「紆余曲折」のみとり侍 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
紆余曲折
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面白い話だった。
上手く練られた構成で、主役の心情の変遷が興味深い。
実直な「家臣」であろうと努める主人公が、理不尽ともとれる君主からの命令を生真面目に受け止め実行する。
そんな中で、それまでの人生では関わる事もなかったはずの人々と出会い、成長なのか変化なのか…自身を開放していく。
ラストでは、天命とも思える殿に対し、正面きって忠信するまでになった。
まあ、そこに至るまでは運命とも幸運ともとれる出来事がありはするのだが…。
全体的には、前半はユルイ感じでスタートし、後半にグッと締まるのかと思っていたらそうでもなかった。
盛り上がりにかけるとも思うのだが…そこは、物語を引っ張る役者陣の奮闘がある。
この辺が好みではないと思う人には辛い鑑賞時間になるのであろうと思う。
様式美を尊重しつつも、挑戦を諦めない演出とでも言おうか。
色使いがとても鮮やかで、照明がとても美しかった。時代口調とでもいう台詞回しがあるかと思えば、突拍子もないトーンで話すカットがあったりと、とっ散らかってる感じにもとれはするのだが…。
サブストーリーのボリュームが、結構大きくて時折迷子になる感じもしたかな。
寺島しのぶさんが、とにかく素敵で…。
美しく、可愛らしく…眼福だった。
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