ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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前提知識がなく観たので、ジェレミーレナー主演の硬派ミステリーアクシ...
前提知識がなく観たので、ジェレミーレナー主演の硬派ミステリーアクションという印象だったが、現実的にこのようなアメリカ原住民女性の行方不明が頻繁に起こっていたことを知り自身の姿勢を正した。
たしかに西部劇
詳細な話はしないけど、是非見てほしい
アメリカって複雑な問題を抱えてて、それをポリコネで覆い隠してたんだなって。
アメリカなんかに比べると、日本なんか平和なもんですよ。
インディアン居留地なんてないし
警察が来られないから、銃武装しないと生きられないとか
未来がなさ過ぎて麻薬に溺れるしかしようがないとか(失業率80パーだって
レイプの認知件数なんか30倍くらいちがった
まさに「見ごたえ」の映画
物語、キャラクター、音楽…すごく好きな映画。
アメリカが歴史的に抱える社会的な闇や、ドラッグや性暴力、銃社会の問題など。
主人公のコリーが最後に言う。
「ここにいる人達には、前に進むか諦めるかしかない」
確かに、よそ者であるFBI捜査官のジェーン
は当初から「運」という言葉をよく使っていた。しかし運の良し悪しなんてものは、生きる上での選択肢が多い人だけに与えられたものである、と。
何もない辺境のこの地で人々が死に物狂いで生きていく姿に、恵まれた我々の尺度で形式的な正義を本当に押し付けていいのだろうか。
ラスト以外にも作品のあちらこちらに「名言」が散りばめられている。
見終わった後、身体も心もズッシリくる。
これが映画体験だ!という見本の様な作品。
西部劇
ワイオミング州ウィンドリバー。人里離れた酷寒の地は、インディアン居留地でもある。そこで起きた若い娘の死亡事件。先住民を追いやったアメリカの歴史を背景に、事件を追う物語。
主人公のハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、家畜を荒らすコヨーテ狩りの際に、雪の中に若い娘の遺体を見つける。そこへ派遣されて来たFBI女性捜査官のジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)。この地の状況を把握しないまま現地入りし、コリーに協力を仰ぎ、共に捜査をする事に。
しかし、酷寒の僻地は、厳しい自然が生活に困難さを与えるだけでなく、社会から隔離され、人間の精神を容赦なく蝕んでいて、都会の常識が通用しない。この広くて狭い社会で、法や正義をかざしても、誰も振り向かない。
コリーは自らのやり方で捜査を進め、バナー捜査官も戸惑いながらも、そのやり方を徐々に理解していく。その過程で、捜査に協力するコリーの思いが、彼の過去とともに明かされていく。
ジェレミー・レナーの悲哀を抱えた、強い男の渋さが光り、エリザベス・オルセンの現実主義的な捜査官ぶりがうまく絡みあって、よいテンポで物語を先に運ぶ。酷い現実と厳しい自然が、これでもかと人間を痛めつける様はサディスティックだ。それに加えて暴力とドラッグで、人々は互いに痛めつけ合う。それが淡々として描かれていて、物悲しく見える。夏だから良いものの、これを冬の雨の日に見たらメンタルやられそうな勢いだ。
社会問題を背景としているが、単品のサスペンスとしても楽しめる、出来の良い作品だ。
最後まで静かな緊迫感に包まれた
被害者父親と主人公の心が切り裂けそうな怒りと悲しみが終始ジンジン伝わったストーリーであり、演技力だった😢
これが事実に基づいた話なので尚のこと。
ネイティブアメリカンが今も苦しい立場であることも、改めて認識。😧😠
緊迫感
独特の緊張感と不安を煽る音楽はボーダーラインを彷彿とさせる。メキシコの荒廃した光景がとにかくハマっていたボーダーラインに対し、今作の舞台は雪の美しさと殺風景さ、そして見放されてしまったような絶望さえも思わせる。
全編を通しての緊迫感がすごい。が、その分ラストのオチは微妙。実話なら仕方ないが。
主人公二人の安定感がすごい。
鹿が襲われるのは運が悪いからじゃない、弱いからだ。
舞台はネイティブアメリカンが追いやられた地という時代背景を持つ閉鎖的な町。
張り詰める空気。誰の目線なんだろうという映像に緊張感煽る音。
視覚と聴覚を刺激されるだけで感情は勝手に高ぶるものだ。
白ってこんなにも圧迫感のある色だったんだろうか。
とても面白かった
あまりに殺伐とした話で、見た直後は心にかなりのダメージを受ける。
銃による暴力描写において、射程距離の遠近による威力の差がとても面白く描かれていた。ライフルって凄い。
話が進むに連れて、個人の力では太刀打ちできないアメリカ社会のどす黒い部分が現れてくる。目を背けず見続けるには、主人公の無敵感すら漂う圧倒的な職業能力に身を委ねるしかない、という感じ。また、被害者の父親とのシーンを始め、対話を通じて心を通わせようとする場面も強い印象を残した。
猛暑の夏に心が凍るピッタリな作品!
