「傑作ではあるが...。」シェイプ・オブ・ウォーター foxheadsさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作ではあるが...。
半魚人と、口のきけない中年女性との恋物語。ギレルモ・デル・トロが子供のころに創造したストーリーが原案だという作品で、彼らしいよなあと頷ける部分も多数あり、映像の美しさと魅惑の音楽とストーリーが相まって、傑作であることは間違いない。が、デル・トロ作品に蠢くダークでファンタジックな部分が薄まったのは残念。この題材に必要か?って話もありますが、個人的な好みを言えば、デル・トロ作品としては中の下くらいかな。ギレルモ・ナヴァロが撮影していないのが大きいか。独特のダークなフィルターが無くて物足りないが、美しい映像は完成度が高いとは思いますが...。ヒネリの効いたプロットが多い昨今、このストレートすぎるストーリーが物足りないかなー。ノスタルジックな映像と音楽は、ウッディ・アレンの方が上。デルトロ作品となるとちょっとカラくなってしまいます。俳優個々の役どころも予定調和かな。一番の見どころは、「テイク・シェルター」に代表される神経質で気弱なお父さんキャラ的な役どころが多かったが、「ノクターナル・アニマルズ」と今作で、檄悪毒キャラ道を絶賛突進中のマイケル・シャノンが素晴らしい!サム・ロックウエルとの毒男対決で、助演男優賞は彼に取ってもらいたかったなあ...。
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