シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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真に美しい愛の物語。これが本当の『美女と野獣』
素晴らしい!これこそ俺が本当に観たかった『美女と野獣』!野獣がハンサムな王子なんかに変身したりしない真に美しい愛の物語。「物語」が過酷な現実に救いをもたらすことを描いてきたギレルモ・デル・トロの到達点!あまりにも甘美な結末に冗談じゃなく心が震えた!
オープニングから流麗なカメラと水中を漂うような音楽で一気に世界に引き込まれる。演出的にもモノクロ映画やサイレント映画からミュージカル映画に至るまでのあらゆる映画的技巧を総動員してこのおとぎ話を絶妙なバランスで成立させていると思う。アカデミー賞13部門ノミネートも納得の完成度!
主演のサリー・ホーキンスが最高。美女ではないという設定やけどあのチャーミングなこと!「彼」と抱き合った状態でリチャード・ジェンキンスに微笑んだあの顔はやられる!マチズモの権化(『美女と野獣』でいうガストン)を演じたマイケル・シャノンも流石。モンスターはお前の方だと誰もが心で叫ぶはず
「彼」もとい「不思議な生きもの」がキリストを思わせるあたりは『E.T.』(それでいて結末は真逆の『未知との遭遇』)。というか「不思議な生きもの」とE.T.はほぼ同一人物といっても過言ではない。『E.T.』が好きな人にも絶対オススメ!これは「この子は悪くないのに!」モノの新たなマスターピース!
『シェイプ・オブ・ウォーター』は「つらい時代のためのおとぎ話」として構想が練られ始めたらしい。出演者のマイケル・スタールバーグは「冷たい世界の美しい物語」と本作を表現した。物語は過酷な現実に救いをもたらしてくれる。平たく言うとしんどい時でも元気が出る。映画を観る意味はそこにある
『シェイプ・オブ・ウォーター』の"The others"に対する優しさを知ってしまった後では『グレイテスト・ショーマン』のそれが浅薄なものだったと感じてしまう。確かに"This Is Me"と力強く歌い上げる様は素晴らしかったけど逆に言うとそれしか言わせてもらえてないというか…
『シェイプ・オブ・ウォーター』と『パンズ・ラビリンス』は姉妹のようなもの。どっちも最高
そう来たかぁ
好みの問題か
むかしむかし、ある所に声を出せない女性が少数の仲間と共にとても自由...
むかしむかし、ある所に声を出せない女性が少数の仲間と共にとても自由とは言えない生活をしながら夢を見ていた。ある日、どこからか人ならざる者が鎖に繋がれながら彼女の前に現れた。その日から2人は徐々に触れ合い、そして惹かれていく
この愛の形ににまつわるおとぎ話を現代に語ってくれたのは、その生涯をかけて”モンスター”、異形の者に愛を捧げてきたメキシコのスリーアミーゴスの1人ギレルモデルトロ監督
彼が製作・監督・脚本と至る所まで関わった本作はなるほど、とても細部にまで拘った世界観、とても繊細なシナリオなど、彼にしかなし得ないであろう、とても創造性に満ち溢れた宝石箱のような映画でした
個人的に冷戦時の60年代、そして度々挿入されるその時代の素敵な音楽、基本的に一般的な世界から離れた場所での出来事など、自分が大好きなゲーム、バイオショックのテイストを感じ、とても舞台設定にワクワクしていたし、実際見て魅力された
主人公であるイライザ、半魚人の彼を始めとした社会からつまはじきされたThe Othersは権力者であったマイケルシャノン演じる悪人でさえそのある種の強迫観念に駆られてしまっている閉鎖的な社会や時代の干渉を受けつつも、逞しく抗い続け、ついには自分たちなりの愛の形を勝ち取ります
この映画はギレルモデルトロによる異形の者、人ならざるものとされてきた者たちと昔の古き良き思い出となっている映画達への愛くるしい素敵なラブレターとなり、我々観客たちを幻想的な浮遊感さえ感じるような124分の世界に誘ってくれる
薄毛の人に朗報!
いや、ホントに美しい物語でした。音楽の使い方が良かったですね。イライザがミュージカル映画の1シーンに溶け込んで行く所がすごく良かったと思います。ラスト近く半魚人クンがイライザを抱きかかえたシーンではこれは大昔の映画「大アマゾンの半魚人」だ!!とか思ってしまいました。
ここのレビューで誰か書かれてましたが、ストリックランドはこの事件に関わらなければいいお父さんだったろうに、とも思いました。
さぁ、南米のジャングルに半魚人クンを探しに行って頭をナデナデしてもらわなければッ!
