「静謐なもの悲しい話」聖なる泉の少女 Morikiさんの映画レビュー(感想・評価)
静謐なもの悲しい話
静謐な映像の中に、絵画が浮かんでくる。「真珠の耳飾りの少女」「雪中の狩人」「カード遊びをする人々」、映像の美しさは、息を呑むが、撮影技法は、やや凝り過ぎ。ストーリーは、多面性を持ちつつも、単純。因習的に、聖なる泉に囚われている少女は、その地から逃れることが可能かと思わせるエピソードもあったが、その可能性は消え去る。ダム工事の進展に連れて、川の水が白く濁り、その聖なる泉の水は、枯れて、少女に人生のやり直しが出来れば良いのだが、彼女には、多分、その容姿以外に、何も残っていない。
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