「アクションは素晴らしいけれど…」アメリカン・アサシン とえさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションは素晴らしいけれど…
これはーかなり消化不良だった…
恋人にプロポーズした日にテロに遭い、恋人を殺され、その日から復讐に燃える狂犬となったミッチ(ディラン・オブライエン)
CIAはリスクを承知でミッチをリクルートし、暗殺者に育てるために、元ネイビー・シールズのハーリー(マイケル・キートン)にミッチの教育を任せるのだが…
アクションシーンはとても迫力があって良かった
「メイズ・ランナー 最期の迷宮」で何回も手術を受けなければならないような重傷を負ったディラン・オブライエンが、こんなに派手なアクションシーン満載な映画に出演した勇気は素晴らしいと思う
しかし、ここ数年ハズレなしの名作続きだったマイケル・キートン出演作にしては、あまりにも薄っぺらい印象を受けた
そもそも、CIAが復讐に燃える狂犬をリクルートするのかという疑問
どんな時も、理性的に、人目につくことなく行動するからこそ、CIAなのではないか
そして、テロリストの目的が不明な件
ミッチがテロに遭った理由も不明なら、テロリストの目的も不明で、それがいつの間にか、他の事件にすり替わっていくという適当さ
そこで思うのは
今の時代にCIAがどこかの国やテロ組織を敵にしたスパイ映画を作るということに無理があるということ
現在、世界中で起きているテロは、国や組織が行なっているというよりは、個人が起こした行動が多く
特に、アメリカ国内で起きているテロは、アメリカ人が実行しているものが多い
その原因は、国vs国というより、宗教的な理由がほとんどだ
きっと映画的には、イランやら、ロシアを諸悪の根源にして、社会から弾き飛ばされた人間がそれらの国を利用して母国や社会に復讐するという形がとても描きやすいのだろう
しかし、今の世の中で起きているのは、イスラム教 vs 反イスラム教であって、そこの本質を描かずに表面的になぞっているだけの感じがした
さらに、個人的には、アクションキレキレのスコット・アドキンスが出演しているのに、あまり見せ場がなかったのも、残念だった