シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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あなたが見えなくても気配を感じる
大方の予想を裏切ってアカデミー賞作品賞をゲットしたその日に鑑賞。確かにこんな特撮映画が認められるというのは驚きである。これが取れるならば、或る意味日本だって、こういう着ぐるみ作品は仮面ライダーから脈々と歴史があるのだから、得意分野も相俟ってチャンスが広がるのではないだろうかと、期待したりもする。
ま、とはいえ、流石ハリウッド作品なので、その辺りの画質、劇伴、細かい演出等、なかなか敵わないだろうとは思うのが残念ではある。
『人生は失敗の積み重ねに過ぎない』。そんな格言で溜飲を下げるしかやるせないマイノリティの面々が集まる登場人物。そんな肩身の狭い第2次世界大戦中のアメリカを舞台に、半漁人と聾唖の女性のラブストーリーがコンセプトである。ストーリー展開は至って簡単であり、そのラストもかなりファンタジーであり、サスペンス味もかかっている。ちょいちょい出てくるエロネタもクスりと笑わせる。映像効果も『水滴のランデヴー』なんて、中々粋である。決して難しくない作品であり、R15は勿体ない内容である。その時代の差別問題もキチンと織込まれていて、というか、テーマそのものではあるのだが、そんな中でも抗い、思いを成就させてようとする勇気も又、ハリウッド映画そのもののテーマなのであろう。『砂漠の女王』が劇中内作品で上映されているのもそんなユダヤ的発想なのだろうか?監督はメキシコ人なのだが・・・
最もハリウッドらしい作品として、お手本のような出来映えに、スタンダードとしての位置づけを与えられたと思い、惜しみない拍手を贈る。
美しくはある
面白い映画だった
物語としては孤独な喋れない清掃係の女性がその仕事場(軍の研究施設?)にやってきた奇妙なモンスターと交流を深め、彼の為に脱出を企てる。
そして、彼等は結ばれるが別れの時は迫り…みたいな話かな?
モンスターとの交流を深めていくあたりはどこか微笑ましく、観ているとモンスターが愛おしく感じる(この辺がさすがデルトロ監督といったところか)
徐々に交流を深めていく中で2人の心を通わせていくわけだが、この辺どうにもあまりにも急激というか劇的というか、2人があそこまでになるというのがどこか急すぎるというかなんというか…(彼女の表情が徐々に豊かになっていくのは良かったけど)
他に仲間もいない孤独な彼と、彼女自身がお互いにシンパシーを感じてる?運命?と言えば、美しいのだろうがこの辺の心の機微がどうしても読み取れない(勉強不足は認めます)
隣人の画家の老紳士や同僚の女性もとてもステキなキャラクターで主人公を支えてくれる。
また、悪役とも言うべき警備主任の変態じみたサディスティックで高圧的な態度も嫌らしく、彼の不快感(そしてどこか愚かな)感じが出ていてとても良かった。
脱出劇はどこかスリリングで有り、彼と結ばれる彼女の淡い恋模様?はどこか愛おしく純粋な心地。
警備主任が迫ってくるラストにかけては緊迫感もあり、色んな映画の色を魅せてくれる。
モンスターも純粋ゆえに時に愛らしさ、時に獰猛な一面を見せるのも魅力的である。
彼女の首の傷が最後にああいう形に結実したのも驚いた。
どこか美しくもあり、愛おしくなるような繊細な映画だったかなと
色調が素敵
日常に寄り添った夢見心地なシーンがとても素敵で惚れ惚れしました。デルトロ監督の持つ独特の世界観が好きで今回も期待を裏切らず、本当に彼が信じていたものを受け入れてくれる相手が今回はオスカーだったというのも最高で喜ばしいです。
色々好きな要素がありますが、中でも色調がよかった。物語が進むにつれ、半魚人の彼に恋するイライザの服がブルーからレッドに変わり最後には水中をも自分の血で染めるのは現実から離れ恋に燃えている証拠。
ジャイルズが最初に描いたゼリーの絵は赤だったのに、失恋した時なんて緑のゼリーを描いていたのもなんだか切なくて胸がキュッとする。
ティール(淡い緑)という色が出てきますが、ほとんどのシーンがこの現実に支配されているんですね。ストリックランドなんて幼少期から好きだという緑の飴を最初からずっと処方されたように現実を飲み込んでいるし、後半はティール色の車を破壊されてしまう。
この物語はジャイルズの語りで始まり終わるけれど、その後誰かに話したのかもしれないし本当に彼等は結ばれたのかは本人は知る由もないけれど彼の信じる力がそうさせたのだと思う。
あの2人のその後を信じるかでジャイルズもまた救われているのだ。
鑑賞後、2人のように水中を漂うような浮遊した気分に包まれてとてもいい夢を見ていた気持ちになりました。
優しくて繊細な映画だったな。色調のアクセントも素敵だった。デルトロ監督おめでとうございます!
とても台詞数の少ない、終始エメラルドグリーンが美しいデルトロ節炸裂...
アカデミー賞4冠!!
見終わったらあったかい心持ち
アカデミー賞作品賞受賞おめでとう‼️
半魚人(!?)でアカデミー!このストーリーは!
アカデミーの最有力ということで見に行ったが、驚いた!