実話ベースと言う事ですが、構成的にエンターテイメント性もあり、『羊達の沈黙』とまでは言わないがかなり良く練られていて、久々に骨太の観がいのある作品に出会えました。
ワイオミング州、ネイディブアメリカンのミステリアスな雰囲気を残すウィンド・リバーで、心を閉ざし社会に背を向けて生きる主人公、そのパートナーのFBI捜査官を亡き娘にダブらすあたりの細かい演出が本当に見事。
近年、複雑な社会の歪みから、法では裁けず割り切れない傾向の作品が多い中。
ワイオミングと言う人間が生きて行く上でギリギリの過酷な地だからこそ成立する、見事なクライムサスペンスに心が凍り着きました。
ピューマの親子
クソ暑いこの季節に映画館は涼めるが本作を大画面で観ると涼しさが増しキンキンな気分に!?
常に緊張感が張り詰めて不穏な音楽に終始ドキドキで先が読めない展開に渋味のある主人公とW・デフォーの「ハンター」をチョット思い出したり!?
J・レナーは渋くて格好良かったがT・ハーディが適役だったと勝手に思ったり犯人がピューマに食われる最後を勝手に想像してみたり。
嫌ぁなレイプシーンがリアルで犯人に対して観ている側も腹が立ち憎しみの感情が生まれ間髪入れず怒涛の銃撃シーンが圧巻で盾になるような身を守る物が無い怖さが伝わる。
不穏な雰囲気の音楽にピリピリと張り詰められた緊迫感に渋い男同士の葛藤など脚本家として本作の監督デビュー作と一貫して手腕を発揮するT・シェリダンには今後も期待するベシ!!
復讐劇なの?
ある少女の遺体が雪山の中発見された、殺された親の復讐かと思いました。
違った、アメリカが抱える問題が全面に出された作品?!
異種な人類が多く生活しているアメリカならではの映画だと思いました。
主人公の役者の悲哀が満ちた良い作品、極寒のロケ地壮大な雪山
景色といっては申し訳ないが良かったです。
痛みと向き合う事で一緒にいられるのだ
殺人事件を追う女性FBI 捜査官と捜査を手伝う男の話。
被害者の死因は、極寒の中をさ迷った事で肺から出血し窒息した、との検死結果。だけど現場は人里から10Km の距離で裸足。
羊たちの沈黙のようなサスペンス風味の冒頭からアメリカの社会問題提起があり、最後は西部劇のような結末。
幸運な者が生き残るんじゃない、強い者が生き残れるんだ。
またお前か。ジョン・バーンサル!
「ボーダーライン」の脚本家の監督作ということで、期待大でしたがヨカッタです。
とにかく、アメリカは広くて深いということを再認識しました。
こういった作品が、単館系でしか観られないことも悲しい。
社会問題を投げかける硬派なサスペンス
極寒の地で死体となって発見された少女を殺した犯人を追う地元のハンターとFBI捜査官。
とにかく寒そう!雪国での殺人事件を描いたサスペンスはこれまでもあったが、この映画は空気が重い。アクションや銃撃や犯人探しには重点がおかれていないのもその理由かも。
白人とネイティブアメリカン、都市と辺境、性犯罪の加害者(男性)と被害者(女性)、そして子どもを殺されたことのある親とそうでない親。さまざな対比が描かれている。しかも事実に基づいて作られたというからさらに重く感じる。
単純に面白いとは言えないが、とても心に残る映画だ。
零下20℃の最高のハードボイルド
「娘を失う」というひどい経験をした男たちによる諦念と決意の物語。舞台であるワイオミング州ウインドリバー保留地という場所は、先住民であるネイティブアメリカンが元々住んでいた場所を追われ、与えられた場所。そこは荒野にして極寒の場所。冬は零下20℃に至る。映画は、その舞台と同じ冷たさの中で、最初から最後まで続く。
そこにあるのは「ここで生きていく」という強い決意のみ。よいわるいではなく、自分に与えられた環境をあるがままに受け入れ、それに屈しないで生きていくというただ強い意思だ。
もちろん、その決意がない者たちも多く暮らしていて、そういうやつらが引き起こした事件を、主人公が追う。
最高のハードボイルドを観た。氷のように、いや氷以上に冷たい環境の中で、炎のように燃えさかる静かな決意。
主人公の言う「強い者だけが生き残る」という言葉における「強い者」とは、決して「力が強い、体格がよい」ではなく、心。生きる意思があるかないかという大小を言っている。だからこそ、冒頭で遺体で発見される主人公の友人の娘について、主人公は繰り返し「強い娘(こ)だ」とつぶやく。
全編通して、真のハードボイルドを伝えるメッセージだけが、語られ続ける。
主人公は、動的に強く戦って生き、友人は、静かに心の中で戦って自らの葛藤に勝つ。この対比もさりげなくはさまれたエピソードに見えるが、実は映画の背骨とも言えるのではないだろうか。
この苛酷な環境に押し込められたネイティブアメリカンに目を向けると同時に、贖罪や哀れみに終わらず、そこで生きる強さという人間賛歌にまでつないでいるストーリーは、すごい。
「悲しんで、悲しんで、その上で悲しみに打ち勝て。そうすれば娘の記憶といっしょに生きてゆける。悲しみに打ち勝てなかったら、娘と共に生きることはできなくなってしまうぞ」
なんと達観した強い心なのだろう。
焼肉ドラゴンでも同様のことを感じて書いたが、苛酷な環境に生きる人たちの話を、観ている人が「俺もこういう生き方をしよう」と感じるところまで昇華させられる作家たちを、本当に尊敬します。ありがとう。
恐ろしい実話
この作品。事実に基づいた映画だったんですね。
恐ろし事件です。
もしFBIに協力するハンターがいなければどうなっていたんだろう?
