シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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美しさが光る
デル・トロ版美女と野獣…なのだが、他にも色々と似ている映画はあるらしい。プロットはある研究所の実験体に同情、恋してしまった人間がそれを逃がすという単純なものなので、さもありなん。 ではデル・トロならではの特色は何かというと、やはり鬱蒼とした雰囲気を持った画と展開、登場人物の心理描写、そしてモンスターのデザインだろうか。全体的に暗いからこそ、ここぞという場面で明るい感情が際立つ。それがいい。美しい。 美女と野獣の交流シーンはとことん明るい。明るいのだけど、雰囲気はどことなく暗い。そう感じるのは、研究所員たちの実験、会議シーンは逆にとことん暗く、野獣への心配が付きまとうからだろう。 常にこれから先どうなるのか?ハッピーエンドになりうるのか?と不安にさせる作りになっており、悦びに溢れたシーンが出てきても安心はできなかった。 ゆえに、ラストもハッピーエンドに見えはするのだが、パンズラビリンス同様、現実なのか?妄想なのか?それがわからない。しかし、幸せになっていてほしいと、美しいラストであったと、そう願う点は皆同じだろう。 パンズラビリンスが好きならきっと楽しめる…というのもちょっと違う。多分に別の要素が入っている。むしろ、デル・トロファンではない、初心者向けの映画であると思う。
王道ストーリー
研究所に連れてこられた実験体がひどい目にあわされている!
偶然それを知った何者でもない主人公があくまで実験体は研究対象だから殺したくないという科学者の力を借りて助け出す!
パシフィックリムもそうでしたが日米のSF作品を見ていたら
序盤見ればどうなるかわかるテンプレストーリーです。
意図的なジャンル映画なので何かの映画に似てる!と批判するのはちょっと違いますかね…
オタクは自分の想像したストーリーとの違いと演出を
あまりSF好きでない人は古典的な話の中に現実の問題をリンクさせて楽しむ
そんな映画
アカデミー賞受賞はLGBTの扱いあたりが評価されたんだと思いますが
マイノリティーは差別されている存在だが普通の人間である的な描き方はあまり今までと変わってないなと思った。
最近の日本のSFアニメなんかだとレズもゲイも黒人も出るけど
誰もそのことを気にしないし作品のテーマにも据えないという形で
マイノリティが普通に生きられる世界を描くのでそちらの方が好きな表現
美女と野獣に不満がある人は、是非
醜い姿をしていても心が綺麗ならという昔からの御伽話は矛盾があるということで監督が作った映画ですが。
公開前から気になっていたこともあり、楽しみにしていました。
原作のノベルズがかなりのボリュームで、そちらだとフィッシュマンが捕獲される経緯だけでなく登場人物達の心理なども細かく書かれています。
やはり、時間制限とか詰め込み具合も色々ありますが、映画はポイントと大事な部分は捉えていると思います。
今まで半漁人というと、不気味な姿でいかにもクリーチャーというビジュアルでした。
でも、この中に出てくる彼はハンサムです、すらりとした体型で水中を泳ぐ姿は神秘的な感じさえします。
ヒロインだけでなく、画家、科学者、彼を美しい生き物と表現します、そう、キラキラと光る体、鱗はスクリーンで観ている自分でさえ思います。
世間で拒絶され、虐げられた人たちが彼のありのままの姿を見て、受け入れて美しいと素直に思えるのに、それができない人もいる。
死の直前、「おまえは神か」と再起を迎えた男。
多分、ストリックランドの頭の中は理不尽さで一杯だったと思います、これは間違っている、自分は人生において、いつも勝っていたのにという信じられない、初めての敗北感。
そこに家族に対する思いがあったのかと思うと、少しやりきれない感じもします。
そして最後の水の中のシーン、これ永遠を切り取った、幸せの時間なのだと自分では思っています。
ファンタジー映画ですね
