは小物すぎる
『カジノ・ロワイヤル』の毒の使い方のほうがよほど面白かった
ル・シッフルのハンカチやスペクターの登場シーンなどのような印象的な演出が足りない
お面はインパクトあるが、象徴的に使われてないので残念
なんだかんだ子供は助けている、退場シーンも弱い
またメタルギアファン視点で見ると「おいおいFOXDIEかよ」って思ってしまい
展開とオチが中盤で分かった、完結編で、ああした小道具が出てきたら確実にそうなる
『パーソン・オブ・インタレスト』が脳裏をよぎった
スパイ映画としては満足感が高い、良作