「「オレ史上」シリーズ最高」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
「オレ史上」シリーズ最高
このシリーズを過去、ちゃんと観て来なかったので、今更こんな「ニワカ」が言うのも気が引けるのだが、『007』って、馴染みの客が「よっ!待ってました!」的ないわゆる『様式美』を楽しむ傾向が強いシリーズだと感じていた。
もちろんそのファンが共有する「ニヤリ感」の良さは分かる反面、最終的にメッセージとか物語とかは今ひとつピンと来なかったし、オープニングからテーマ曲辺りまでは最高にワクワクするのに、後半は雑に締めくくる感じがして、多少見くびってた感は否定できない。
それでも、そのアバンタイトルからテーマ曲までのカッコよさは「スカイフォール」なんて、そこまででチケット料金分キッチリ元が取れたと思うほどな訳で、それが良いとか悪いとかいう話でもない。
正直、本作はあの予告編をほぼ2年間ずっと見ていた結果「あれ?あのレミ・マレックの007っていつ観たっけ?」と、既に観た気になっている自分を否定できない。
ただ。
フタを開けてみると今作は全てが良かった。
まあ、もちろん「何が始まったの?」「何が目的なの?」「誰?」って箇所も多いんだけど、その辺りはご愛嬌レベル。
まずはその美しい背景を堪能。
そしてシリーズとしてはひとつの節目となるエンディングに向けて、観客の感情を置き去りにすることなく、多くのファンが期待する「様式」も維持しつつしっかり締めてくれた。
日系の監督だというのも、我々にとっては作品内のあちこで「あっ」と思わされる要因であったりもする。
(でも能面から枯山水、畳の座敷まで出て来ると、なぜなのか説明は欲しかったかな。)
完全なる、前作「スペクター」の続編なので、そちらを鑑賞してから観て頂きたいが、これをディスク版や配信が出るまで待つってのは、やっぱり作り手に申し訳ない。
コロナ禍にあっても、ここまで映画館での上映にこだわって待ち続けた作り手の皆さんには、劇場での鑑賞で報いたい。
宣言解除されたので是非劇場へ。
たぶん、ガッカリすることはありません。
誰にでもオススメしたい映画…というよりは、誰かと話したくなる映画です。
※あと、キューバ編のあのコ。
(調べたら「ナイブズアウト」でダニエル・クレイグと共演してた)
アレだけのポテンシャルで出番アレだけってさすがに…。
肌の露出にはもちろんこだわらないので、絶対に今後も出てきて欲しい。