アカデミー賞たくさん取りましたねー。 好みの内容ではないのは明らかだったのですが、見に行きました。それでこそアカデミー賞の成果ってもんですよね!見に行くはずのない人までもが映画館に足を運ぶ。。。 ロマンティックな内容の映画です。 そういうお話が好きだとか、クリーチャーを特撮ではなく作り上げて実写していくという熱意がいいとか思う人にはすばらしい作品なのではないでしょうか! 個人的に、撮影技術云々には大して興味がないし、ロマンティックストーリーにもラブロマンスにも興味が無いオバチャンの私としては、「ふーん、、、」っていう感じの映画でした。 夢のないアラフィフになったもんだぜ。ふん。
う~ん、残念な映画
予告編とアカデミー賞で期待していたが、あまり感動もなく、悲しくもなく、騙されたような残念なB級映画。 関係ないシーンが多く、ボカシも笑えず、予想外の展開もタランティーノ風では無く、うーん、アカデミー賞って何なんでしょうね?強いて言えば、ウルトラマン的特殊効果は昔の懐かしい感じだった。
高クオリティ
お話がどおとか、テーマがどおとか言う前に、紡がれる画面の美しさに息を呑む。
そのアングル!
そのフレーム!
その照明!
…よくぞそこまでのクオリティを維持したと感嘆する。
物語はなんだか、どこかで読んだ事があるようなないようなな感じではあり…芯を外さない感じ。
異人種というか異生物であり、共通の言葉というコミュニケーションツールを持たない恋人たちの話…で、いいのだろうか?
文字に表すとなんだか幻想的でもある。
なのだが、作品中の恋愛模様は中々に生々しい。初Hの模様を恋バナの如く語る様はパワフルでもある。
まあ…魚に欲情できるかどおかの話しは、一旦置いといてだが。
まあ、色々あって彼女は不遇なる世界を捨てて、愛するパートナーと新世界に旅立ったみたいな結末。
「愛」は全てを凌駕するのだ!
今回凌駕していった数々は結構凄かった!
猫を食っても色褪せない!
生殖器がグロテスクに出現しても、なんのその!
というか…愛は盲目って事で説明できちゃうのだろうか。力技やなあ。
物語は既存ながら、それをデコレートする全てが高水準すぎる事に驚きを隠せない。
映画らしい映画
映画らしい映画で大満足です。物語の筋として、イライザが恋に落ちる過程がシンプル過ぎて途中までハテナが浮かびましたが、男女の恋や愛の類とはそういうものなのかと妙に納得してしまいました。そう思わせるのは、ディテールにはリアリティをしっかり表現してる為と思います。まさかヒロイン・イライザの出勤前の日課まで描くとは。
仲間には恵まれていますが、障がいもあり変わらぬ平坦な毎日の中で侘しさを抱えている状態なのですが…テレビの中の女性シンガーが、歌を歌っている場面が映し出される場面がありますが、そのシーンのみで湧き出るような孤独な女性のさびしさ、を表現していたり、2人が結ばれた後のあるシーンで、2つの水滴が一つに融合する場面があるのですが、映画特有のメタファーもふんだんで良く考えられており無駄が無い。
追うものと追われるものという二軸も描かれ、間延びしない2時間ほどでした。
おそらくストリックランドはトランプ大統領をイメージして人物描写をされており、ゼルダ、ジャイルズもマイノリティ。ほかの映画を引き合いに出すのは良くない事と承知だが、グレイテストショーマンはサーカス(見世物小屋)を人類の賞賛と銘打ち、とってつけたようなポリコレを打ち出したけど、シェイプオブウォーターの様な見せ方の方が入りやすいなと思いました。
確かにそこまで入り組んだ脚本ではありません、すごい分かりやすいです。ただ冒頭に書いた映画らしい映画、というのは、私たちにとっても理解できる大衆性と、映画でしか表現できない芸術性、わざとらしくならないメッセージ性のバランスで成立するものと思うのです。
全体的にグリーンの色合いを強調していたり、音楽もよく、一貫した美意識で統一された世界観が描かれておりアカデミー監督賞、作品賞も納得でした。パシフィックリムやパンズラビリンスではそこまでこの監督に興味を持てなかったのですが、本作は監督の意志・価値観・美意識がちゃんと結実しており、ギレルモデルトロの完成品と言えるものかと思います。監督の本作への愛と本気度を感じられる…
俳優の演技も素晴らしいので、ぜひおすすめしたい映画です。食わず嫌いしないで見てみて!!
