「「コミュ力ゼロ」ではない。顔が変わる (軽いネタバレ有)」マイ・プレシャス・リスト 雨はにわか雨さんの映画レビュー(感想・評価)
「コミュ力ゼロ」ではない。顔が変わる (軽いネタバレ有)
ハーバードを4年飛び級の18才で卒業したてのIQ185の大秀才、引きこもりで週に17冊も本を読むほどの読書好き...
...という設定自体はそれほど丁寧に描かれる訳ではなく、わりとセリフのやり取りの中で説明される感じです
父親の友人が親代わりにあてがった?カウンセラーの勧めで、自分を変えるためのいろんなことを実行する、というのが話のメインです(一部回想も含む)
予告編やパンフだと、頭いいけど「コミュ力ゼロ」って言ってますが、そんなことないです。むしろ、頭が良くて言語的表現能力は非常に高く、関わる人とはその場その場で非常に的確なコミュニケーションをします
「コミュ力ゼロ」だからぼっちなのではなく、知識や興味関心が周りの人と合わないという設定です。そしてもう一つ重要なのは、間違ったことは許せないという道徳心が生きづらさとなっている(という設定)です
ただ、その割にはその辺りの描き方が、不倫は許せない的なエピソードは多少あるとはいえ、少し弱いかな? だから日本の配給ではコミュ力ゼロとかってより分かりやすいキャッチに行ったのかもしれない
とにかく、むしろいろいろ喋る話です。いろいろな相手とその場その場で自分の最大の誠意で会話をしていく姿が可愛くて好感が持てます。そういうのが好きなら楽しめる映画でしょう
テンポもよく、NYの街など映像もきれいです
その他
・金魚、水だけでものが何もない水槽は映像的に綺麗で買ったままの状態を表現してるのでしょうが、なんにも隠れるところがない水槽は魚のストレスになりますよ。ブクブク(エアレーション)もしてないし
でも名前をつけて可愛がっていたのはわかるし、金魚は社会的(社交的)生物というので、最後に戻しにいく話は良かった
・顔が場面場面によってすごく変わる。メイクとか雰囲気を敢えて変えているのだろうが、まったく別人のように見えたりするときもある。なんか少し太り気味のオバサンっぽくて全然可愛らしく見えないときもあるけど、大事なところでは可愛らしい感じで、不思議なものですね
・お父さんが最後の方で本について言い放つセリフが良かった
サリンジャーが愛読書ってことで、読み直そうかって気分になりますね。フーコーもちらっと出てきますが、そっちはやめとくかなw