「まさかの結末」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ 森林熊さんの映画レビュー(感想・評価)
まさかの結末
ダニエル・クレイグの007引退作。ダニエル・クレイグが出演した5作はスペクターによって全て繋がっていたので、ブロフェルド含むスペクター幹部が一掃されたこともあり、これで全て終わった感がある。しかしながら個人的に最後のバッドエンド的な結末は非常に後味が悪い。先にブロフェルド用のヘラクレスに感染してて、後から入って来たヘラクレスは無効とかいう展開を期待していたのだが。それか二度と会わないとかでもいいだろうに。
敵役が正直イマイチだった。スペクターを一掃したもののサフィン一味がなんかショボい。サフィンも不気味な感じはするのだが、経歴もあってこじらせた復讐者の域を出ない。また、全然強そうな部下がいない。フィリックス・ライターの仇であるローガン・アッシュもあっさり始末してしまう。こいつもっと引っ張って良かっただろ。スペクターの手先だったプリモも、序盤でボンドにやられていたせいもあり、最後に襲いかかってきた時もギャグ的に倒されてしまうなど眉をひそめる弱さ。
新007だったノーミも終盤の活躍は少なく、せっかく共同潜入したのにもう行ってしまうのか、という感じだった。あとは前線に出て来ていたQもホモ疑惑が浮上した。そんなところにいちいち配慮しなくていいのだが。また、家でまで持ち帰り業務していたのに前線に出る意味とは?と思えてしまう。実際Mはロンドンにいながらリアルタイムで繋がってた訳だし。
3週間しか訓練していないというのに、バンバン撃ちまくるパロマが面白かったが、彼女の出番がそこで終わってしまったのは残念なところ。ボンドの娘なんて意外性はあったものの、人質にしてたのに逃がす意味が全く理解出来なかった。しかも都合よくあっさりボンド達に合流出来るし。それなら畳の部屋の時点で助けてて良かっただろ。かなり悪い点ばかり上げたが、前半は悪くなかった。後半がイマイチ過ぎたが。新たなボンドに期待である。