「歴代ボンドがユーモアを多用し敵に対する時もどこか余裕を持っていたの...」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ じょんそんさんの映画レビュー(感想・評価)
歴代ボンドがユーモアを多用し敵に対する時もどこか余裕を持っていたの...
歴代ボンドがユーモアを多用し敵に対する時もどこか余裕を持っていたのに比べ、いつも満身創痍になってギリギリの戦いを重ねてきたダニエルボンド。
女性に対してはスマートであと腐れなく新たなボンドガールと恋を重ねてきた歴代ボンドに対して、ダニエルボンドは初作『カジノロワイヤル』のヒロインを彼女が死んでからもシリーズを通して心の中で愛し続けてきた。
短身、金髪、青い瞳、など歴代のジェームズボンドと外見の違いが批評されてきたダニエル・クレイグだが、本当の違いは彼のそんな泥臭さや人間臭さだったのではないか。
そんなダニエル版007もいつの間にやら15年で5作のシリーズに。
ロンドン五輪では女王陛下をエスコートし、今や世界が認めるジェームズ・ボンドになった。
前作までの内容や設定を引き継ぐ形のストーリーもダニエル版の大きな魅力だけど、今作ではボンドガールも継続。
だからこその歴代ボンドにはあり得なかった驚きの事実もあったりして、人間臭いダニエルボンドの真骨頂とでもいうストーリーに。
これまでも身長や金髪をネタにしたセリフがあったけど、今作は驚きの事実を裏打ちするかのようにダニエルの特徴が使われている。
そんなダニエル版007も今作で見納め。
前作『スペクター』でそれまでの禍根の元凶とも言うべき敵を倒してしまったので、今作の敵は少し物足りないというか設定があいまいだったかな。
それでも3時間近い上映時間が全然苦にならないダニエル版007の集大成と言える作品でした。
新作の007はいったい誰が演じるのかな・・・。