人間と半魚人の愛
「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督作品。
本年度のアカデミー賞最多ノミネート。
彼自身メキシコ人であり、メキシコ人を国境封鎖し
疎外しようとしている現在のトランプ政権への
風刺的なアンチ作品でもある。
主人公イライザは言葉を持たない。
親友はゲイの老いた絵描きの男性。
掃除婦仲間は黒人女性。
彼女らは大多数の中の少数派であり
差別的な対象の立場にある。
60年代、戦後 米国とソ連の冷戦下において
後のスターウォーズ計画に至るまでに
何としてもソ連の先を進んでおきたい米国は
アマゾンで捕まえた半魚人の生態を研究する。
施設内で掃除婦をしていたイライザは言葉を持たない彼と
意思の疎通を交わしていく。
マイケル・シャノン演じるストリックランドの怪演が見事で
彼自身「神は人に似ている。君らよりも私に。」と豪語。
自身(白人)と違う人種を圧倒して非難の対象とする彼は
半魚人を徹底的に痛めつける。
まさにこの映画において「どちらが化け物なのか?」を
問わせると同時に、少数派である彼女らも少数派の中で
お互いに助け合いそして愛し合うこともできることを
観客へ伝えさせてくれる。
ストーリーは予定調和で意外性はなく進むので
ラストはある程度読めてしまいましたが、
途中途中のユーモアでありエモーショナルな場面は
劇場で観る価値ありです。
BGMもオールディーズで60年代のクラシックな
時代背景が好きな人にはドンピシャでしょう。
ただR15指定作品なのでその辺りはある程度
覚悟して鑑賞に臨んでください。
付き合いたてのカップルや付き合う前の男女で
観るのには少し不向きかもしれません。
(グロ方面よりエロ方面)
ちゃんとエロい
話はどこかで聞いた事があるような内容だが、ゲテモノになりがちな内容がちゃんと男女の恋愛として見えたのがスゴイ。「アバタ―」でも違和感があったのにこの映画はちゃんとエロく感じました。
デルトロの萌えツボへの仕掛け方が実に巧妙。ヒロインの設定から絶妙だ。これが若く美しい女だったら逆に魅力のない平凡な映画になっていただろう。地味な中年女であるが時折見せるエロさとかわいらしさが素晴らしく魅力的だ。サリーホーキンスの存在がすべてに説得力を持たしている。半漁人のデザインも良い。美しい生き物に見えるからこそ二人が結ばれる場面が心を打つ。
他にも個々のディティールが良いな。敵役の実生活が絵にかいたような幸せな家庭。奥さんの誘い方もどこか生活感を感じさせる。おっぱいを片方だけ出して男の手を乗せるとか。
ただ、どうせなら二人の恋にもっと比重を置いた話の方が良かったのでは?「ET」のように悪漢から異生物を逃がすサスペンス展開は正直、退屈に感じた。
ストリックランドを擁護してもいいですか?
想像してみてください。
ストリックランドが自分の父親、あるいは自分自身だとして、官僚や軍人やサラリーマンとして同じような環境や状況に置かれていたとしたら‥‥。
許しがたい傲慢さや自尊心の強さが鼻につくところはあるけれど、客観的には『有能な人』という評価を得るはずです。
〝彼〟と直接触れ合う機会を得たイライザやデミストリ(ホフステトラー博士)の方が特別な感情を抱くことのできる極く限られた少数派のはずなのですが、映画を観ている我々はイライザや博士の立場での感情の方が普遍的・一般的で正しいと思い込んで感情移入してしまいます。
現実社会において、恐らく誰もが、この映画のように、本当に大事にしなければいけないものはなにか、ということを分かっているはずなのに、大半の人がそれに気づかないまま、或いは気づかない振りをしながら、ストリックランドと同じような価値観や方向を向いて仕事や日々の活動における判断をしているのではないでしょうか?
一般的な仕事において、限られた時間の中で、最小限のコストで最大の効果を発揮しようとする時に特定の顧客の為にそれなりの手間やリスクのかかる選択(あたかも半魚人を救うみたいな)をするでしょうか?
本当に大事なものを自分のペース、自分の世界観の中で、愛し慈しむことは、現代の慌ただしい競争社会の中では、ファンタジーでしかないということなのだと思います。
とても悲しいけれど。
期待値高すぎたので....
