シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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ギレルモ・デル・トロの「お伽噺」
まさかギレルモ作品がアカデミー賞とは、初日の公開時はシネコンでも扱いがやや小さめだったがこれで多くの人が興味をもってもらえれば幸い。
アラフォー女性と半魚人のラブロマンス、これがディズ○ー作品だったら「半魚人の正体は美少年でした」とか「最後に奇跡が起きて…」みたいになるのだろうか?
しかしそこは我らがギレルモ・デル・トロ、モンスターは最後までモンスターとして描いてくれています。
今までのギレルモ作品からもう少しハードな内容を期待しているとやや情緒的で単調が人によっては物足りなさを感じるかも?
途中のミュージカル調のシーンはギレルモ流のガンダムハンマーなのだろうか?(これは単なるお伽噺なんだよ)
ふーん、って感じ。
マイノリティ
沢山涙を流したことを、良い映画の指標にするのは安直な様で好きではな...
異形の愛
融和
期待外れ
ファンタジー
良かった。ファンタジー。アカデミー賞は意外だった、作品賞はスリービルボードだと思ってた。ファンタジーで現実に対抗するような、感じがして良かった。夢とか愛とか対マッチョなもの、みたいな、でもストリックランドのキャラクターが1番強烈で、だからマッチョな現実が結局は勝利していないか、というような批評を読んで、そんな気もしてきた。
タイトルなし
傑作ではあるが...。
半魚人と、口のきけない中年女性との恋物語。ギレルモ・デル・トロが子供のころに創造したストーリーが原案だという作品で、彼らしいよなあと頷ける部分も多数あり、映像の美しさと魅惑の音楽とストーリーが相まって、傑作であることは間違いない。が、デル・トロ作品に蠢くダークでファンタジックな部分が薄まったのは残念。この題材に必要か?って話もありますが、個人的な好みを言えば、デル・トロ作品としては中の下くらいかな。ギレルモ・ナヴァロが撮影していないのが大きいか。独特のダークなフィルターが無くて物足りないが、美しい映像は完成度が高いとは思いますが...。ヒネリの効いたプロットが多い昨今、このストレートすぎるストーリーが物足りないかなー。ノスタルジックな映像と音楽は、ウッディ・アレンの方が上。デルトロ作品となるとちょっとカラくなってしまいます。俳優個々の役どころも予定調和かな。一番の見どころは、「テイク・シェルター」に代表される神経質で気弱なお父さんキャラ的な役どころが多かったが、「ノクターナル・アニマルズ」と今作で、檄悪毒キャラ道を絶賛突進中のマイケル・シャノンが素晴らしい!サム・ロックウエルとの毒男対決で、助演男優賞は彼に取ってもらいたかったなあ...。
恋愛、ファンタジー、SF、怪獣、ミュージカル、ホラー、サスペンス、バイオレンス…
思い入れタップリ
その世界観を実現する為に凝りに凝ったギルレモワールド。2度目の鑑賞。キュートなのかグロテスクなのか分からない世界。セットもコスチュームもこれを実現する為に徹底的に練り上げられている。
ヒロイン、イライザは夜間清掃員の中年女性。夕方に起きて仕事場に向かう。物語はそこで展開する。夜の物語だ。夜間清掃の仕事をする人たちは黒人やヒスパニックのマイノリティばかり。イライザが“彼"と出会うのも夜。暗いラボの中で2人は交流を深めていく。
そこに昼の世界からやって来るのがストリックランドという役人。彼は出世の為にここに居るが本来ならこんな時間は柔らかいベッドの上で眠っている人間だと思っている。早く結果を出して昼の世界に戻りたいのだ。
やがて“彼”は軍事目的の為、解剖されることに。イライザは“彼”を助ける決意をする。そしてイライザを助けるのは掃除婦仲間のゼルダ、秘密を抱えて生きる隣人の画家、国家に捨てられたスパイ。皆夜の住人。
ヒロインのサリー・ホーキンスはキュートに見えたりグロに見えたり。声の出ない孤独なヒロインが恋した彼を助ける決意をするところは名シーンとして記憶されるだろう。このイライザ役はホーキンスへの当て書きだそうで、なるほどと納得。イライザは意外にタフで、その辺りを心得て表情だけで表現するホーキンスは見事。
クリーチャーの“彼”も美しく見えたりグロに見えたり。その境界を行ったり来たりするのが面白い。スーツアクター、ダグ・ジョーンズの動きはただただ美しいけどね。
贔屓のオクタビア・ジョーンズはいつも通りのお節介なオバさん役だが、今やこういう役は彼女しかいない。今回はヒロインが喋れないからセリフを全部引き受けている。
イライザと“彼”を取り巻く人たちの中で唯一の悪人ストリックランドはやや戯画化されすぎているが、演じるマイケル・シャノンが上手いので笑わないで済む。早く昼の世界に戻りたいと常にイライラしている感じを巧みに醸し出す。差別する側に立つ傲慢さが溢れている。
夜の世界の街灯、朝日が差し掛かる部屋、埠頭の夕日が切なく美しい。古き佳きハリウッド映画の世界。イライザたちの仕事場であるラボは旧い怪奇映画のムード。数多の映画に対するオマージュ満載。撤退的に創り上げられたギルレモワールドはそれだけにコッテリ味で、俳優の演技も濃厚。現在の政治状況に対する主張まで盛り込んでいるのでいささかもたれると感じるひとがいるかも。
見事な作品なので濃厚な映画世界に浸りたいときに観るべき。
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