「もはや舞台装置がクラシック過ぎる」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ Yukさんの映画レビュー(感想・評価)
もはや舞台装置がクラシック過ぎる
ダニエル・クレイグのボンドはかなり人気があったようで、第1作が不評だったというのが信じられないような当たり役だった。次の役者はきっと大変なプレッシャーに苛まれるだろう。「もうこれが最後!」的な効果で底上げされた感もあるが、それなりに楽しめた。
カーチェイスや銃撃戦、ロマンスを交えながらのロケーションムービーは007ならではだが、もうこういう映画が皆に支持され心から楽しめる時代が終わりを告げているような気がした。
もはや舞台装置がクラシック過ぎて、古き良きスタイルを懐かしむようなモチベーションで観ている自分に気付く。カーチェイス、銃撃戦、格闘、追跡、逃走、世界を陥れる謎の武装集団との対峙には完全に食傷気味である。リアルタイムでSNSに投稿されるロシアのウクライナ侵攻の方がずっと怖い。
そういった限界は製作側が百も承知で作っているのだろうが、次の007は何かひとひねりないと、世界中にそっぽを向かれる可能性が高い。
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