マイケルシャノンの顔のクドさ‼︎
ギレルモ大好き‼︎
パンラビは
超えられなかったけど(私の中で)
ステキなラブファンタジー?
でした。
猫ちゃん
食べちゃったのがアカン(泣)
ラスト
生き返っても
海の中じゃ息が⁉︎って思ってたら
傷がエラに(笑)
なるほど‼︎
冷戦時のおとぎ話
期待通り!
他の人のレビューで隣人との関係やパイ屋のくだりが良く分からないとありましたが、隣のおじさんは同性愛者でパイ屋のお兄さんに恋をしてたから不味いパイを買いに行ってただけ。主人公とは音楽の趣味が合う親友。アメリカでも当時はあからさまな差別の対象で、案の定お兄さんからは軽蔑の眼差しで見られるし、時代遅れのイラストレーターで昔の同僚にも邪険に扱われるという、どうしようもない可哀想なおじさん。そんな社会の弱者、底辺の人も憎まれ役の新車を大破したりという予想外の活躍をするところに、監督の弱者への愛を感じました。そこだけでなく監督の色んなものへの愛に溢れた映画でした。
シンプルすぎるけど、まぁいっか。って言える結末
すごいシンプルな話なんだけど、ストーリーにのめり込めてクライマックスシーンは泣けたけど、キレイにまとまっていて、まぁいっかって感覚がのこる結末でした。だけど、クライマックスシーンはちょっと泣けました。
主人公イライザの周りの人もいい人で、ちょっと複雑なことを抱えているけど、主人公と生き物の彼を見ていくうちに協力をしていくのですが、イライザの友人ゼルダとのガールズトークのシーンも良かったし一緒に暮らしている画家のジャイルズもいい人なんですよぉ。
冒頭シーンのイライザの日常行動や生き物の彼との大人向けのシーンなどここハッキリ映しますか?っていえるシーンが多く、お子様には刺激が多いシーンは多いですが、イライザは孤独だったんだけど、手話や音楽を使って生き物の彼と通じ合うことによって笑顔になっていくとこは好きでしたねぇ。
恋愛映画なんだけどファンタジー映画でもありあっと驚くようなシーンもあったり詰め込んでいるけども、全体の内容としては、シンプルなお話で、難しいことを考えずどうぞ恋の行方をご覧あれと言っているような作品でした。
お子様と一緒に見るには刺激が強いかもね(^_^.)
まもなく第90回アカデミー賞があり、「ダンケルク」かこの作品かが作品賞有力候補と言われておりますが、私はもし1票入れるとしたら「ダンケルク」に入れますね。
4.1
パンズラビリンスに続き、ギレルモのダークファンタジーワールド全開
サリーホーキンスがアカデミー賞受賞も有り得るなと作品を見て思う
agent clean を ただの掃除係さ はダサすぎる
R15ならもう少し残忍な描写を入れてよかったのでは
人物描写のために入れたのは理解できるがマイケルシャノンのsexシーンは全くいらない
イライザの首の傷の真相は?最後にエラに変化したのはかなり好き
あの生き物に名前がないのもかなり好き
イライザが急に歌い出す設定、あれはすき、モノクロでテレビショーみたく演出している、あれもすき、でもなんだか安っぽい!なにか物足りなかった
この映画はカップル、ファミリーでは鑑賞しないことをおすすめ
彼を助けないなら私たちも人間じゃない
タイトルなし(ネタバレ)
素晴らしい作品です!
これはエログロ版のET!
テーマ的にはアナ雪やズートピアを彷彿させますね。
聖書を引用しながら主人公達を追い詰め、見栄や権力に執着し、異常なまでにミスを気にする敵ボスは、既存の概念に縛られた人間の象徴なのでしょう。
そして人知を超えた存在の彼は優しく繊細だが、可愛い猫を食べます。
生き物が生き物を食べるのは自然の摂理。
可愛いから食べないと言うのは先入観でしか有りません。
彼は既存の概念に縛られない存在の象徴なのです。
どうにでも変われる!決して良い意味だけでなく、善にも悪にも!
これがタイトルに込められた想いだと解釈します。
そして彼を殺そうとする行為は支配者層の考え方そのものです。
都合の悪い事実は隠す!
見たくないものは見ない!
多少チグハグな演出の部分も有りますが、それを感じさせないぐらい今のデルトロ監督には勢いとパワーが有ると感じました。
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