シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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綺麗事ではない恋愛映画
字幕版を鑑賞。1954 年公開のモノクロ映画「大アマゾンの半魚人」のリメイクだそうであるが,物語は前作の原型を全く留めていないので,キャラだけを拝借したというだけのように思える。監督は,パシフィック・リムやカンフー・パンダ2などを手がけたメキシコ人監督である。この監督は非常に日本のアニメや特撮にハマっている根っからのオタクだそうで,前回の来日時には日テレの番組に出てバルタン星人の等身大フィギュアを贈られて歓喜していたが,今回の来日ではピグモンを贈られて早速インスタに写真をアップしていた。 米ソ冷戦真っ只中の 1962 年に半魚人相手に恋愛映画を作ったらどうなるか,という発想が全てと言える作りであるが,この映画の恋愛というのは全く綺麗事ではなく,性愛を伴うものを意味している。米軍の特殊な研究施設の掃除婦として働いている声帯を失って声の出せないヒロイン,ヒロインが暮らすアパートの隣室の初老の画家,ヒロインの上司,いずれもそれぞれ特殊な性癖の持ち主であり,それぞれが赤裸々に描かれている。子供向けでないシーンがいくつかあるので,お子様連れでの鑑賞はお勧めできないし,デートにも向かないのではと思う。 脚本も自分で書いている監督の想像力は桁外れのものがあるようで,ミュージカル仕立てになっているパートまで出て来たのには唖然とさせられた。表現の幅は観客の期待以上に広かったと言える。ただ,半魚人の特殊能力はかなり盛りすぎという印象を受けた。あそこまで意思疎通ができるなら,喋っても全く不思議ではないのではと思った。こういうテーマの映画はアカデミー受けするので,作品賞候補になったのだろうと思われる。 冷戦時代の雰囲気は非常によく出ていたと思う。ソ連が崩壊してからは,表面上冷戦が終結しているので,あの雰囲気がわかる人はすでにかなりの年配者ということになる。共産主義を至上とし,祖国ソ連のためにはアメリカでのテロなど平気で起こす人物がかなりいて,ケネディ大統領を暗殺したとされるオズワルドなども容赦ない決めつけがなされていた。ソ連で暮らしたことがあるというだけでテロリスト扱いされても不思議でない時代だったのであるから,ソ連からの留学生などという立場では怪しまれて当然という立場だった。 特に印象的だったのは,ヒロインの上司にあたるストリックランドの物の考え方である。人間は,神がご自身と同じ姿に作られたもので,女より男が偉く,黒人より白人の方が偉いのは当然という価値観の持ち主で,自分の考え方を疑ったり客観視することができない人物である。これまた冷戦時代のアメリカには掃いて捨てるほど沢山いた。トランプ大統領などは,その典型のようにも思えるので,この映画を通じて大統領を批判しているのかも知れず,業界丸ごと反トランプという映画界で評価が高いのもそのせいなのかも知れない。 ヒロインは最初ひどく風変わりなおばちゃんに見えたのだが,話が進むにつれてどんどん魅力的に見えて行ったのが不思議だった。ベテランのアレクサンドル・デスプラの手になる音楽の出来も良く,監督の演出も非常に冴えており,ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映されて金獅子賞を受賞したというのも頷ける出来上がりであると思う。ただし,アカデミーやコンペティション受けする作品が面白いかというと必ずしもそうではないことがある。私には,昨日見た「ゲット・アウト」の方がはるかに面白く感じられた。 (映像5+脚本4+役者4+音楽5+演出4)×4= 88 点。
3連ちゃん、3本目だともう…
アカデミー賞ノミネート作品として期待しましたが、やたらにエロシーンが出てきて、このシーンの必要性を考えながら観てました。 この映画で真っ先にイメージしたのは、アバター。異種交配?シーンはキレイでしたけど、トキメキはあまり感じませんでした。 内容とか俳優とかより映像美がウリかな?どうやって撮ってるんだろと思いながら見てましたが、イライザ役のサリーはああいう演技が見事にハマりましたね。40代とは思えない、美しい裸でした。 その直前に見た「幸せの絵の具」の主人公とよく似てんなぁと思ってたら、同一人物でビックリ(笑)。そっちの方がおススメかも…。
あの傷は
映像も綺麗で
水の中を感じさせてくれました
少しエッチなシーンが多かったけど
異種勾配を描くための布石なのかな?