最後のメッセージ。日本人だけと考えさせられます。
上映後。皆さんの表情は固かったです。
ウインドリバーの素晴らしい風景の元におきた悲しい事件のお話です(´Д` )
全てを奪われ絶望の中で生きるという苦しみ
これは様々な問題提起をする素晴らしい映画だった
アメリカのワイオミング州にあるインディアン居留地 ウインド・リバーでネイティブアメリカンの少女の遺体が発見される
インディアン居留地の捜査権はFBIにあるため、ラスベガスに出張していたFBI捜査官のジェーン(エリザベス・オルセン)は、急遽、ウインド・リバーへと向かう
アメリカの中で、ワイオミング州というは、最も人口の少ない土地のうちの一つだという
なぜなら、切り立った山に囲まれた土地は、石炭が取れるわけでも、石油が取れるわけでもないため、町として発展せず、人が集まらなかったからである
逆に言えば、そこはアメリカの中で最も土地が余っている場所であり、アメリカ政府は、そこへネイティブアメリカンを強制的に住まわせ、インディアン居留地「ウインド・リバー」と命名した
それ以来、ネイティブアメリカンの人々は、絶望しかないその土地で、息をひそめて暮らすことを強いられてきた
この映画では、そのウインド・リバーで起きた殺人事件を描いているのだが
その背景からして、ただのサスペンス映画ではないことがわかる
かつて、アメリカの土地に侵略してきた白人たちは、彼らをその何もない土地に追い込んで住まわせたけれど
もしも、白人たちがその土地に強制的に住まわされることになったら、その白人たちはどうなってしまうのかを描いている
その、とても複雑な歴史を持つ土地を一匹の狼を使って表現しているのが、オープニングである
そこでは、ハンターのジェレミー・レナーが狼を殺すのだ
狼という生き物は、ネイティブアメリカンにとって、とても神聖な生き物なのだが、
かつて、ワイオミング州で暮らす牧場主たちによって「家畜を殺される」という理由で全滅されてしまったという
しかし、近年になってネイティブアメリカンたちのたっての願いで、再び狼たちをワイオミング州に住まわせることになったのだが、未だに、牧場主たちは反対しているのだという
(Wikipedia 調べ)
その中で、ジェレミー・レナーは、狼やプーマが増えすぎて家畜を食い荒らさないように、バランスを取る仕事をしているのだ
ネイティブアメリカンの女性と結婚し、息子はハーフというジェレミー・レナーは、その土地で長く生きていくために、白人たちと、ネイティブアメリカンたちの間に立って、バランスを取る役割をしているのだ
しかし、その土地の複雑さを知らず、仕事のために強制的に連れて来られた白人たちは、その「絶望しかない土地」に馴染めず、フラストレーションが溜まっていき、一触即発の状態にまでなってしまう
インディアン居留地の中で起きた事件は、よそ者のFBIにしか捜査権がなく、
その融通の利かなさが事態をさらに悪化させていく
これは、絶望という土地に強制的に追いやられ、その後、全く見放されてしまったネイティブアメリカンたちを白人の目を通して描かれ、彼らの実情を知るための映画であり
そのガイド役として、MARVELコンビが主役に選ばれたのだろう
多様性が叫ばれる時代の中で、未だに忘れられ、目を背けられている人たちがそこにはいるのだ
エンドロール前に字幕で語られた現実には、とても胸が痛くなった
低予算で製作され、小規模公開されたこの映画は、アメリカで異例のヒットとなり、拡大公開されたという
その事実だけでも、この映画を作った意義があったと思う
元々、アメリカの土地は彼らのものだったはずだ
そのことを、1人でも多くの人が思い出せると良いと思う
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