ラーメンヘッズのレビュー・感想・評価
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ラーメン職人はいまやアーティスト。
ラーメン、もはや否定ない国民食も日本史はたったの160年という。この映画の主役、日本一の若きラーメン王、富田治さんが言う『数万円で美味しいのは当たり前、たった800円で究極のお客様の幸せを提供するのがラーメン店主の醍醐味』『前菜があってメインがあってでなくラーメンはこの一杯の中だけで勝負しないといけない』
まさにその通り。スポーツ選手然り、自分の職業で一日のうちの脳が支配されている時間と報酬・所得は間違いなく比例する。ラーメン職人はいまやアーティスト。
コロナ渦で減退しつつあるモチベーションをおおいに揚げてくれたおすすめ映画。
愛すべきラーメンバカ。
若かりし頃に池袋大勝軒のつけ麺を食べて衝撃を受け、以来ラーメン一筋の人生を送ってきた男の話。スープ、麺、メンマ、接客、店内の清潔感の全てに手を抜かない様子に共感を持った。いわゆる体育会系で自分とは違う世界の人ではあるが、その生き方は尊敬に値する。彼とは違う考え方の他のラーメン店主も出てきたが、そのインタビューも良かった。休みの日はラーメン店をハシゴしているようだが、身体には気を付けて欲しい。
質とか熱とかそんなことの前に、食べたい
正直、自分はラーメンには興味がないし、ふだんもほとんど食べない。だからこそ冷静に映画の質とかを掴めるのかも、と思いつつ観賞していたが、とにかくラーメンが食べたくて仕方なくなってしまった。
映画そのものの質も素晴らしいと思った。とくに監督自ら語るナレーションが凄くいい。トーンもそうだし、何よりもその脚本・文章が魅力的。笑いと感動は、何気にこの言葉にあったりした。
途中のアニメ的なラーメンの歴史がもう少し何とかしてほしかったかなー。基本的に面白くて味わい深く悪くないとは思ったけれど、緑の日本地図の表現だけがハマっていないように感じた。
成功者の話が淡々と語られるドキュメンタリー。正直劇的起伏が薄い。それでも終始作品に魅せられるのは、美味しいものを表現する情熱が、出演者と制作者一体となって、画面に滲み出ているからなのかもしれない。
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