劇場公開日 2023年11月17日

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「硬派ボンドの最終決戦」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0硬派ボンドの最終決戦

2022年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

観終わって、”硬派を貫いた男”という言葉が胸に迫ってきて、暫くその言葉の余韻に浸っていた。本作は、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる007シリーズ最終作である。最終作に相応しい見どころ満載の作品であり、本シリーズの真髄である硬派に貫かれたジェームズ・ボンドの活躍を活写している。次から次へとハイスピードでストーリーが展開されていくので、2時間44分という長尺を感じさせない出来映えで、面白い映画を観たという充足感がある。本シリーズは、ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じた初代007シリーズの軽妙、ウィット、ダンディズムの対極にある。硬派という新しいジェームズ・ボンド像を確立したシリーズである。

現役を引退し、ジャマイカで悠遊自適の生活をしていたジェームス・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、旧友のCIAエージェント=フェリックス・ライターに誘拐された科学者の救出を依頼懇願され、現役復帰する。そして、ボンドは、想像を遥かに超えた巨悪の陰謀に愚直に立ち向かっていく・・・。

世界を股にかけたスピード感溢れるストーリーが展開されていく。破壊シーン、カーチェイス、銃撃戦、格闘シーン、ボンドカーの強力装備のお披露目など、迫力十分な見せ場がてんこ盛りであるが、カッコいい、凄いというよりは、シリアス、非情というイメージが際立つ。セクシー女性も登場するしラブストーリーも盛り込まれているが、甘美さはサブであり、あくまでメインはシリアス。硬派作品の持ち味が存分に発揮され、我々観客の気持ちも緊迫感でキリっと締まり、画面に釘付けになる。

ラストシーン。まさかとは思っていたが、あくまで硬派に徹し切った圧巻の幕切れだった。胸が熱くなった。今までショーン・コネリーシリーズがマイベストだったが、本作を観てダニエル・クレイグシリーズがマイベストになった。

新シリーズでは、どんな個性的な新ジェームズ・ボンドが登場するのか今から楽しみである。

みかずき
琥珀糖さんのコメント
2022年8月22日

みかずきさん♪
共感ありがとうございます。
私も、ジェームズ・ボンドと言えばショーン・コネリーでした。
本当に今はもう、ダニエル・クレイグのボンドが一番好きで
作品はマイベストになりました。
(でもやはり、お次のボンドが気になりますね)

琥珀糖