「スカイフォール>>本作>>>>>>スペクター」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ エーリヒさんの映画レビュー(感想・評価)
スカイフォール>>本作>>>>>>スペクター
って感じのおもしろ度だった。
気になった点
①アクションシーン多すぎない?
②黒人女の相棒いる?
③謎のジャパニーズ要素
①
重厚な人間ドラマに仕上げると思いきや、8割くらいがアクションシーンなのが意外だった。
守るべき家族ができたボンド、ヒーローもまた誰かにとっては悪、Mの愛国者キャラクターとしての葛藤、みたいな面白い要素を散りばめまくったわりにはどれもうまく活かしきれていない感じ。
壮絶な過去のエピローグで、せっかく次世代名優のラミマレック使った割には、しっかり彼のキャラクターの過去を描くことがなく、「ヒーロー側への過去の遺恨をこじらせて復讐に燃えるヴィラン」といういつもの悪役キャラになってしまった。
最初に、ヒロインをあえて助けるシーンがあるので、善と悪で揺れる悪役みたいな深みを出すのか〜と勝手に期待してしまいました。。。
そして、「前作では最強の敵だったキャラがあっさり死ぬ。今度の敵は史上最恐!!」というヒーローもので1万回くらい見たようなマンネリも、ご多分に漏れず。
ルシッフルよりもミスターホワイトが!いやいや、ミスターホワイトよりもシルヴァが!!いやいや、シルヴァよりもブロフェルドが!!いやいやいや、ブロフェルドよりも…
ってマトリョーシカ的に最強の敵が登場するのでもうキリがないったらありゃしない。
しかも、史上最強の敵の割にやっぱりラストは超人ボンド1人にアジトと手下を壊滅させられた上、一騎打ちで簡単に死ぬっていう。
②
黒人女のボンドの相棒はいるかな?
CIAとMI6の出し抜き競争!みたいなので序盤は必要なキャラかもしれないけど、ボンドが本格的に復帰してからは無理にバディでアジト乗り込むよりも、ボンドひとりのほうがおもしろいのでは?銃が使えるマドレーヌもいるんだし。
レイシストを成敗するシーンがあるので、たぶんそのシーンを撮りたいがために辻褄を合わせたんだろうけど…
でも、今の時代ならではの要素を採り入れたって意味では、007の雰囲気を壊しすぎずバランスは良かった。
③
50年くらい前からハリウッドでありがちな「フジヤマ!ニンジャ!ハラキリ!」みたいなツッコミ所満載なジャパニーズ要素も気になった。
アジトが北方領土にあるって理由だけで、なぜかラミマレックが畳に座ってたり、能面被ったり、盆栽が飾られてたり、ボンドがジャパニーズ土下座したり、まじめにやってるんだろうけど笑ってしまった。
と、いろいろケチつけましたが、なんだかんだテンポは良く、フツーに楽しめました。いつも以上に王道の良い意味でベタなアクションヒーローという感じ。
スペクターでダニエルクレイグ版を終わらせるよりは全然良かったと思う。