「文学オタクの天才少女が幸せになる方法」マイ・プレシャス・リスト とえさんの映画レビュー(感想・評価)
文学オタクの天才少女が幸せになる方法
面白かったなぁ
観終わった後に、前向きな気持ちになる映画だった
19歳のキャリーは、IQ185、18歳でハーバード大学を卒業した天才
しかし、文学オタクの引きこもりという彼女を見たセラピストは、彼女が幸せになるための6つのリストを1ヶ月でクリアしろというノルマを彼女に課す
19歳のキャリーは14歳の時に飛び級でハーバードに入学した天才で、同級生からは変態扱いされ、大学を卒業してからも社会になじめない
そのために、引きこもりになってしまっていた
そんなキャリーのためにセラピストが作ったリストは、外へ出て他人と話をしないとクリアできないものばかり
それまで、どんな難問もクリアしてきた彼女は、リストを一つずつクリアしていく
ハーバードを飛び級で入学、卒業した天才と聞くと、華々しいキャリアを想像するけれど、キャリーの場合は、そうではなく引きこもり
では、なぜ、彼女は引きこもりになってしまったのか
それは明らかに彼女に問題があった
周りの人たちと意見が合わないとか、奇異な目で見られるという理由で、彼女が周りの人に壁を作っていたのだ
だからこそ、セラピストは彼女が周りの人たちに話しかけることでクリアできるリストを作ったのだ
社交性のある金魚が、一匹では生きていけないように
天才だと珍しがられるキャリーも、いつまでも家に閉じこもって本を読んでいるだけでは生きていけない
そこで、お父さんは彼女に仕事を与え、セラピストはリストを与える
そうして、彼女は外界と接することで中には良い人もいるという現実を知っていく
キャリーは、周りの人たちから変態扱いされことを嫌がっていたけれど、彼女自身も、周りの人たちに対して「話が合うはずない」と諦めていたところがあった
でも、彼女が思うほど世の中は捨てたもんじゃないのだ
頭でっかちなキャリーには分からないことや、知らないこと、理解できないことがたくさんあって、みんな、問題を抱えながらも前を向いて生きているのだ
この映画は、天才の孤独や苦悩の描写が薄いのが問題点で、彼らはもっと深いことで悩んでると思うけれど
人の感情は、どんなにIQが高くても、そう簡単に理解できるものではないっていう描き方は良かった
相手を否定するまえに、まず会話をして、相手を知る努力をしようというセラピストの教えには、とても共感した
外に出て、人と話をする時間はとても大切で、人の良し悪しはIQで測れるものではないのだ
キャリーにとっては、リストをこなしながら、自分の個性を受け入れ、アイデンティティを確立していくことになる
その過程をとても前向きに、明るく描いているのが良いなぁと思った