(で、これを書き加えていたら受賞・・・)
いわゆる「半魚人」(!?)でこのストーリーを作るとは恐れ入った。
展開の中に、全部網羅的要素を入れ込んだのに、全くおかしくはない。
縦線と横線が、うまく流れている。
水の中でしか感じないエクスタシー。首の傷。
体を流れる、無形の水。
言っちゃ悪いが、サリー・ホーキンスは決して美人とは言えない。しかし、だからこそ、何かに引っかかる雰囲気が、もどかしさが、自分に自信が持てない女性の雰囲気は、あまりにも上手に描き出されていた。
自分の心を打ち明けられるのは、これもまた周囲から見れば「異」なる者。
誰でもない者は、誰かでありたいと思う者、何某かのものであらねばと願う者の刃の力を、流麗にかわす。
水は形が定まらぬが故に力強い。
不思議な生き物(カテゴライズされない者)は、名付けを拒否した時に、初めて力を持つ。
昨年度のアカデミー。「ムーンライト」に「ラ・ラ・ランド」が加味されれば、「シェイプ・オブ・ウォーター」になるだろう。
だから、これを奇妙奇天烈とは言わず、ファンタジーと言うのだろう。
ゆで卵をたくさん食べよう♪
ギレルモ・デル・トロ監督って、面白い…と思う。「私は現実逃避的な物語は書かない」との事。
観る前の予想…とは違い、ファンタジーファンタジーしてはいなかった…(^_^;)主人公の生活は、孤独だけれど万事てきぱきとしている…。
ほかの登場人物はみなコミュニケーションの問題を抱えているが、声が出せない主人公のイザベラは大丈夫そう♪そして、眼差しがいい。
冷戦時代を舞台にした本作には、ロシアのスパイが登場してイライザと半魚人の運命に影響を与える。それが現代のアメリカで起きていることを示唆している…?!
1962年はアメリカでおとぎ話が終わった年らしいが、ゆで卵はたくさん食べたい♪
蛇足ですが……今年の日本アカデミー賞で、最多6冠を獲得した「三度目の殺人」の是枝裕和監督(55)の過去作品の『そして父になる』の主演も福山雅治(49)だが、この作品中の、妻が夫(=福山)に卵を食べさせない理由が…、間違っている
このワンシーンだけは、撮り直して欲しい!!!(間違った認識が広まらない様に……)
奇しくも、是枝監督は1962年生まれだ…。
何はともあれ
美しい水と雨に浸る
SFとスパイサスペンスをファンタジーとしてまとめ上げた佳作だと思います。
初めの頃半魚人とヒロインのイライザがコミュニケーションするシーンがあるんですが、
考えてみるとどうしてイライザがこんな異形の物に興味を示したのか全く理解不能なんですけども、
でもこのシーンがすごく良くできているので疑問を抱く暇もなくイライザに感情移入させられ、
その後はもうドキドキハラハラしながら物語の行方を見守る自分がおりました。
イライザ役の女優さん、演技上手ですよね。抑えた演技なんですが、感情移入せずにはいられない。言葉が喋れないという設定も秀逸でした。応援せずにはいられない。
黒人のお掃除婦のお友達も最高でした。大活躍です。
映画のテイストはひと昔前のアメリカ映画というかんじで、僕は若い頃のスピルバーグ作品を思い出していました。
ハラハラドキドキなんですが、絶対にバッドエンドで終わらせない。
スピルバーグに似た優しさを持った映画でした。
そして、美しい水。雨。
イライザと共に、水と雨に浸ってください。
良い映画だが傑作とまでは...
米ソ冷戦を背景とした「掃除のおばちゃん」と「半魚人の怪物」の純愛物語。
惜しいなと思ったのは以下の三点。
・イライザが美人すぎ
この映画で言いたいことは「恋愛とは容姿ではない」ということだと思うのだが、それを語るにはヒロインが美人すぎ。裸きれいすぎ。それと老人にモテすぎ。
・イライザと半魚人が惹かれあう過程がよくわからない
イライザが半魚人に惚れた後の描写は素晴らしくて、そりゃ主演女優賞にもノミネートされるわなと思ったのだが、そこへ至るまでの過程が少なすぎじゃないか。
スパイ映画ばりの描写の方はどうでもいいから、こっちを膨らますべきじゃなかったのか。
・イライザと半魚人のセックスは省略ですか?
ストーリーに関係しないどうでもいいセックス描写はあるのに、なんで肝心のこっちの場面の方は所謂「朝チュン」で済ませちゃってるの?
これがあるとないとでは全然違う映画になるんだけど。
監督がやりたいことがブレちゃったのかなぁ...
ラストはしんみり感動しましたが、惜しいなと思いました。
秀逸なダークファンタジー
グロテスクで美しいダークな映像を一見ミスマッチな60年代のポップな音楽が醸し出す独特なダークファンタジーワールド。
赤ちゃんの頃に川に捨てられていた孤児で掃除婦の主人公。首の横につけられた傷のせいで声を出すことができない。
アル中で会社を首になった初老の画家。
アマゾンで捕獲された半魚人。
謎のファンタジーがかったオープニング。
予想を裏切るエンディング。
彼女の両首につけられたあの傷はそう言う事か、だから喋れないのか。
全てが腑に落ちた瞬間は鳥肌たちました。
ディズニーの爽やかなリトルマーメイドや美女と野獣もいいけど、こんなダークファンタジーも捨てがたい。
不幸の塊のような主人公がどんどん怪しげに輝きだす。不気味な半魚人がどんどん素敵に見えてくる。悪いやつの指がどんどん腐ってく。この監督すごいね。
見る人をとても選ぶだろう今作がアカデミー賞などという光の当たる場所で賞をとるって凄いよね。たくさんの人達にこの映画の良さが伝わりますように。
世界観に浸る
監督、ロマンティストだったんですね
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