蝶の眠りのレビュー・感想・評価
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最期までをどう生きるか。切なくも心に刺さる映画
最初は年齢差のある恋愛というものがテーマなのかと思っており正直そのテーマ自身は少し食傷気味というかそこまでの興味がなかった。
作品を観て、ああそうか、この映画は最期を意識した人間がどう生きていくのかということがもっともっと大きなテーマでその中で、ひたすら前向きに進もうとしていくなかで生まれた出会いがたまたま若い留学生とのものであり、お互いに今一番持っていないけど手に入られない部分を補完しあうかのような、単純な恋愛でない絆のような、でもすごく脆いもの。
そんなことを後から理解できたときに、主人公と留学生の映像には直接は出てこないそれぞれの生きてきた道を想像したり、何度も観ることでよりその場面の意味を自分なりに解釈することが出来ました。
圧倒的な映像の美しさ。
日常の場面もこの今の瞬間がとても尊く愛おしいものであるということを画で説得するシーンの数々はとても印象的でした。
中山美穂さん演じる涼子。
病魔と対峙していくなかでの静かで強い決意。内面からにじみ出るような表情は、涼子の人生そのものが伝わりました。
ジェウクさん演じるチャネ。
すごく繊細に青年らしい弱さもまっすぐさも人間らしさも詰まっていて、感情の表現が本当に伝わる役者さんだと思いました。
劇中に出てくる小説のシーンたちも、とても美しく官能的でありながら切ない彩りを映画全体に強く印象づけていました。
大人になった今だからそこ胸に響く、とても上質な作品でした。
映像音楽がとても美しい映画
主人公涼子の生きる女の強さ、チャネの優しさ、愛が溢れた美しい作品でした。音楽も素晴らしいです。
2人が再び出会うラストシーンはぐっときます。
残された時間で何を残せるか?考えさせられました。
俳優さんのファンとして鑑賞しましたが
よかったのかな
記憶を忘れることは若返ること
思っていた以上に面白かった
最後は感動して、ホロッときてしまった
ひょんなことから出会った作家の涼子と、韓国人留学生のチャネ
作家志望のチャネは、やがて涼子の執筆を手伝うようになるが、彼女がアルツハイマーであることを知り…
もしも、自分がアルツハイマーだとわかった時に、まだ記憶が確かだったら、どうするだろうか
多くの人が、生きてきた証を残すのではと思う
その中で、動画や写真や絵を証として残す人もいるだろうけど、涼子にとって、それは小説だった
涼子はチャネに言葉を託し、チャネは言葉を小説にし、彼女が生きてきたことを示す証人となる
そのチャネにとって、涼子は師匠であり、同士であり、恋人であり、母のようでもある
神のみぞ知る偶然の中で出会った二人だが、涼子はチャネを通じて足跡を残し、チャネは涼子を通じて世界に羽ばたいていく
そんな二人の出会いは、万年筆が繋げた運命だったように思う
運命だからこそ、どんなに時間が経っても、気持ちが通じ合えるのだ
涼子の最後の決断に胸が締め付けられながらも
そうするしかない気持ちにすごく共感した
記憶をなくすということは、若返っていくことであり、
時間が経てば経つほどピュアになっていく涼子が印象的だった
だからこそ、この映画のタイトルは「蝶の眠り」でしかないんだろうなと思った
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