点(2017)のレビュー・感想・評価
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【動き出した時間(2)】
ストーリーとしては全く関連がないけれども、映画「アワー・フレンド」のエンディングで、デインがマットの家を後にするのを見て、止まっていた時間が動き出したような感じがして、この作品の中村ゆりさん演じるともえが、ちょっと微笑んで自転車を強く漕ぎ出すエンディングを思い出した。
なぜかは分からないけれど、どちらも、止まっていた時間が動き出したように感じられたのだ。
付き合っていたのかどうかもはっきりしない高志と、ともえ。
進路が違って、所謂、自然消滅したカップルのような感じかもしれない。
なかなか上手くいかない人生。
昔、好きだった人に会いたくなるのも分かる気がする。
夏、自転車、汗。
中村ゆりさんは、こんなに汗ばむ表情が似合うのかと思った。
いつまでたっても、年齢には関係なく、青春は青春のような気がした。
そして、この2人のぎこちない姿が、10数年ぶりに再開した2人をよく表現していて、ちょっと微笑ましい。
それぞれの人生にも、何かあるのだ。
でも、ともえが自転車で風を切り微笑む姿と、高志が自分の映った鏡の姿を見つめるのを見て、止まっていた時間が再び動き出したような気がした。
ちょっとしたきっかけで動き出す時間もあるのだ。
ともえがスカートで脚を組む様を、高志が鏡越しに見ちゃう姿とか遊び心があって笑えるし、ともえのうなじの髪とホクロが妙にセクシーなのも良かった😁
うわー、山田孝之
黒子であり、2人であり、理髪店である
「静」に宿る人間味、石川慶監督のポテンシャルを垣間見る
『Arc』も観たので、せっかくなら石川慶作品を観よう、ってことで鑑賞。短編とは言え、私はもっと観たかったですよ。
この監督さんの特長として、画の静けさに反するような音楽との調和がかなり魅力的。この作品も、全体的に「静」が強いのに、確実に心を動かされてしまう。
山田孝之と中村ゆり。ほぼ二人芝居だが、床屋に詰まる歴史や甘酸っぱい過去の思い出が時折顔を見せる。そして、知らない顔も一緒に…。居心地の悪さを飼い慣らしていくように、いつかの思いを巡るように、雪解けしていく様はどこか惹かれる。
やっぱり派手な世界観に落とし込んで作るより、心の小さな毛玉を取るような作品の方が、石川慶作品は面白く感じる。だからこそ、『愚行録』のようなサスペンスに、『蜜蜂と遠雷』のようなドラマ、『Arc』のような空想的ヒューマンドラマを作れるのだろう。そんなポテンシャルを垣間見れるような作品で面白かった。
色んな点
【”高校時代の恋人の首筋の黒子・・” 切なくて、仄かなエロティシズムを感じる小品。】
ー山田孝之さんも、中村ゆりさんも、とても好きな俳優さんである・・。-
・14年振りに”結婚式のために、且つての恋人“タカちゃん”(山田孝之)が父から引き継いだ、昔ながらの理髪店に入り、
”明日の結婚式のために、首の産毛を剃ってもらえないかな・・”
と且つての恋人、ともえ(中村ゆり)は、言った・・。
◆印象
・静謐で、エロティックな小品。
中村ゆりさんの首筋のほつれ毛が・・、エロティックで・・。
お互いへの、忘れ難き想いを秘めつつ、会話する二人。
タカちゃんが、ともえの項を露わにしたとき、”懐かしき黒子”が・・。
<山田孝之さん、中村ゆりさんの"演技に見えない演技"に魅入られる作品。
中村さん演じるともえに入る電話から、彼女の現在の男との間に、何らかの問題を抱えている事が分かるが・・。
タカちゃんはそれに触れずに、髪の薄いお得意さんの話をする。
”優しいね、タカちゃんは・・。”
明治、大正時代の恋愛小説の様な、素敵な小品であると思います。>
ただのショートフィルム
余韻が素晴らしかった
情緒あふれる穏やかな時間
理髪店が主役
絶妙!
僅かな、しかし確実な変化!!
0が1になる微妙な変化を上手く捉えていたと思います。長さも丁度良いです。タイトルの「点」って、剃った後の毛穴の事ですかね。髪を整えてあげるのは何かお互い恥ずかしくなる要素がありますが、それも相まって適度な距離感が良かったです。
空気感がたまらなくイイ
心理的な良品
dTVにて。このところ事情で休日にビデオを観る時間が無くなり気味だったのだが、偶然、26分のショートフィルムだという。まだ出来上がったばかりの作品だったのか。何を観ようかと選んでいたところ、『好きっていいなよ』とかいう映画の予告をみても、高校生でキスシーンがあるだけで駄目な映画だと私は論じるので、そうした乱倫乱交の映画は閲覧時間がもったいないので辞めたのだが、この映画のほうは、高校時代にどうだったのかはわからないが交際していた男女が14年ぶりに女性のほうが理髪店の男性のほうを訪問して久しぶりに会話するのだが、交際するといっても、とても淡いものだったらしい。高校時代にキスシーンをみせて、おそらく性行為もしたのだろうと推測させるような乱倫な映画よりも、このように淡い過去の男女が年月を経て再会するシチュエーションだけで高質な期待がある。だが途中なのでどういう内容なのかはわからない。ショックを受ける可能性もある。途中でカメラがやたら揺らぐような感じを受けたがわざとなのだろうか。それとも私にちょっと貧血が起きたのか。錯覚か。うなじから背中にかけて女性の毛剃りをするシーンは、私はエロティシズムをそんなに感じなかったが、ピアノの音を流していた。これは淡い恋心と淡い接触の描写だったのだろうか。そして男女は何事もないように別れる。女性はサドルから腰を浮かして強く自転車を漕いで終わるのだが、すぐに女性のロックシンガーの声が流れる。これとのタイアップらしい。時間も多くの映画の4分の1ほどの作品だが、このほうが高校生でキスシーンをする映画なんかよりも見ごたえがあるのだ。ただ、映画のほうに余韻が残ってしまいタイアップ曲がロック調だなと思ううちに終えてしまった。
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