劇場公開日 2023年11月17日

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「ダニエル・クレイグお疲れ様、の気持ちのあまり、シリーズ最長尺となった一作。」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ダニエル・クレイグお疲れ様、の気持ちのあまり、シリーズ最長尺となった一作。

2021年10月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

当初ダニー・ボイルが監督、脚本を担当する予定だったところ途中降板となり、キャリー・ジョージ・フクナガ監督が指揮をとりました。見どころがいっぱいですが、その分上映時間も2時間半超とかなりの長尺になっています。正直言って、特にキューバの下りは、大幅にカットしてもあまり話の筋に大きな影響はないような気がするんだけど、やはり話題となっているアナ・デ・アルマスの演技が素晴らしく、次世代のボンドガールをお披露目する上でも必要だったのかも(後でインタビュー記事を読んでみたら、やはりキューバの場面は彼女のために用意されたとのこと。やっぱり!)。

冒頭から息もつかせぬアクションで見せ場を作ったかと思えば、最強の敵サフィン(ラミ・マレック)の場面は対照的に静的であったりと(日本要素が強めなのはフクナガ監督が自身のルーツを意識して意図的に取り入れたとのこと)、フクナガ監督の緩急の効いた演出は見事です。

派手な見せ場と比べると目立ちませんが、実は本作に登場する子役の女の子の表情、動きが自然で、こちらも素晴らしいです。子役の演技を引き出す名手、是枝裕和監督を思い浮かべる程でした。フクナガ監督はどうやって演技指導したんだろう?メイキングがぜひみたいところです。

サフィンの過去と現在でちょっと年齢的に辻褄が合わないところがあるとか、やはりいくつか引っ掛かるところはあるものの、クレイグ版ボンドの幕引きとしてはこれ以上ない内容でした。

yui