「気配」を描く
ワクワク、ハラハラ、ドキドキ、ジーンが詰まった傑作映画だ。 監督が幼少の頃に憧れたであろう60年代のアメリカを舞台に、「愛の気配」「性の気配」「悪の気配」「抑圧の気配」という形ないものを、形ある映画を通して描きまくったエネルギッシュな作品。 過去の映画作品の気配もちりばめ、人間の業と純粋さの両方を切り取っていく。 異なるものを排除する愚かさ、それが結果として自己を疎外する因果も表現され、現代の社会の風潮に対するアンチテーゼにもとれる。 今年のアカデミーが何故この作品を選んだか。 実際に観賞して初めて理解できた。
私的にはパシフィック・リムで既に総ナメ!
沢山の受賞、おめでとう!映画館へ向かうエレベーターの中で「え?カッパの話し?」「カッパと人間の女の人が恋愛するハナシなん?」と言っていた女子二人。世間の認知度はまだまだと痛感しました。頑張れカッパ! もうじき公開になる「パシフィック・リム」に夫婦で友情出演していたら、嬉し過ぎて泣くかもね。もちろん、イエーガーを助けるカイジュウだ!
所詮アカデミー賞をとる作品なんてこんなものでしょう
所詮アカデミー賞をとる作品なんてこんなものでしょう・・・・ ある意味、この手の作品を見る度に、自身にが芸術的センスがないのかと絶望することがあるけど、意外に周りも同じような意見もあるし、この手の映画は開き直って見るようにしている。 ま、特につまらないと言う映画ではなかったが、しかし、凄く面白いと言う映画でもなかった。 ある意味、人の繋がりは形ではない的な要素として作った人間ドラマなのかな、相手を極端に進化させ、互いにハンデがある者同士だから、純粋に愛し合えるコミュニケーション出来ると言いたげなんだろうが、もっと違う表現も有った思うけど・・・ 「ET」もそうだったけど、人と違うモノは、本来あっさり受け入れられないモノじゃないかな・・・ま、そこが映画なのかもしれない・・・・ また、本作品、ある意味コミカルに、ファンタジー風に、時代背景もある意味別の角度から見ればなかなか工夫して出来ている。 違う意味で言うのなら、おとぎ話かな・・・・・ しかし、半漁人ですが、良く出来ていたな・・・・ 昔の「半漁人」が人を襲うパニック映画なんてまた見てみたいな・・・
最後まで結末が読めなかった
アカデミー賞で話題になった意味がわかった気がする。 最後まで2人がどうなるのか予想できず目が離せなかった。 お互い言葉ではなく気持ちで惹かれ合っていくのがステキだった。 全体を通して芸術的な印象を持つ。 見え終えた後ジャケット写真が心に残った。
子どもに見せたい映画だったらよかったのにな。
自慰やモザイクがつくぐらいの性描写がさぁ。 子どもに見せたいくらいの、わかりやすい素敵な作品だと思ったのだけれども。 シンプルな異類婚姻譚とか、そういうファンタジーだったらよかったのになぁ。
多分監督とそりが合わない
映像は見ていて楽しかったし、見てよかった作品だけど面白いってほどではなかった。
監督はそれがやりたかったみたいだけど、個人的には半魚人と主人公が惹かれる過程が短すぎて、なんかしっくりこなかった。乱暴な言い方をすると、ゆで卵で餌付けして音楽かけてはい懐いたーみたいな笑
最後は半魚人と一緒にいれるようになったエンドかと思ってたけどそうじゃない解釈の人もいるみたい。
洋画にありがちな古い映画のオマージュや楽曲の使用が映画ファンを唸らせたのかもしれないけど、私にはよくわからなかったから誰かに解説してもらいながら観たいかな笑
主人公の友人の黒人奥様はとても魅力的なキャラクターだった。
雰囲気系!
