「あり」モリのいる場所 みみずさんの映画レビュー(感想・評価)
あり
熊谷守一とは極々僅かな縁がある。
だから、ちょっとだけ思い入れを持って足を運んだ。
世俗を超越した世界に悠然と居きる希有な天才。
その端から見るとユーモラスにすら感じられる姿を、
蟻のシーンのように淡々と描いているところは良かった。
心を清々しい風が吹き抜け、笑みがこぼれた。
しかし、そこに作為的な要素が入ってしまうと、
一転、陳腐でそれまでの心地よさが一掃された。
文化勲章を断った最大のイベントが一瞬にして凍りついた。
天才画家に対する敬意は希薄で、
おかしな老夫婦に終始してしまった感があったのは残念。
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