イライザが川に捨てられてたとか
首に3本の傷があって 言葉が喋れないって
あ~イライザも 彼と同種(より人間に近い形ではあるが)と思ったのに
そういう終わりかたで無かったのが何とも
伏線張りまくりに感じたのに
大人向けのET
通常ならSFになりそうなテーマを、通常なら若くて綺麗な主人公が恋に落ちるストーリーを、レトロな大人のラブストーリーにした今までにない作品。 でも、誰でも楽しめる映画ではないので、だからアカデミーショー13部門もノミネートしてるのにあまり宣伝してないのかな?という感じがしました。 不思議で素敵な映画だったけど、なんか、高齢化社会を感じてしまった。 若者向けの素敵な作品も作って欲しいなぁ。
デル・トロ ワールド
異型を愛するデル・トロの真骨頂ともいうべき映画。色々な想像が可能なエンディング、さらに水中シーンの美しさは特筆すべきものだと思う。ただ、ボカシが入るようなシーンは果たして必要だったのだろうか? それが無ければ星4,5だったのになあ。
見た目じゃなく心
今年7本目の作品。 映像美、音楽、演出。良かったです。 正直言って地味な女性と男の人魚とは、どうなるんだろうかと疑問且つ不安がありました。 でも問題なかったです。 演出には「??」と思う点もあって観ながら考えてりもしました。その演出は必要だったのか…なぜ必要だったんだろう…って。 また、映画は音楽も多くゆっくり流れはシーンが多々あり、色々含めて好き嫌いはあるかもしれません。でも私はとても良かったです。ストーリーら現実離れしてるけど主人公の気持ちが人間味あってよかったです。 ただ鑑賞していた映画館が上映中に暖房が止まらずとても暑く汗をかきながら観たという悪条件ではありましたが、それでも一瞬たりとも目離せずじっくり観ました。 愛は見た目で判断すものじゃないってことがよく分かります。 カップルではあまり観るような作品ではないかもしれません。(笑)
どこか奇妙なんだけど、物凄く良かった。
「シェイプ・オブ・ウォーター」字幕版で鑑賞。 *概要* ギレルモ・デル・トロが監督・脚本・製作を手がけたファンタジーラブストーリー。 *主演* サリー・ホーキンス *感想* 前から気になってた作品の一つ。デル・トロ監督の作品はパシフィックリム以来、全く観てません。かなりの話題作と聞いておりましたが、物凄く奇妙なんだけど、美しく、エロくて、切ないファンタジー映画だなって思いました。 言葉を話せないイライザと謎の半魚人が手話を用いて、互いに心と心が通じ合う所が良いです。さすがにセックスするのはビックリしました。(笑) それにしてもイライザを演じたサリ―・ホーキンスは凄い。いきなり全裸になるし、自慰するから驚いた。これは決して変な意味ではなく、とにかく美しかった! R-15だけあって、エロシーンやグロシーンが多め。あの「ボカシ」には思わず笑いそうになりましたw てか、あのシーンいる?(^^; ストーリーに関しては、恐らく好きな人と嫌いな人に分かれるかと思います。個人的に最初は半魚人と障がい者の恋愛には抵抗がありましたが、見始めると、だんだん半魚人が可愛く見えてしまう。。何故だろう…(^^; 総じて、非常に良かったです!どこか奇妙でエロくて、切ない、今まで出会った事がないラブファンタジーではありますが、傑作です!\(^^)/ 物語の結末はここには記しません。あなたの目でご確認してください。(^^)
私たちの愛は水のように
本年度アカデミー賞、最多ノミネートの本作。上映前に批評家からは『美女と野獣』が辿り着けなかった領域へと到達した作品だという賞賛のされ方をしていたが、それの納得の一本。 異形のものと恋に落ちるプリンセスのおとぎ話であることは間違いないが、イライザはベルのような、絶世の美女ではなく(むしろ...)あのクリーチャーも、ハンサムな王子様に変身するわけでもない。自分の姿をありのままを見てくれる者への愛情は水のようにあらゆる形態を取るもの(取りうるもので、取るべきものだ)で、自由なのだという、デルトロ監督からの普遍的で優しいメッセージ。 『スリー・ビルボード』とはまさに極値同士の関係とも言える。
大人向け
外見にこだわらない愛の話 大人のファンタジーです ナチュラルにエロシーン多い 音楽とカラーリングが大好き。ラストシーンは超良かったです、うるっとした。 まあ面白かったんですけれど、もともと恋愛映画自体が苦手だからなのか、自分の好みとはちょっと違った。 例のボカシはボカシ騒動を思い出してあんなシーンなのに吹き出してしまった。 「ここか!」みたいな。早く忘れたいです。
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