切なくも幸せな恋物語。
緑がかった情景にシャンソン、すてきです。
主人公の女優さんはどんな役でもいつも愛嬌があり、好きです。
半魚人はかわいい目をしていた。
必要のないシーンもありましたが、個人的には半魚人との逃亡シーンでキャデラックを破壊したことが面白かったです。
どんな生き物も独りでは生きていけぬ。
人には親切に。助け合い。
アカデミー作品賞受賞は謎でした。
助けること
世界中でdisやヘイトが溢れている昨今、単純に誰かを「助けること」がこんなにも尊いことだったんだ、美しいことだったんだということを思い出しました。その誰かとは、もしかすると私の家の隣に住んでいる人かもしれないし、他国に住んでいる人かもしれません。 暴力と権力の象徴として描かれている軍人がいくら差別を煽りマイノリティを排除しようとしても、私達には誰しも「助けたい」という感情があるはずです。そんな感情を少し忘れてしまっている現代ですが、劇中のイライザ達を観ていると、少しずつ少しずつ思いだせるはず。私は、この助け合いがあるからこそ、今生かされているということを。 それはアマゾン川に住んでいても、東京に住んでいても、障害があっても、ゲイであっても、アフリカ系の女性であっても同じです。マイノリティと呼ばれる彼らを表舞台に出すことにより、デル・トロの祈りが聞こえてくるようでした。
異種間恋愛のリアリティー
『パンズ・ラビリンス』のデル・トロ監督がまたファンタジー色の映画を作ったと言うことで観に行った作品。
見る前から下手に予備知識的なもの入れてきてしまったからか、予備知識を確認する作業に入ってしまい、どことなく感情移入ができない。(下手に色々聞かない方が正解だった💧)
初めから主人公が自慰行為をしていたり、悪役の妻とのセックスシーンを見せつけられたりと、そこそこ性的シーンが多く、単なるファンタジーではないなと序盤で感じた。(そりゃ~年齢制限ついているからそこそこあるわな。)
異種生物に対してかわいいやかわいそうといった感情が出てきて、助けたがるのはわかるけど、異性として魅力的に感じるのが、いまいちわからなかった。
私自身が半魚人を動物としてしか見れないからか?
家に匿った後に同僚に打ち明ける半魚人との行為に関しても、すんなり受け入れられない。
最後、主人公が撃たれた後に半魚人によって海のなかに一緒に連れ込まれ、主人公の女性が首の傷からエラ呼吸をし始めるのを見て、同じ種族だったからこそひかれたのかと少し納得できた。
内容は少し理解しがたいものだったけど、音楽もレコードやモノクロテレビの音源を使ってシャンソンの音楽をながして雰囲気を盛り上げたり、主人公が見つめるバスの窓ガラスの二つの水滴が重なりあってひとつになって歪んだ画像から次のシーンが写る演出などは素敵だった。
途中、主人公の妄想で歌って踊り始めたときには『ダンサー・イン・ザ・ダーク』かと突っ込みたくなったけどw
唯一無二のイマジネーション
ファンタジーなれど、上司のパワハラ、権力争い、障害、孤独、異なるものへの差別など、身近にありそうな問題のメタファーが満載。その中にあって、ヒロインの勇気と異なるものへの愛は美しいです。映像も美しい。唯一無二のイマジネーションで創りあげたデルトロ監督ワールドが楽しめます!
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