「邦題の割には」ナチス第三の男 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題の割には
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冒頭はジェーソン・クラーク演じるハイドリヒの半生を描く。婚約しているにも関わらず妻となるロザムンド・パイクと婚約したことから海軍将校を解任され、野心高き妻の影響でナチスに入党。妻にケツを叩かれる意外なハイドリヒだが、勤勉故に次第に頭角を表し、家庭をも顧みないほどになり、ヒトラー、純血国家に陶酔していく。悪役顔ジェーソン・クラークの冷徹ぶりが様になる。一方で、ハイドリヒを暗殺するチェコスロバキアのパラシュート部隊側の人間模様も中盤からラストまで描かれ、結局映画は彼らの死で終わる。タイトルからしてハイドリヒにもっと焦点を当ててほしかった。ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦はパラシュート部隊側の視点だったので、余計にそう感じた。しかしながら全体としては、戦争とはどちらが善悪ではなく、個人より大事なものが国家なのかと考えさせられる。あくまでも命令を受けて、殺し合いをする各兵隊たち、協力者たちの死より重いものはない。これはフィクションではなく、史実というのが虚しい。
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