「また変質者映画ですか・・」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
また変質者映画ですか・・
キングズマンでも「007の面白さは悪党次第さ」という悪役のセリフがあってイギリス人らしいウィットと痺れたが、製作のバーバラ・ブロッコリさんに聞かせてやりたい。
スカイフォール以降どうしちゃったのだろう、またもや敵は変質者、日本の能面をそんなところに使わないでほしい。
007の魅力は巨悪を倒してのカタルシスだった筈、泣きたくて観るような映画ではないでしょう。
敵が心を病んだ異常者ばかりではホラー映画になってしまう。しかも幼ない子供を人質に使うなんてよくも思いつくものです、スカイフォールでも女性をいたぶっていましたがそれでは飽き足らず子供を出汁につかうなんて一線を越えてしまいました。
これまでもダブルオーセクションの廃部が取り沙汰されてきたが留めのような顛末、殺しのライセンサーに頼らずとも最新バイオテクノロジーで暗殺なんて、女王陛下が知ったらなんと嘆くでしょう。コロナ禍に便乗したプロットですが公開延期とは皮肉でしたね。
たしかにアクションやフォーマットはレガシーなエンタメ路線のおいしいところ取りをしているからところどころでは爽快スパイアクション・エンタティンメントと言えなくもないから質が悪い、そもそもこの製作陣は007シリーズに手を出してはいけない人達だったのでしょう。
これではボンドも死んでも死にきれまい、なんと湿っぽい情けない結末でした。