「やっぱり酷かった・・・。」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け superMIKIsoさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり酷かった・・・。
前作が余りにも酷い出来だったので、全く期待せずに観に行ったらやっぱり酷かった。
個人的にスターウォーズシリーズには大きな思い入れがある。
1977年5月25日に第1作目が全米公開された。(当時は日本では惑星大戦争というタイトルで宣伝されていた)全米公開から一週間位した時に、テレビでデススターからルークたちが逃げるシーンを紹介していて、それを見た時椅子から転げ落ちる程驚愕した。
それまでも数多くの映画を観てきたが、あれほどの衝撃は後にも先にもない。その瞬間から私の頭の中はスターウォーズ一色になってしまった。それから日本公開はなんと1年以上後先の7月だった。今ではとても信じられないようなのんびりさだが、本編を鑑賞した時、遂に映画は新しい時代に突入したと確信した。
スターウォーズの何が凄いとかというと、何といっても特撮のレベルの高さ。ダイクストラフレックスという、コンピューター仕掛けの画期的な撮影システムにより、何重でも映像を重ねられる。その多重撮影による映像は当時の常識を完全に超えていた。
それ以外にも前後に音を移動させるドルビーステレオを全面的に取り入れて、映画の音響技術を何倍にも高めた。その後ドルビーデジタルやドルビーデジタルEXなどに進化していった。
スターウォーズシリーズは新作が公開される度に、その後の映画製作を大きく革新する技術を提供してくれた。現在のデジタル撮影、上映もスターウォーズのEP1が先駆けだ。
ところで今回の完結編だが、評価に値しないのは、まずこういった革新性が皆無というところだろう。ごく普通の特撮満載映画に成り下がっている。
第1作目が公開されて大ヒットした後、ジョージルーカスはスターウォーズは9部作だと発表した。その時最後の3作はルークの後世代の話になると語っていた。その言葉を踏まえると新3部作はルーカスの構想に沿っているような気はする。しかし彼はすぐにスターウォーズは6部作になると訂正していた。余りに長いと作るのが大変だからと笑うような理由を言っていた。つまりジョージ・ルーカスにとってのスターウォーズは6部作で完結しており、この新3部作は大人の都合で無理矢理作られたと考えるべきだろう。
それにしても本作の内容はもう行き当たりばったり、支離滅裂、まともなストーリなどどこにもない。よくここまで無茶苦茶な映画を作った物だと逆に感心してしまう。
説明不足なのか良く分らない部分が多いのだが、皇帝ってEP6でダースベーダーに殺されてたんじゃなかったのか? なんで堂々と出てきているんだい? 生きていたとしてもレイのお爺さんなんて設定は、本来前作で明かされておくべきなんじゃないかと思う。そうすれば前作も少しは評価が上がったかも知れない。(まあEP5のパクリになりますが)
本作もスターデストロイヤーにデススター並みの惑星破壊機能が搭載することで、銀河を手中に収めるのを反乱軍が阻止するという内容にすれば分かりやすかったのにと思う。(EP6のパクリですが)いきなり惑星破壊シーンが出てきても、何んでこうなった?程度の疑問しか湧かない。その後その装置を使うシーンが無いとなると、益々必要な設定なの?って思ってしまう。
レイアにしてもあんなに唐突に死なさなくても良かったと思う。キャリー・フィッシャー自身が他界してしまったからあんな設定にしたのだろうが、それこそCGでも何でも使ってレイアに相応しい最期を描くべきだったと思う。
宇宙空間で宇宙服もヘルメットも無しでなんで戦えるんだ?なんて疑問はとても些細なことなので、気にしてはいけません。それぐらい本作には変なシーンが山積みです。
旧3部作のEP6が公開された時、先行オールナイトロードショーというのを観にいった。エンドタイトルロールが流れると、観客から大拍手が舞い起こったのを今でも覚えている。本作は9部作の本当の最後ということだが、あの時のような拍手を送る気には全くなれない。