「全編通して人間味あるジェームスボンドの話」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ sallyさんの映画レビュー(感想・評価)
全編通して人間味あるジェームスボンドの話
コロナで延期延期でやっと待ちに待った007の最新作を見る事が出来ました。
まず、毎度言うようですが、007をシリーズを通してみてきた中で、私の中で、ジェームズ・ボンド= ダニエル・クレイグが一番ボンド役に適任だと思っています。
初代のショーンコネリーこそジェームズ・ボンドと思う人が多いかと思いますが、やはり、ジェームズ・ボンドの本来のイメージとは、決してハンサムではなく、男臭く、クールでシャープな人間像ではないかと思っています。
私自身、ティモシー・ダルトンもお気入りのジェームスだったけど、ロジャームーアやピアースブロスナンだと、カッコ良すぎると言うかハンサム過ぎると思っています。
今回のダニエル・クレイグ=ボンドは、大人の作品と言うか、意外に人間味溢れるボンド像だったと思います。
ダニエル・クレイグ=ボンドは、シリーズを通してみると大変に面白いと言うか、これまでの007は1作品事に完結だった作品でしたが、ダニエル・クレイグ=ボンドは、007に入った話からスペクターの登場、ジェームスとスペクターとの関連性、そして、ジェームスボンドの人間性をシリーズを通して大変に上手く描いてきた作品だと思っています。
ですので、シリーズを通してこの作品を見ないと、正直、ダニエル・クレイグ=ボンド作品の面白味が伝わらないと思うし、楽しめないかと思います。(特に、本作品は前作からの話の続きが問われる作品となります)
しかし、逆にここまでしてもいいかと思う程の内容に、更に逆に考えるのなら、映画なんだからこの位の驚きも有った方が良いかもしれないと思わせる作品に仕上がっています。
007史上、全般的に大変に重い内容重視に出来ているので、これまでの派手な007を期待している人には少々辛いかな・・・・
ティモシー・ダルトン=ボンドの作品も、当時は、もっと突っ込んだ作りをしていたら、2作品で終わる事もなかったのではないかと思う。
しかし、次から次へと意外なお話の展開に、こちらが困惑していまうシーンもあるけど、しかし、それも次回作品では、お話をどう戻してくるのか、これもまた楽しみに繋がってくると思います。
私の想い込み過ぎる考え方ですが、これまでのシリーズのなんかオマージュ的な要素も沢山あり、極めて、本作品、ティモシー・ダルトン=ボンドの「消されたライセンス」ジョーンコネリー=ボンドの「007は二度死ぬ」ジョージレーゼンビー=ボンドの「女王陛下の007」などオマージュと言うリスペクトが内容に織り込まれているんじゃないかな・・・・
ダニエル・クレイグ=ボンド作品は、全作品を通して、噛めば噛む程味が出てくる作品と言ってもいいと思う作品で、私は、本作品の内容が非常に良かったと思っています。
形にハマる事なく、新しいボンド像と言うか、新しい価値観での007を登場させたダニエル・クレイグ=ボンド作品、しかし、これが本当に最後で残念です。